グー

損害保険の魅力

現役の損保マンが余すことなく語っていこうと思います。

損害保険がカバーする領域は想像以上に広い、です。

これがやりがいでもあり、苦労するところでもあります。


人も企業も、取り巻く環境は「リスク」でいっぱい、です。

それはもう想像以上に。。


製造業を例にあげるなら、

・大規模自然災害による工場の損傷

・その事故による売り上げや利益の減少

・企業に責任が生じる事故の場合はその近隣への賠償責任

・労働災害

・自社が無事でも近隣が被災して物が売れなくなる間接被害

・労働者のストライキによる生産STOP

・会社役員を被告としての役員訴訟

・・枚挙に暇がありませんね。


もし、保険がなかったら?

工場を稼働し続けられるのか?

工場新設で事業拡大をしようと思えるのか?

新規事業を始められるのか?

保険ではなくても、リスクが顕在化した場合に、自身でリスクを「保有」したり、銀行からお金を借りたり、国から給付金をもらえたり、意外となんとかなるのかもしれません。

でも、もし何とかならなかったら?

個人であったら、自己破産や家族離散などの避けたい現実が到来?

企業は、債務超過で倒産に陥る可能性がありますね。


保険とは、公共性の高い商品だと私は思います。

保険がもしなかったら、困る人や企業が大勢いると思います。

もちろん、保険料には保険事業の運営費・維持費に加えて、保険会社社員の給料、保険代理店の販売手数料もONされているので、安いと言える商品ではありません。

安全・安心を買う、という表現が適切かはわかりませんが、保険に入っていないがために、事故が発生して苦しむたくさんの人をみてきました。


保険をかけ過ぎて、高い保険料を払わされている人も確かにいます。

ただし、そのような人でもひとたび保険事故が起きた際には、保険金として補填されるので、保険をかけていて良かった、と思ってもらえた経験をたくさんしております。

私は、保険金支払い・査定部門の在籍経験が長く、より身近に事故にあい、大変な思いをする人を見て接する機会が多いです。

大変な時にこそ、保険金を迅速に、適切に、受取人にお届けせねばと心から思います。


少し話は逸れるかも知れませんが、適切に、というのは非常に重要です。

保険金は多く払い過ぎても少なく払ってもダメです。決められた保険契約に基づいて、適切にお客様にお支払いをする必要があります。

適切に算定された保険金が、お客様の求める水準よりも高ければ喜んでもらえますし、低ければ保険料の払い損だ、保険なんて意味がないとお叱りを受けることもあります。

保険は目に見えない商品です。

保険をどのようにお客様に届けるか、受け取っていただくかで満足度もかわってきますので、保険会社社員の腕の見せ所と言えます。

営業が保険加入のメリットデメリットを適切に伝えて加入いただき。

支払部門が事故にあわれたお客様へ迅速かつ適切な保険金を支払う、

そして本社部門が保険事業全般のサポートをする。


保険会社は、たくさんのステークホルダー(利害関係人)と社員によって。保険事業を営んでいることがわかります。


話を戻しますが、保険会社の業務は魅力的だと思います。

魅力的なんだろうな~と思って、入社して、実際に働いてみて、思った以上にその魅力に気づけました。

一方で、保険って難しいな~と思います。毎日思います。

保険商品自体が難しいのもありますが、その難しい商品をどうしたらお客様にわかりやすく理解して貰えるのだろうと、ず~っと考えています。永遠の課題です。


将来的にAIが発展して、保険商品の最適な提案をAIがしてくれるようになっても、お客様は人間なので、AIだけで完結するとは思えません。

特に、事故に遭われたお客様の気持ちを理解して、お客様への親身な対応は人間にしかできないのではないかと思います。ましてや、クレーム対応などの場面においてはAIの出番はなくて、人間同士の気持ちと気持ちを通わせ合う(ぶつけあう)状況は、AI時代も続くと思っています。

結論として、損害保険の仕事(の一部)はAI時代にも奪われない、むしろ人間対人間の対応を手厚くしていくことが今後重要で、人間の活躍の機会は増えていくのではと思います。(願望?)

今後も必要とされる仕事をしたい、保険がいつまでもそのような仕事として残るといいなと思います。


最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

Tony@MBA損保マン



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