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#レストラン をもう少し攻めて考える

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これからの時代、レストラン・飲食店に求められるものって? 作り手ではなく「良き食べ手」として、私たちは何を目指すべき? コンフォータブルで合理的な、これからのレストランについて… もっと読む
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記事一覧

料理の腕を決めるのは、技術かセンスか、想像力か〜スキすぎてごめんなさい vol.1〜

料理の腕を決めるのは、技術かセンスか、想像力か〜スキすぎてごめんなさい vol.1〜

料理研究家のSHIORIさん、代々木上原「sio」のオーナーシェフ、鳥羽周作さん、その「sio」で料理人兼仕掛け人兼編集者として活動するオリタタクヤさん、そして私の4人で、春先より新たな試みを始めました。
#スキすぎてごめんなさいという名のプロジェクト 。何が“スキすぎ”かというと、食への愛です。いや、執着といって良いかもしない。
私など、一介のサラリーマン編集者を経て、現在はディレクター。決して

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シェフはロビー活動をしちゃいけないの?

シェフはロビー活動をしちゃいけないの?

こんにちは。
またしても「レストランのあり方」について考え続けています。
というのも、いよいよ来週、3月25日に「アジアのベストレストラン50」の授賞式が開催されるからです。

「世界のベストレストラン50」の前哨戦とも言うべき、世界的なレストランコンペティション。その存在は年々話題を呼んでおり、今ではミシュランと双璧をなす存在として知られています。
今回の舞台はなんと日本! 昨年完成した「ザ・カ

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僕にも愛がうっすら見えた日| #スキすぎてごめんなさい

僕にも愛がうっすら見えた日| #スキすぎてごめんなさい

突然だが、大好きな歌がある。hitomiさんが歌う、LOVE2000だ。

愛はどこからやってくるのでしょう?自分の胸に問いかけた。
ニセモノなんかに興味はないの ホントだけを見つめたい。

この歌詞は、愛を受け取る側の視点で、当然のように本物の愛を求めてしまうことを歌っている、とはじめは思った。しかし、愛を与える側で考えると、本物の技術だけを磨いていきたいという高い志を書いた歌詞のようにも思える

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ズタボロの年を脱して風の時代へ

ズタボロの年を脱して風の時代へ

みなさん、こんにちは。メリークリスマス。
2020年が終わろうとしています。いかがお過ごしですか?

なんという年だったんでしょうね。
去年の今ごろ考えていたことを思い起こしてみると
なんだか、それだけで笑っちゃいます。
やる気満々だった2019末。
今もパワーフルスロットルであることに変わりはないけれど
それでも今ここにいる私は、365日分以上に歳をとった気がします。

世界中すべての人が、同じ

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食を批評するなら言葉を持たなきゃ

食を批評するなら言葉を持たなきゃ

「Go to」キャンペーンについに東京も入れてもらえるようになりますが
都民としてはやはり、

早く飲食店にも愛の手を!と声を大にして言いたい、です。
最近ではせっせと、レストラン応援の意味も込めて、2〜3人の少人数で食事に行くようになりましたが
やはり、大勢で囲むダイニングが恋しくてたまりません。
シェアスタイルで取り分けてかぶりつくメインのブロック肉とか、
カウンターに大皿料理が並ぶ吉田類チッ

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休業は「負け」じゃない〜LURRA°(ルーラ)宮下拓己さんに聞く

休業は「負け」じゃない〜LURRA°(ルーラ)宮下拓己さんに聞く

今週もまた、話題沸騰の人気レストランの長期休業が発表されていました。
規模も味わいも値段も店内インテリアから器に至るまで、
何もかもが熱い注目を浴び、開店早々取材したのがまだ2年前です。
飲食業界に詳しい知人や友人は言います。

今からなんだよね。これから増えていくんだ、こういうのそんな……。そうなの?!
こちらまでドキドキしてきます。

ただその一方、この状況下で満席という店の話もけっこう聞こえ

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第二波に挑む前に〜「傳」長谷川在佑さんに聞く

第二波に挑む前に〜「傳」長谷川在佑さんに聞く

長い忍耐の時を経て、
まだ感染者は出つつも、ついに「一応の日常」へと舵を切った東京で
私は今日も、食や暮らしを取り巻くモノ・コト・ヒトを追っています。

この2週間で3軒も、星付きレストランの閉店のニュースを耳にしました。
一方で、形態を変えて再出発するシェフの話も聞こえてきます。
世間がようやく「新しい日常」を迎え、元気を取り戻そうとしてる時に
さまざまな形で覚悟を決める店が多数、現れているよう

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森枝シェフが語る、コロナ後の世界

森枝シェフが語る、コロナ後の世界

リモートワークが本格的に始まって、
zoomミーティングの予定がカレンダーを埋めるようになりました。
不思議なことに、そうなってからなぜか、
電話で人と話すことが増えたように思います。これまでは

絶対メール派だったんですけどね。
わざわざ電話するくらいならいっそ会おうよという主義でしたが、
ずっと自宅のダイニングテーブルで仕事をしていると
不意にかかってくる電話がなんだかうれしくて。
自分は調布

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シェフに聞く「休業か継続か」

シェフに聞く「休業か継続か」

最悪の状態にも、まだまだ底があるんだなと気づかされる毎日です。
みなさんも似たような状況をお過ごしではないでしょうか。

今週、私にとっての悲しいことといえば、

レストランの予約キャンセルでした。それも2軒も。

過日発表となった「アジアのベストレストラン50」で、今年も日本勢トップとなった神宮前の和食店「傳」と、
調布・深大寺にある都会のローカルガストロノミー「maruta」。
2軒とも、予約

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作り手も食べ手も、今こそ

作り手も食べ手も、今こそ

相変わらず暗い状況が続いています。
私が見ている飲食やホテル、うつわの世界はさらに状況は過酷で、
残念なニュースや悲しい連絡が飛び込んでくる一方、
それに負けない方々によるハートウォーミングな活動の噂を聞いたりして
このところ、人とのつながりが一層濃くなったようにも感じます。

そんな最中、世界的なレストランアワード「アジアのベストレストラン50」の2020年の結果が発表されました。

今や「ミシ

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今こそ自分を見てみようよ

今こそ自分を見てみようよ

昨今のコロナ騒ぎにはほとほと、飽きました&疲れました。
フリーなのでリモートワークもオフィスワークも関係ないんですが、
準備してきたイベントや出張が延期だ中止だとなって、つまらない。
そんなところに別件が入るありがたさを感じつつも、
なんとなく宙ぶらりんな気持ちで毎日を過ごしています。

ところがそれを打ち砕くスーパーマンが登場。
友人のクリエイター、holidayこと堀出隼さんが、
自宅学習で外

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飲食店は弱者なのか

飲食店は弱者なのか

まさかこんなことになるなんて、誰も思っていませんでした。

コロナウイルスによる新型肺炎の蔓延によって、
次々とカレンダーが入れ替わっていきます。まるでスケジュールテトリス。
今週は、バンコクのフードリサーチのために出張するはずでした。
来月のビッグイベントも来週やるはずだった撮影も、春に延期です。
さらには、来月末に佐賀県で開催が予定されていた食のコンペティション「Asia's 50 Best

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あなたの魅力を語る言葉は、それで正解?

あなたの魅力を語る言葉は、それで正解?

毎日毎日、何らかの文章を書いて暮らしているのですが、

言葉って使いよう。ツールだよなぁとつくづく思います。
フォトグラファーがNikonやCanonのカメラを使って写真を撮っても、
あがる写真は十人十色であるように、
使える平仮名やカタカナの数はみんな同じ条件であるにもかかわらず、
編み出される世界観の、なんと異なること。

私は、毎週「Vogue girl」のLINEから配信される「しいたけ占

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初心なんて忘れよう

初心なんて忘れよう

最近、食の世界の住人と会うと、もっぱら話題はこの件で持ちきりです。

小林圭さん日本人初三つ星 仏ミシュラン

これ、本当にすごいことです。
業界のSNSは、ちょっとした大騒ぎでした。
日本人シェフが営むパリのフレンチレストランが、
料理の王国フランスでトップオブトップだと認められたんですもん。
対する日本にはまだ、人間国宝(重要無形文化財保持者)に「料理人」というジャンルさえありません(怒)。

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