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12モンキーズ(公開年は文章中から類推してください:監督はテリーギリアム)【映画感想の前に確認させてくれ。世界は1996年に滅亡したはずなんだが、今は何年だ? そうか・・・・もうそんなになったか】

若いころに見た映画なのでというか、
これが私にとっては人生で最も印象深い作品となります。

大抵の人にとってのマイベストは、限りなくピュアだった時代に観たもののはずですから。
その後、TVドラマにもされてましたが、そちらは未見です。
アメリカのTVドラマは視聴率が取れる限り無限に続くのでついていけません。
やはり2時間で終わってくれるライトさがいいよね。

というわけで時は96年。まだブルースウィリスが健在だったころ。
彼の主演によるSFタイムトラベル映画がこいつですよ。
私はこれにやられたんです。

という訳でマイベストインマイライフ映画となるであろう作品です。

時は未来。
人類は生き残りをかけて、かつて文明が滅亡した時代へとタイムトラベラーを送り込みます。
その送り込まれた時代こそが1996年12月であり、送り込まれた男がブルースウィリス演ずる主人公です。
未来社会はなんとなくディストピアであり、結論として主人公には選択の余地はなかったのですが、しかし主人公は一縷の希望を抱いています。
というのも世界が滅亡した日、謎の女性に微笑みかけられた記憶を覚えていて、もしかしたらまた会えるかもしれない。という訳のわからない希望を抱いていたからです。
その記憶こそが主人公が生きてきた理由であり、まだ耐えている理由であったのでした。

さて1996年12月に人類文明は謎のウイルスによって滅亡したそうです。
謎のカギを握るのは、良くわからない謎団体、12モンキーズ。
こいつらがウイルスをばらまいたのか???

ともあれ、ウイルスの元を入手し、未来に持ち帰ることが任務なのでした。
しかしたどり着いた1996年は思っているのとはまったく違い、いきなり警察に逮捕、そして正直に真実を吐露したところ、精神科医を呼ばれます。そりゃそうだよね。

しかしこの精神科医は、あの記憶の女性にそっくり。ただ髪の色だけが違う。

そしてこの時代はなぜか1990年。
そして若き日のブラッドピットが演ずるイカレタ男とも知り合います。
ここで呼び戻されます。

どうもこのタイムトラベル、ダイバーみたいに降ろされたり上げ戻されたりするタイプのものなんです。それで何度も送り込まれる。

しまいには主人公は「自分は1996年の人間で未来の科学者に命令される妄想を信じているんだ」とまで信じるようになります。
相手の女性精神科医がそう診断していたのを信じることにしたのですね。およよ。

しかしそう信じるころには、女性精神科医の方が、彼がタイムトラベラーである証拠を見つけてしまったりして。

そんな感じで話は進行していくのですが、

結論的ネタバレをかますと、バッドエンドなのです。
テリーギリアムだからね。
「未来世紀ブラジル」の監督はだてじゃない。

でもただのバッドエンドじゃない。
ハッピーエンドでもあるのです。
メリーバッドエンドの最初の類例とでも言いませうか。
私は「こういう幸福はアリなんだな」という感想でハッピーエンド派です。

というか、私自身の狭い軽佻な幸福観念をぶち壊された作品なのです。
この時をもって、私の少年の日々は終わりを告げ、幸福と不幸を超越した境界線のない世界を求める模索の旅が始まったのです(ナンチャッテ)

オープンエンドというやつですな。
「未来世紀ブラジル」は誰が見ても「1984」感がぬぐえませんでしたが、
こいつはエヴァ感がする。そういえば同時代だ。
つまりバッド感をうまく蒸発させてぶっ飛ばしている。

いずれにせよ、物語でありながら、物語の枠をとっぱらう。
そういう暴挙を正当化させるようになった業の深い良作なのだ。

とりあえず私の中では、映画は「12モンキーズ」以前と以後によって明確に区分されるのです。
こういう体験は一生に一回あるかないかでしょう。
以上、信仰告白でした。
ところで皆さんの心には何が残りましたか?

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