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魅惑のウィスパーボイス 手嶌葵

大変ご無沙汰してます!笑

今日はウィスパーボイスの女王「手嶌葵」さんの魅力について簡単に書きます。

手嶌葵さんと言えば明日への手紙、テルーの唄、さよならの夏、時の歌、数々の大ヒット曲があります。
幼少期から歌が大好きだった彼女は、ベットミドラーの名曲「THE ROSE」のデモ音源が認められて、ジブリ映画「ゲド戦記」で主役のテルーの声とテルーの唄でデビューします。このテルーの唄は、30万枚を超える大ヒット曲。

彼女の歌い方はかなり特徴的で、中低音は息っぽく秘めやかに、内緒話のように人の注意を惹きます。手嶌さんは174cmと、女性にしてはかなり背が高いのですが地声を小さくして高い倍音を聴かせるように歌うため、軽やかで音抜けが良いのです。

魅惑のウィスパーボイス

細かく分析して聴いていくと低音域は、少しハスキーなウィスパーボイス、中音域から高音域にかけては、
ファルセットウィスパー全体的に癒しのウィスパーボイスで歌われますが、そのウィスパーをまた色んなバリエーションで使い分けています。

手嶌葵さんのもっとも素晴らしいところは
自然体であることだと思います。

優しく語りかけるように普段の喋っている声そのままで
歌っているようです。

そして高音hiCやhiDでも倍音を保ち、それまでのスモーキーな感じからキラっと輝くようなファルセットになります。これがまたキュンとくるのです。

女性でも高音をこれだけ静かに美しく発声できる人は他にいないため、彼女のシンガーとしての才能は一級品かと思います。つまり私は彼女が大好きなのです笑

なぜ息っぽいのに聴き取りやすいのか?

今ではウィスパーボイスという言葉はよく知られていて、そうした歌い方のシンガーも多いです。しかし息っぽくモニョモニョ歌うと今度は歌詞が聴きづらくなったり、平坦な歌い方になってしまう。


 対して手嶌さんの場合は発音は丸みがあって滑らかなのに、言葉はチクチクっとしっかり刺さってくるのです。この違いはどこからくるのか?

 それは子音が強いから。子音って「Ka(か)」でいえば「K」の部分ですね、手嶌さんは日本人には珍しいくらい子音を強くして言葉の輪郭を作っているのです。


 子音は非整数時倍音という、ノイズとも言える雑音なので強くだすとかなり耳に刺さるわけです。ウィスパーボイスにこれが混ざることで、ヒソヒソ話のようになんとなく聞き耳を立ててしまうような求心力が生まれる。


 また、声自体にも息混じりのチリチリしたノイズがあるために、声量に比べ存在感のある歌声になります。ツルンとしたこもった声だと訴求力がありませんが、手嶌さんの声だと深刻で秘めやかな印象になるわけなのです。

その子音も、2006年ゲド戦記の時点では特別強いわけではなかったのです。プロデューサーの鈴木敏夫さんの「唱歌のように言葉を大事に歌ってほしい」という要求から、丁寧に歌ってはいますがその後に比べて子音は大人しいです。

そうして2011年コクリコ坂になると、母音は弱く子音は強くという今のスタイルになります。こうなると発音にかなり動きを感じるようになり、声自体にもノイズが増えたことから耳に刺さる歌声になるわけです。

 こうして注意を惹く声を聴きながら、サビではキラリと輝く高音がでてくるので彼女の歌を聴いてるとついついジーンときてしまいます。

ほんとに良い歌声。





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