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伝説の親父

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はちゃめちゃだけど憎めない、図太さの権化である「伝説の親父」の奇行録。
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記事一覧

「何やってんねん……」

僕がまだ大阪でフリーターをしていた、20代前半の頃のある日。 友人に誘われて、早朝から交通…

杉原 学
3年前
3

「冷たいもん」の正体

ある日の夜、実家で両親とすき焼きを食べた。 腹を満たした親父は風呂に入り、またリビングに…

杉原 学
3年前
3

「履いてませんよ!」

ある大晦日。 親父が「そやそや、絵馬を返しとかんとあかんな」と言って、棚に飾られている絵…

杉原 学
3年前
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「こっちの息子」

ある年末のこと。 帰省すると、親父はヘルペス(帯状疱疹)にかかって、仕事もしばらく休んで…

杉原 学
3年前
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「な?」

飲食店などで不快な思いをした時、あなたはどう対応するだろうか。 僕は店員さんに文句を言う…

杉原 学
3年前
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「現金が欲しいです」

孝行息子である僕は、毎年父の日にプレゼントを贈っている。しかし何を贈るのかはなかなか悩ま…

杉原 学
3年前
3

身も蓋もない「深海の舞姫」

あるテレビ番組で、珍しい魚を展示する水族館が特集されていた。 そこで紹介されていたのは、深海をヒラヒラと美しく舞う魚。名前は忘れてしまったのだが、「深海の舞姫」と呼ばれているという。 「キレイやなぁ」と、僕がそのヒラヒラと舞う美しさに見とれていると、一緒にそれを見ていたオカンはこうつぶやいた。 「身が少ないんちゃうの」 なぜ食おうとしているのか。 ……いや、確かに人間にとって魚とは、そもそも鑑賞するものではなく、「食うもの」だったはず。太古の昔より受け継がれた本能を

しょーもない植木

ウチの両親は「ジャパネットたかた」フリークなのだが、ある年のゴールデンウィークに実家に帰…

杉原 学
3年前
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ツッコミヘルパー募集中

親父は妙に自分のファッションに自信を持っている。 最近は特に「チャイハネ」というエスニッ…

杉原 学
3年前
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豪速球ピッチャーの末路

友人の結婚式に出席するため、大阪に帰った時のこと。 当時「ルーズヴェルト・ゲーム」という…

杉原 学
3年前
7

「壁紙出とるやん」

ある年の紅白歌合戦。 「ゲゲゲの鬼太郎」を歌う熊倉一雄さんの後ろで、着ぐるみの妖怪たちが…

杉原 学
3年前
5

「こんなもんピュッと行ったらええんや」

ある初詣の帰り道。親父が運転する車に、僕とオカンが乗っていた。 その車が小さな横断歩道の…

杉原 学
3年前

「いやな感じがするんや……」

ある大晦日の夜。親父とオカン、僕と弟の4人で紅白歌合戦を見ていると、映画「NANA」で大ブレ…

杉原 学
3年前
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「仕事中に死んだら困りますやろ?」

僕の親父は70歳を過ぎた今も、某自動車メーカーの販売店で、車の洗車などのアルバイトをしている。会社で若い連中にかまってもらえるのが楽しくて仕方ないらしい。 しかもアルバイトのわりに、社員さんはおろか、店長さんにまで遠慮なく意見を述べまくっているという。 そんな親父の面倒を懲りずに見てくれている会社の方々には、感謝してもしきれない。おそらく介護のつもりでやってくれているのだろう。 その店は、洗車の無料サービスがウリで、ひっきりなしにお客さんがやってくるらしい。 ある年末