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ブラジル。彼らは今日も「そこ」で生きる

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日本にはないサンパウロの車内放送

日本にはないサンパウロの車内放送

ブラジルの都市、サンパウロは、電車が整っており、120円で、地下鉄も電車も乗り放題だ。ただ、いつも、ある車内放送が流れ、なんだか私はもやもやしてしまう。

サンパウロは発展した都市で、ビルが立ち並ぶオフィス街や、大きなショッピングモールも多いのだが、貧富の差が激しい。電車内にもそれは表れている。車内に貧しい、物売りの人達がいるのだ。お菓子や水、イヤホン、充電器、パスポートケースなどなど、色々なもの

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ブラジルの、いつも笑ってたおばちゃん。耳は聞こえず、体は男性だけど…

ブラジルの、いつも笑ってたおばちゃん。耳は聞こえず、体は男性だけど…

私は大学を休学して、しばらくブラジルに滞在し、ボランティアをしていた。その時出会った人たちの中に、何人か忘れられない人がいる。

その1人が、教会の小さな手芸のクラスで出会った、いつも笑ってたおばちゃんだ。(実は昔は、男性だったとは後で聞いた。)そのクラスは、あるボランティアの女性がやっていて、私は時々、お手伝いをさせてもらっていたのだ。

そのおばちゃんと初めて出会ったときは、正直、びっくりした

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ビル崩壊でテント生活を続ける子どもたち。元気でいてほしい...

ビル崩壊でテント生活を続ける子どもたち。元気でいてほしい...

2018年5月、ブラジル、サンパウロの24階建てのビルが大規模な火災によって崩壊した。犠牲になったのは、貧しく、無断居住していた300~400人程の人々。事故後、何か月も、ぎっしり並んだテントで生活している子どもたちがいた。

私が初めてそこに訪れたのは、事故後2か月が過ぎようとしている頃だった。友人の友人たちが、そこでボランティアをしていると聞いて、一緒に参加させてもらったのだ。

そのビルがあ

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ブラジルで出会った、ドラッグに苦しむ人々。忘れられない。

ブラジルで出会った、ドラッグに苦しむ人々。忘れられない。

ブラジルの都市、サンパウロにはドラッグが蔓延している地域があり、Cracolândia と呼ばれている。平均して2000人近くのドラッグ使用者のたまり場になっているとも言われるその地域には、政府が建てた簡易宿泊施設がある。そこで見た光景、そして人々のことは忘れられない。

私は、ボランティアとして、その簡易な施設を何度か訪れた。
初めて訪れたのは夜だった。
夜8時、他のボランティアと共に、ドアをく

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貧困。助けになれると思い込んでブラジルへ。

貧困。助けになれると思い込んでブラジルへ。

大学を休学して、「本気の」途上国支援をしようと、ブラジルに行った。

始まりは、インドでのボランティアだった。大学の仲間と共に、大きなNGOの、家を建てるボランティアに参加したのだが、その活動には、もやもやが残った。ひたすらバケツリレー方式で砂運びやブロック運び。容器は小さく、リアカーもあるのに使わず、非常に効率が悪い。ただただ、時間がかかるだけ。

活動そのものより、参加費に含まれる寄付金の支払

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