武蔵野の森公園から富士スピードウェイまでの137km。男子と違い富士山は登らないので『比較的難易度が低くクライマーよりはワンデーレーサー向き』との見方もありますが、壁のような登り坂や、合計2,692mというハードな標高差をふまえると、厳しい展開も予想されます。

直近レース『ジロ・ドンネ』

先日行われた、女子最大規模のレース『ジロ・デ・イタリア・ドンネ』には、オリンピックに出場予定の選手が多く参加していました。総合表彰台はSD Worxが独占しています（内、オランダ勢2名）。

🥇アンナ・ファン・デル・ブレッヘン (SD Worx) 31歳,オランダ,167cm,現世界チャンピオン(ロード・個人TT)

🥈アシュリー・ムールマン (SD Worx) 35歳,南アフリカ,163cm

🥉デミ・フォレリング(SD Worx) 24歳,オランダ

オリンピック

全員が優勝候補のオランダチーム🇳🇱

アンナ・ファン・デル・ブレッヘン🇳🇱

リオ2016覇者のアンナ・ファン・デル・ブレッヘンは絶好調。ジロ・ドンネでは圧倒的なチーム力に加え、安定した強さを発揮し、4度目の総合優勝。ロードレースと個人タイムトライアルの現W世界チャンピオンでもあり、今シーズンはフレッシュ・ワロンヌ史上最多の７勝も達成しました。そんな無双状態の彼女ですが、実は今シーズンで引退を表明しており、来シーズンからは所属チームSD Worxのスポーツディレクターに転身予定。キャリアの集大成として、オリンピック連覇に懸ける気持ちは大きいはず。 SD Worx,31歳,167cm

アネミック・ファン・フルーテン🇳🇱

38歳、ベテランのアネミック・ファン・フルーテンは、今回のジロ・ドンネには出場せず、イタリアで高地トレーニングをしていました。日本の高温多湿な環境を再現した室内トレーニングも行ったそうで、オリンピックへの情熱はかなりのもののようです。昨シーズンは絶好調で、今シーズンもロンド・ファン・フラーンデレン優勝などのビッグな成績を残しており、歳を重ねるごとに強さを増すタフな選手です。普段はファン・デル・ブレッヘンの最大のライバルでもありますが、オランダチームでの2人のチームプレーは要注目です。 Movistar Team,38歳,168cm

デミ・フォレリング🇳🇱

ファン・デル・ブレッヘンの後継者とも呼ばれるオランダ期待の若手、デミ・フォレリングは、ジロ・ドンネ総合3位。ファン・デル・ブレッヘンのチームメイトで、アシストをしつつ個人の成績も残しました。今シーズンはリエージュ～バストーニュ～リエージュとラ・クルスで優勝。SD Worx,24歳

マリアンヌ・フォス🇳🇱

ロンドン2012覇者のマリアンヌ・フォスは今回のジロ・ドンネでステージ通算30勝という大記録を達成しました。今シーズンはアムステル・ゴールドレース優勝。 Team Jumbo-Visma Women ,34歳,168cm

このように、超強豪ぞろいのオランダチームは全員が優勝候補です。コース中盤の登りでは、アンナ・ファン・デル・ブレッヘンやアネミック・ファン・フルーテンの長距離アタック、スプリント勝負になった場合は、マリアンヌ・フォスやデミ・フォレリングの活躍が予想され、色々な角度から金メダルを狙うことができます🏅

また、今回のコースはアルデンヌクラシックに似ているとも言われていますが、今シーズンのアルデンヌクラシックはオランダ人が全勝しています（アンナ、フォレリング、フォスがそれぞれ1勝ずつ…！）

オランダの次に層が厚いイタリアチーム🇮🇹

エリーザ・ロンゴ・ボルギーニ🇮🇹

エースはイタリアチャンピオンのエリーザ・ロンゴ・ボルギーニ。リオ2016では3位。今シーズンはトロフェオ・アルフレッド・ビンダでも優勝。フレッシュ・ワロンヌやリエージュ・バストーニュ・リエージュでも表彰台に登っています。直近のジロでは本来のパフォーマンスではない様子でしたが、いつも通り積極的なカッコイイアタックを見せていました。きっと東京でも、彼女のアタックシーンが見られるはず…！どこまで調子を戻せてきているか注目です。Trek-Segafredo Women,29歳,170cm

（ロンゴ・ボルギーニのカッコいい勝ち方についてはこちら↓）

マルタ・カヴァッリ🇮🇹

イタリアチームには強力なアシストもいます。特にマルタ・カヴァッリは先日のジロにおいて、山岳で他を圧倒するSDワークスに単独で食らいつくシーンが印象的でした。総合6位に入り、好調さが伺えます。FDJ, 23歳,167cm

マルタ・バスティアネッリ🇮🇹

また、スプリント勝負に持ち込めば、マルタ・バスティアネッリでも勝負ができます。Alé BTC Ljubljana,34才,166cm

アメリカ🇺🇸

クロエ・ダイガード🇺🇸

オリンピックイヤーに照準を合わせてくるアメリカは、昨年大怪我を追ったスター選手、クロエ・ダイガードの力が突出しており、怪我の復調次第では、オランダの牙城を崩せる力を持っています。2019年、ダイガードは22歳にして、個人タイムトライアル世界チャンピオンに輝いています。Canyon SRAM Racing,24才,176cm

昨年の大怪我は世界選手権個人タイムトライアル2連覇をかけたレース中の出来事でした(中間計測ではトップタイムだった)↓

コリン･リベラ🇺🇸

展開によっては先日のジロ・ドンネ最終ステージで優勝した、登れるスプリンターのコリン･リベラにもチャンスがあります。

オーストラリア🇦🇺

グレース・ブラウン🇦🇺

アップダウンのあるワンデーレースに強く、パワーとパンチ力を併せ持つグレース・ブラウンがエースと予想されます。登り坂や富士スピードウェイでの逃げ切りに注目です。彼女は「オーストラリアチームは、オランダに次ぐ2位ではなく、1位を狙う」と公言しているようです…！Team BikeExchange,29才,168cm

アマンダ・スプラット、サラ・ギガンテ、ティファニー・クロムウェルなど、強いチームメイトが揃っています。

イギリス🇬🇧

リジー・ダイグナン🇬🇧

ジロ4位のママさんライダー、リジー・ダイグナンは、才能あるクライマーとして、レースの終盤まで上位に食い込むことができると予想されています(Trek-Segafredo Women) 32歳,イギリス,168cm

デンマーク🇩🇰

デンマークには、強力なスプリンターのエマ・ノルスゴーと爆発的なクライマーのセシリー・ウトラップ・ルトビックがいます。レース展開により、どちらも勝利を狙えると考えられます。

セシリー・ウトラップ・ルトビック🇩🇰

ブルゴス・フェミナスでは女子ワールドツアー初優勝を果たし、ラ・クルスでは2位になっています。積極的な走りはもちろん、明るくサービス精神旺盛なナイスキャラとしても人気がある選手です。FDJ,25歳,168cm

エマ・ノルスゴー🇩🇰

強力な若手スプリンター。Movistar Team,21歳,172cm

その他、各国の強豪選手🇿🇦🇩🇪🇧🇪🇵🇱

🇿🇦南アフリカのアシュリー・ムールマンは、先日のジロ・ドンネでクイーンステージ優勝を果たしており、アシストをしつつ総合でも2位と、好調の様子です。南アフリカのチームメイトはいませんが、SDワークスのチームメイトであるファン・デル・ブレッヘンとデミ・フォレリングについていければ、メダル獲得も夢ではありません。 (SD Worx) 35歳,南アフリカ,163cm

🇩🇪ドイツは、スプリントやタイムトライアルに強く、ドイツチャンピオンのリサ・ブレナウアー（Ceratizit-WNT Pro Cycling,33歳,168cm）がエース。

🇧🇪ベルギーは、ルーラーであるロッテ・コペッキーを全面的にバックアップすると考えられます。

🇵🇱ポーランドのカタジナ・ニエウィアドマは、初のオリンピックとなったリオ2016で6位に入賞、当時22歳でした。今シーズンも、一桁台でのフィニッシュを連発しています。

🇪🇸スペインからは、スペインチャンピオンでジロ5位の、マヴィ・ガルシア (Alé BTC Ljubljana) 37歳,スペイン,172cm

🇯🇵そして日本からは、世界で活躍中の 輿那嶺恵理 選手と、ベテランの 金子広美 選手が出場されます！

どうなるんだドキドキ。。。

最強チームオランダの牙城を崩すために、他チームがどんな手を使ってくるのかというのが大きな注目点(なのですが、こんなに強かったら『誰がエースなんだ問題』からの『わたしがエースだ』からの仲間割れ、なんて事にならないのか？とも思ってしまうんですけど、なかなかそうならないのがロードレース！(マジですごい、みんなプロ！) でもたまにギクシャクした場面が見られると正直ワクワクしちゃいます、リアリティを目の当たりにする感じがたまりません、すばらしい人間ドラマ！脱線しました🙇‍♀️)

現状では、女子ロードのトップ選手が日本にやってくること自体少ないと思いますので、ぜひともこの東京大会で選手の皆さんそれぞれの持ち味を最大限発揮していただき「二ホンサイコー！マタ、クルワ💗」となってくれたら嬉しい限りです。

ともあれ、何が起こるか分からないロードレース、明日はどんな展開が巻き起こるのでしょうか！

引用

https://plus.globalcyclingnetwork.com/browse

https://www.cyclingnews.com/

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