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漫画の感想

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昭和生まれの私が読んだ漫画の感想。古いのも多いけれども新しいものもあります。
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記事一覧

萩尾望都 (あぶな坂HOTEL)

萩尾望都 (あぶな坂HOTEL)

この世とあの世の間にあるホテル。
そこで引き返すことが出来ればこの世に留まる事が出来る。
引き返すことが出来なければあの世に行くことになる。

こういうテーマ自体は目新しいとは言えないかもしれないけれど、
流石は大御所。
短いページのなかで、それぞれの人々の人生をさらりと描いている。

生きるも死ぬもその人次第。
読めば読むほど、深いテーマがひしひしと身にしみてくる。

たまには自分の人生を今一度

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新田たつお (隊務スリップ)

新田たつお (隊務スリップ)

『静かなるドン』の続編となる最新シリーズ『静かなるドン-もうひとつの最終章-』の連載が、2023年5月17日(水)発売のグランドジャンプ12号より開始されるらしい

「静かなるドン」の大ファンである私としては非常に嬉しいニュースでした

そこで思い出したのが「隊務スリップ」
弱いと思われている主人公が実は強いという設定 
「静かなるドン」と似てるじゃないですか
私はこういう設定は結構好きなのです

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丸尾末広 (ギチギチくん)

丸尾末広 (ギチギチくん)

丸尾末広の学園漫画?

エロもないし、グロも・・・ほとんどない。(ちょっとあるけどね)

主人公のギチギチくんは不思議な能力があって、悪いクラスメイトなどをやっつける。

丸尾末広版、「魔太郎がくる!!」(藤子不二雄Ⓐ)っていう感じかな?

これならエログロが苦手な人でも読みやすい・・・?

志水アキ (狂骨の夢)(原作:京極夏彦)

志水アキ (狂骨の夢)(原作:京極夏彦)

久しぶりに1巻から5巻まで続けて読んでみました。やっぱり最初から最後まで一気に読むといいですね。

しかし・・・骨・骨・骨・・・。ここまで骨ばかりいっぱい出てくる漫画も少ないのではないでしょうか。(笑)

・・・で、この話に出てくる

「顔の区別がつかない」

まあ、いわゆる<相貌失認>っていうものなんだけど、

私自身もどちらかというと、<相貌失認>のような気がします。

一言で<相貌失認>と言

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松本零士 (帰らざる時の物語)

松本零士 (帰らざる時の物語)

(1975~1976「プレイコミック」掲載)

表紙カバー折り返し部分の説明文より
「泣き、笑い、夢を描き、野心に燃えて人間が踏んだ地球も、
宇宙の運命時間に逆らうことはできない。
科学の進歩も、人間の愛も、宇宙空間をかけめぐるただ一瞬の夢にすぎないのだ!
はるかなる時の流れを自在にあやつり、飛翔しつづける精神(こころ)が
描き出した大河ロマン!」

「松本零士節全開!」とでもいえばいいのか・・・

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谷口ジロー (『坊っちゃん』の時代)(原作:関川夏央)

谷口ジロー (『坊っちゃん』の時代)(原作:関川夏央)

(週刊漫画アクション 1986年12月~1987年3月掲載)

<1998年手塚治虫文化賞 大賞受賞作品>
(選考委員評)
原作との共同作業の「豊かさ」を、理想的な形で現実のものとし続けてきた営為に対して深く敬意を表します。(大月隆寛氏)
この作品の中で提示されている「明治文学賞」は、現代文学論としても圧倒的に素晴らしく、たくさんの発見に満ちている。
まさに「文化」としてのマンガの到達点。(高橋源

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青池保子 (緋色の誘惑)

青池保子 (緋色の誘惑)

(平成10年発行)

明るく元気なオカルト漫画!?

作者は霊体験も何もないので、本職の霊能者さんに協力して頂いてこの作品を描いたらしい。

全く怖くないオカルト漫画・・・っていうのも考えてみると非常に珍しいのではないだろうか?

オカルト問題専門の病院(そんなもの本当にあったら面白いが・・・ほとんどインチキだろうな~)
そこの院長のあんり先生がすごい力を持った霊能者という設定。
彼女自身は普通の

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小林まこと (格闘探偵団)

小林まこと (格闘探偵団)

あの「1・2の三四郎」の東三四郎が何故か探偵をしている。
何故か・・・と書いたけど、その理由は勿論これを読めばすぐわかる。

探偵はしてるけど、三四郎が普通に大人しくやってるわけがない。
格闘シーンも当然ある。

4・5巻では自閉症児が登場する。
その扱いがとっても自然で好感がもてる。

この作者の力強いペンタッチが好きだ。
特に顔の表情。
そして口!!!
あんな口を描く漫画家は他にいない・・・と

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台湾版のブラックジャック

台湾版のブラックジャック

2014年に娘と台湾旅行に行ったときに買った台湾版のブラックジャックです
<典臧版>って書いてますが<愛蔵版>ってことでしょうね、きっと。

手塚治虫の漫画は台湾版で結構出版されているようです
もちろん、海賊版ではなくて正式に認められているものです

私が行った書店には残念ながら手塚作品はこのブラックジャックしかありませんでしたが、
「火之鳥」(たぶん「火の鳥」)
「佛陀」(たぶん「ブッダ」)

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松本零士 (四次元世界)

松本零士 (四次元世界)

松本零士先生がお亡くなりになりました

零時社からのお知らせで
「星の海に旅立ちました」とありました
そうなんですね、星の海なんですね
そして
「遠く時の輪の接する処でまた巡り会える」
とも・・

心からご冥福をお祈りいたします

テレビなどでは999やヤマトのことを取り上げているのが多かったのですが、少し違ったものを取り上げてみます
以下は2005年に私が別のブログに書いた感想です

(1969

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山岸凉子 (天人唐草)

山岸凉子 (天人唐草)

この作者は、長編もいいが、短編も非常にいいものが多い。

この「天人唐草」タイトルページでは天女?が舞っている姿。
あぁ、綺麗だなー。今回の話は現代ものじゃないのかな?と思いつつページを開くと3ページ目にはどこかの空港。不審な人物らしき人の足元のみの絵で終わる。
「えっ?何だ??この展開は???」…と思いつつ次のページをめくると「きえー」とか「ぎえーーーっ」とか妙な叫び声を上げながら歩く、髪を金髪

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山岸凉子 (ツタンカーメン)

山岸凉子 (ツタンカーメン)

古代の遺跡の破壊とか財宝の盗難とかの話を聞くと非常に勿体無いと思って、「ああ、これ以上聞きたくない!!」と、思わず叫んでしまいそうになる。
根が貧乏性だからだろうか?

これも、ツタンカーメンを題材にしてるから当然破壊と盗みの話が出てくる。
うーーん。勿体無い!勿体無い!!・・・
貴重なものを壊さないで!!!盗って行かないで!!!!

・・・ま、それは置いといて、この作者の独特な線のタッチ、独特な

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浦沢直樹 (MASTERキートン(作・勝鹿北星))

浦沢直樹 (MASTERキートン(作・勝鹿北星))

平賀=キートン・太一・・・母、英国人。父、日本人。
英国国籍所持。
オックスフォード大学出身、
胡桃沢大学「考古学」講師(2巻でクビになるんですけどね)兼フリーのオプ(調査員)。
元SASサバイバル教官。
・・・というのが主人公。

見たところ、さえない普通の男なんだけど、危機に直面すると、その真価を発揮して格好良くなる・・・というのは、よくあるパターンといえばそうなのだけど、そういうパターンが好

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水木しげる (姑(クーニャン)娘)

水木しげる (姑(クーニャン)娘)

水木しげるの戦記物です。

「姑娘」は人から聞いた話を基に描いたものらしいのだけど、かなり酷い話です。

あとがきで水木先生本人が「やはり、日本人として、そういうことは反省しなければいけないと思う」と、書いているがその通りだと思う。

戦争っていうものは、一般の女性や子供が犠牲になるんですよね。日本だけではなくてどの国もたぶん同じような事を平気でしているのだと思います。反省は日本だけでなく戦争をし

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