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詩とエッセイ

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ぽえまーよはんのひとりごと。
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「ラッキー」

「ラッキー」

やばい。
きょうなんか、仕事が終わってビルの一階のドアから出て、吸った最初の空気、めちゃくちゃすきなやつ。

湿度の感じとかからして、「あの土臭い感じかな〜」と思っていたのに。なんじゃこりゃあ。

わからない、べつに、都会だし。
空気が綺麗なわけではないし。

ちょっと電車に乗って、途中の駅で降りて、外に出てみても、おんなじだ。さっきと同じ、じめっとしてない、意外な爽やかさ。

これが春?そうだっ

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宇宙の途中。

今は、「X」と呼ぶのか。まだ慣れないな。
私のスマホ画面には、既に「エモい」に殿堂入りした、群れとはぐれた白い鳥が一羽。

ときどき、開いてみる。

電車の中で、おじさんが広げている夕刊紙を見たり、高校生がヒソヒソ話す噂話を聞いたりして。

へえ、誰かが炎上したんだ、とか思って、軽い気持ちで開く。

文字で喧嘩してる人とかもいる。
「正しい答え」を説く人もいる。

へえ、と思って、すごくどうでもよ

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道。

道。

ここんとこ
別に何があるわけでもないけど
なんか上手く行かないな〜と思いながら
毎日過ごしてたんだけど

今YouTubeのショート動画をみてて
フォローしてる人が
リチャード・バックの一節を載せてて
ハッとした。

ここに、戻らないと。

苦しいとき、私にはここがあった。
今取り戻すべきは、この感覚だ。

自分の
ちっちゃいけど少しずつ積み上げてきた
良い選択に感謝した。
振り返ったら、ちゃんと

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birth.

birth.

過去はひとには問われない。
過去を問うのはただひとり。

残してきたものが
栄光だろうと罪だろうと
それらが今を
どう飾っているとしても

踏み出す一歩は
まだ誰も何も知らない
まっさらな世界に着地する。
足跡のない
積もったばかりの雪の上に
足跡をつけていく。
それならば。

過去はついてくる。
ときどき焦げついた何かを
心に運んでくることもある。

未熟さを積み重ねて
不安定で崩れおちて知る

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五月夜

五月夜に何かを期待して
酔いつ群れつ明日は明日

太陽が眩しい人間たちは
進化したか祖を忘れたか

無くしものはこちらです
夢でも見せてくれたらな

公私詳らかの文豪たちも
心外だがされるがままに

火のない屑を見つめても
朝のがはやくやってくる

幸福を知ってか知らずか
ここにとどまっていたい

にんげんの屈辱に浸かる
心地のよい寝床で今日も
#poem

紙袋

紙袋

木曜夜の零時少し前
凍てつく夜も温かく
下り電車の賑わいは
健やかなる無法地帯

幽霊の様な境界線を
何でもない風に跨ぐ
通路という概念など
誰も覚えてはいない

ど真ん中に置かれた
高級百貨店の紙袋は
その威厳も虚しく、
なんてことでもなく

夢現の主人よろしく
やけに堂々とした姿
それこそ実に本来の
私だとでも言う様に

昼のいきぐるしさが
存在すら不確かな夜
ただそこに在るのは
星と空と少し

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きらきら。

きらきら。

愛はいかに生じるや。

黒板のメニューの字の癖
久しぶりに座った特等席
マスクをつけた銅像たち

運命的な出会いをして
穴が空くまで履きふるして
ボロボロだけど捨てられない靴

愛はいかに生じるや。

他のは煙たくて受け付けないのに
なぜか唯一安心する
名前も知らないあのタバコのにおい

項垂れて肩を震わす後ろ姿
泣いているのか怒っているのか
笑っているのか分からない背中の群れ

愛は
今年はじめ

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お浸し。

お浸し。

ハグなんてされたら
泣き崩れてしまいそう

そんな夜にわたしは
ひとりでハンバーガーを頬張る

ひとりでたべるくらいなら
食べても食べなくてもいいやなんて
思いながらもお腹はへるし

寂しい思いに任せると
わたしじゃなくなるから
でも無理に強がったのを
わたしだといっていい?

ちっぽけなこと
なにを勝手に傷ついてるのか
誰かそばにいてほしいと
願うのはにんげんの必然

ひたすらに食べたこの満腹感

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ユニコーン。

ユニコーン。

名前を、忘れてしまった人もいるし
ふと見えた誓いが、くすんでみえる時もある
今年の冬は、ヘンな缶飲料が増えたし
去年とは違う雰囲気のコートが流行ってる

どこかで会ったような気がする
夢の中だったのかもしれない
空気を揺らさない限りは
靴を脱いでも、敷居を跨ぐことはできないから

それでも時たま
顳顬あたりがピンと刺激され
繋がるはずもなかった糸を
一瞬で手繰り寄せあうことがある

目覚めて街を歩

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伝わらない気持ちは
悲しいけれど
どんなに馬鹿にされても
あなたを、すきでいる。
#poem #essay #詩 #エッセイ

大切な大切な万年筆は
素敵な言葉を綴るためだけに
使いたかったのだけれど

毎日をともにするのだから
酸いも甘いもどうやったって
伝わってしまうものよね
#poem #essay #詩 #エッセイ

決壊。

決壊。

なみだって、
溜まってくものなんだ。

昨日は
逆転した立場を
大人になって
受け入れるしかなくて
ぐっと堪えて

今日は
悔しくても
もう大人なんだからって
胸を叩き叩き
飲み込んで

笑ったら
気分が変わって
どっかへ行くんだと
思ってたけど

笑いながら
扉を閉じたら
なみだがとまらない、
とまらない

もうだめだ、
今日はだめだ、
喉から息を吐きながら
そう思う自分と
そうやって泣け泣け、

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星の灯。

星の灯。

あなたがみて
美しいと思ったことを
しんじてね

あこがれた先に
裏切りと出あうかもしれない
でも
全部ほんとだよ
全部ほんとうなんだよ

うそだとしって
信じるとき
それは
期待かもしれないし
保身かもしれないし
ただの意地かもしれない

まとめて全て受け入れたい
そんなのは、
結局やっぱり綺麗事か。

耳をふさいで逃げちゃえ
きらいになるくらいなら

わたしの心は
まっすぐなの、
これまでだっ

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尊い日。

尊い日。

長い一日だった。

他人の人生には目もくれず
ただ、人に無関心というわけではなく

そういう人間になれたらと
それが第一線を生きることだと

それでも
好きが交錯して
好きに振り回されて

憧れが本物になりそうで
怖くて
利き難いブレーキを必死にかけたり
閉じて閉じて、何でもないふりをしたり。

そんなことしなくたって
平凡でも
私は誰かの生きがいだし
それが
商売で繋がれた縁だとしても
すべてに

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