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うつ病になって退職して無一文になったらイエスになるしかなくなった話

うつ病になった


いや、数年前からなっている。
休職したりして何とか正規雇用で働いて来たが、限界はすぐそこだった。転職して環境も変えてみたが、あまり効果はなかった。
転職してきた新人なのに、入社してから間も空けずに欠勤魔になったので「え?この人なんで採用したの?」みたいな空気になった。
申し訳なくて、好きな仕事だったけど退職した。

最初、退職を勧告されて、憧れの業界だったから諦め切れなくて、そこを何とか…と上司にも自分の身体にも無理を押して説得した。けど、ダメだった。
最後は箱に入れた私物を抱えて、フローリングの板の木目を見ながら「短い間でしたが、お世話になりました」とだけ呟いて会社を後にした。申し訳ない思いもあったが、それを伝えるだけの気力もなかったように思う。

もともと前の会社の時から欠勤ばかりしていたから、貯金は凄くあるとはいえなかった。転職のために割と長距離の引越しもしたし。
大学時代から興味のある分野だったから、心機一転やってやる!と張り切って会社に行きやすい、そこそこな家賃の部屋に住んでしまったし。

でも退職してからも、直近のお金に困る程ではなかった。元来大きな支出の必要な趣味はないし、せいぜい2週間に1回友達とお茶をするくらい。もうすぐ休職してた分の傷病手当も出るし…と思っていた。



うつ病患者、セーフティネットを探す

探してみると、Twitter(私はまだ「X」への変化を受け入れられてない)を見ただけでもうつ病で退職した人のための手当を色々見つけた。(先輩うつ病の皆さま感謝いたします)
急いで次の就職先を探さずに、まずは身体をゆっくり休めつつ、見つけたそれらの申請をやってみようと思った。

具体的には、

  • 失業期間中の傷病手当

  • 自立支援医療受給

  • 障害年金

  • 障害者手帳

  • ハローワークでの失業手当の延長申請

これらの申請と作業だ。これがもう、鬼のように大変であった。
とりあえず汎用性の高そうなサイズの証明写真を撮り、なにかにつけて住民票(有料)を要求され、区役所へ繰り出させられ、かと思ったら病院へ行き、診断書で1枚5000円(通ってる病院によって多少の差はある)ほど払わされる。
ほとんどの申請には診断書が必要である。
5000円×3?4?
ちょっと合計金額を考えたくないです。わたし。

区役所に年金機構(2箇所)、ハローワーク。
※2箇所にバラけられると移動費も疲労も半端ない。
そして「障害年金の相談は予約がなければ出来ません」と言われ、予約日を決め、他に何もできることがなく、帰った…

移動費もバカにならない。水分補給代(熱中症対策のエアコンがついてる場所確保)もかかる。
乗り換えに継ぐ乗り換え。人混み。
はぁ…


普通なら歩ける20分もあいにくの気温とうつ病の症状の中では無理だ。
バス220円、往復440円。はぁ……



3営業日以内とは民間の言葉だと痛感

そしてやっと書類が揃ったと思ったら、こう言われた。

「この申請は審査があるため、絶対に通るとは言いきれません。」
「申請が通って通知が行くまでに最低で3ヶ月かかります。」

さ、3ヶ月!?
3ヶ月しないと、私のこの、灼熱の中、病気の体にムチを打って、無いお金を絞り出した結果すら分からないの!?



余談、わたしの休職分のお金

ちなみに話は脱線するが、休職(今年の1~3月)中の傷病手当が待てど暮らせど来ない。3ヶ月休職していたので、3ヶ月分のお給料の3分の2の金額が支給されるはずである。
6月の頭には会社に書類を提出したのに、まだ入金されない…恥ずかしながら、会社に問い合わせると、「先週保険会社に提出しました」。

え!!先週!!?2ヶ月寝かせてたの!?

病院の先生曰く、申請書が保険会社に届いてから入金されるまでは最速でも3週間、長いと半年はかかるため、私の無一文生活は続く。最低でもあと3週間は続く。今月末の家賃は払えるだろうか。



難関、障害年金申請に挑む

1番大変なのは、まだ申請が終了してない障害年金の申請だ。これは初診での病院の記録(私は当時岐阜に住んでいた)や、いま通っている病院への診断書、今までの病気の症状の変遷(A3裏表本人または代理者の手書き裏表)やら、もう、色々な書類が必要である。
ちなみに、この申請について書かれた本を図書館で発見し読むと、申請の通過率は33%。この複雑な申請制度のせいで病気が悪化した人さえいるという。
こんなにお金がかかって、時間も削って、33%しか通過しないだとぉぉ??

どんな申請だよ!どんな申請を障害者にさせようとしてるんだよ!もう無理だよ!!(半ギレの諦めの境地)

ちなみにこの申請のために現金書留で初診(岐阜)の病院に診断書を書いてもらうようにお願いしたが(5000円+現金書留郵送料)、年金機構の窓口の方に「初診の病院はここの病院では無いようです」とあえなく棄却された。(つまり私の努力と5000円ちょっとは泡と消えた)。再び、初診を受けたと思われるほかの病院(四谷)へ診断書のお願いを郵送した(追加で5000円+郵送料)。
※ちなみに時間がかかるので2週間は待っていてくださいと言われた。しょうがないね、お盆もあるしさ

また、障害年金申請の申請にはいまの病院に特別な診断書を書いてもらう必要があるらしく、1~2万円するらしい。
※こちらは内容が多いので3週間くらい見ておいてくださいと言われた

こんなに散財ばかりして、時間はかかりまくり、いつ書類が届くのかも分からず怖くなってきた。元々うつ病患者なのである。感情の起伏には自信がある。

年金機構の窓口の女性は言った。
「この、障害年金の申請、もし通ったとしても入金は半年以降です。」

えっ!!!

私「わたし…あの…退職金とかもなかったので、それまで生活して行けるか不安です。」
窓口の方「(わたし)さんは来年の3月までの年金を先払いしているので、これを取り戻す方法もありますよ。」
私「その申請やります!(即決)」
(離職票と証明写真、手書きの申請書の郵送がタスクに追加)
窓口の方「ただこの申請、返金されるまでに半年くらいはかかります」

え!!!!!?

私「あの、違うんです。それまでが問題なんです。いまはまだ働ける体調じゃなくです。それまでの生活費はどうすればいいんですか?」
窓口の方「(小声)本当に、もう、どうしようもないとなったら、生活保護があります。ただ生活保護もすぐにお金が貰えるわけじゃありません…」

えっ!!!!???

もうもええわ!
ありがとうございました!

(レッドカーペットに出てくるレーンで退場)






…とレーンに流されても、続いていくのが人生である。半年後までどう生きろというのか。いつ届くか分からない傷病手当金?
いくら出るか分からない失業手当??
※いま失業している分の傷病手当はコンクリートジャングルの先にあった渋谷のハローワークで勤務期間が足りないと言われ、その前の会社の離職票を取り寄せてくれと言われ、まだ会社から離職票が届いていないために申請できていない。
また受付の人がサラッと「もしそれがあってもきちんと就労している期間が短ければ申請は無理ですね〜」と恐ろしいことを呟いて、その日は終わった。
失業手当を貰えない可能性もある、だと??(耳に何度もカームがかかって聞こえ続ける…)



混沌の世の中よ…

本当に世の中どうなっているんだ。
障害への救済制度があるのはもちろん有難いが、その手続きの複雑さ、支出の多さは大きな負担になる。だって我々は体調が悪くなって働けず、お金に苦労しているのだから。なのにその上、手続きを終えても3ヶ月後、半年後などいま現在困っている人が救済される措置がないなんて。
また、私にはインターネットという情報収集の手立てがあるから様々な手当を知り得たが、そうでないひとはどうしたらよいのか。



愚かなるわたしの結論

結局私は半年後までどう生きたらいいのか。
結論は1つ、イエスのように1度眠りにつき、入金が確認されるであろう半年後に復活することである。
私は生きるためにイエスになる必要がある。
イエス様は数日後に復活なさったが、私は少なくとも半年後は眠りにつかなくてはならない。うつ病故、過眠は得意技だが、半年間眠り続けることは出来るだろうか…
もう半年後に障害年金の申請に落ちていたら、不服申請(これもお金と手間がかかりそうだ)を提出しもう一度眠りにつこう。


マイナンバーカード、的を得ていない政策、忖度と中抜き。ウクライナ侵攻への巨額の軍事金支援。おじさんばかりの国会。

次復活するときに、日本という国がどうなっているか、私にはもう分からない。



余談(うつ病患者、引越しを考える)

上記の申請と同時に私は引越しを視野に入れ始めた。元来、マルチタスクは得意な方である。うつ病による健忘症状もメモがあれば何とかなる。私は体調の良い日に、ベッドに横になりながら家探しを始めた。
初期費用や安いに越したことは無い。少なくとも私には運が良くとも半年後まで大きなお金は入って来ないのだ。 
コンビニ近く、ロフト無し(睡眠導入剤を飲んでいるので夜中に昇り降りした際にフラついてケガをするのは避けたい)、敷金礼金不要=極狭激怖賃貸。セキュリティも心もとない。


思いついたのが県営住宅だった。HPを探し、即電話した。追い詰められた人間の行動は早い。
答えは、いますぐの入居もできるが、風呂なし、スーパー激遠の物件です。

一瞬そこでもいいかと考えかけた。いまは私の人生最大の背水の陣である。四の五の言っていられるか。
しかし、うつ病とは「生活できない」病である。そこにトイレがあろうと行けず、お風呂に入ることを渇望しても倦怠感が酷ければ身体が動かない病気。
そんなやつが風呂なし物件に住んでしまったら、いつ銭湯に行けるのか分かったものではない。スーパーもしかり、食料の調達が出来ずUberに時より頼るのが関の山だ。余計にお金がかかる。

私「あの…他の、条件のよい物件に住むには、どうしたらいいでしょう?」
電話先「11月に抽選がございます。こちらに応募ください。」
11月か。少し遠い。それまでいまの家賃を払えるかが勝負だな。

私「もしその抽選に当たりますと、住み始めるのはいつ頃からになりますか?」
電話先「来年の4月でございます。」

はい無理ぃぃ!!!

私にはそんな時間的余裕はない。抽選で外れた場合の策もない。もっと言えば、そんな引越し繁忙期の引越し代を考えるのも怖い。


ほんとにもう、眠りにつくしか、ないじゃん…

日本政府さん。力ある大人の皆さん。
こんなにマルチタスクができて、粘り強く、行動力のある人間が、体調の波があるせいで週5で働けず、他の職員に差し障りがあるからとほとんど解雇の状態で職を失ったことをどう思いますか?これでも、うつ病は心が弱いから…とか言いますか?
障害者がこれ程に申請に苦労を強いられる現状をどう感じますか?
若者の貧困についてどうお考えですか?

私は問いたい。
私は変えてほしい。
私は考えてほしい。

そうでなければ私は、イエスのような復活を信じ、自分の首に縄をくくるしかないのだ。


そしてきっと、そんな思いをしている人は私だけではない。

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