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デッポコ書きました(短編小説など)

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短編小説とかです。
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短編小説「たこやきのない世界」

「友達と仲良くしましょう」 「将来の夢を持ちましょう」 「素敵な恋人を作りましょう」 「…

死者に花束を、生者には銀の杭を

「この世で最も偉大なものは神、あるいは人類の頭脳であるのは疑うべき点は無いが、ではこの世…

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鬼が笑う

かつてこの国には鬼と呼ばれる大悪たちが存在した。 しかし時代の流れと共に、鬼はかつての地…

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アンダードッグ&プッシーキャット

世の中に対して言いたいことなんて無いけど、ひとつだけ言わせてもらうとするならば、バンド活…

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竜と六畳間

「起きて半畳、寝て一畳、だけども商売は繁盛していたい!」 そう語ったのは家具職人の祖父で…

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酒とマサカリ ~ Bar&Hatchetation ~

1911年6月9日、アメリカ合衆国アーカンソー州ユリーカ・スプリングズ公園。 その日、ひ…

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小説「会いたい喋りたい捕食したい」

毎朝同じように鏡の前で顔を洗い、口に水を含んでぶくぶくと液体を流動させて吐き出し、歯を磨きながら眠気を覚ます。 もう何も考えなくても出来てしまうルーティーンだけど、本当に必要なのかと問われれば「いや、まぁ、いるんじゃね?」くらいにしか返事が出来ないくらい、別にこのタイミングじゃなくてもなとも思う。 別に飯を食ってからでもいいし、先にうんことか済ませてもいいし、顔を洗うくらい1回くらいパスしたって死にはしない。歯はちゃんとなるべく丁寧に磨いたほうがいいけれども。 口の中でシャ

家出少女・オブ・ザ・デッド

夜の町を歩くのは様々だ。 仕事帰りの人、勤務中の人、部活終わりの学生、今から塾に通う学生…

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いつかの夏休みの宿題、或いは『拝啓 カツサンドマスタードソース様へ』

夏休みの宿題は夏休みの内に済ませておいた方がいい。 それを口癖のようにしつこく語ってくれ…

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お部屋を片付けてたらなんか出てきた

おはようございます。デッポコちゃんです。 最近体調がカスなので、小説書かなきゃと思いつつ…

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短編小説「ふしぎな神様とチョコレートトッピングましましワッフル」

山の天気は気まぐれだ。 今朝は雲ひとつないくらい晴れていたのに、昼を待たずに爪の先くらい…

短編小説「ランタンの灯」

その日は、冬にはまだ早い季節にしては朝から凍えるような寒さだった。空を分厚い雲が覆い、早…

短編小説「ギガ恐竜ガール」

産みのお母さんのことは正直よく覚えてないけど、とても気の強い人だったことは覚えてる。 口…

短編小説「荒野のワンワン」

ボクが造られる前に世界は大きな戦争があって、なにもかもメチャクチャになった。 生き残ったニンゲンは砂と鉄にまみれた焼け焦げた大地で、砂煙を上げながら旧時代の遺産を走らせた。 荒れ果てた荒野の果てには頭のおかしい悪党がいて、同じように頭のおかしい連中を次々に仲間にしていって、あっという間に世界最強で世界最悪の荒くれ集団を結成した。 でも全員頭のおかしいイカレ野郎だから、鉄クズよりも価値のない理由で殺し合いを始めて、ボクのご主人様は何十発も何百発も仲間だったやつに鉛玉をぶち込んだ