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swimmer―mi
2019年3月4日 13:34
自分には縁がない。そんな風に思っていたから、いつも僕は君を遠くから見ていることしかできなかった。君は、この季節になると必ずあの揺れる金色の夢の世界の下で、静かに座って本を読んでいたね。君は知らないかもしれないけれど、君がそこにいるだけで、まるで幻想的な絵画のような空間が現れていたんだよ。僕は、この眼に焼きつけようと必死だった。輝く金色の揺れるフレームが、君の美しさを際立たせて、
2019年3月1日 00:15
あの朝顔のつるがワタシを狙うんです。へぇ。そいつは困ったもんだ。それからこの沢山の眼を持っていたとしてもワタシはきっとなにも見えていないんです。んんん。そうだろうねぇ。この背から伸びる透き徹るコレがなぜワタシにと、考えることも許されていないのです。すぐに喰われてしまうだろうからね。それから、それから、それから。俺はもう逝くから、好きなだけ喋るがいいさ。さようなら、
2019年2月17日 03:06
ある夜のことでした。そうくんはお母さんと夜空を眺めていました。お母さんは言いました。「今日のお月さまはとっても綺麗だね。ほら、あの雲をみてごらん。なんだか龍のようだね。」「うん。お月さまの光があたって虹色のドラゴンみたいだ!」そうくんは、嬉しそうに言いました。その夜、そうくんは暖かいお布団で眠りにつきました。そして、夢をみました。…えーん。えーん。あれれ?誰
2019年1月12日 05:05
目の前を覆うように垂れ下がる一面の蔓には、ところどころ美しい紫色の小さな花が咲いていた。雨粒の雫が、葉をつたいつたい、繋がりながらも、静かにしたたりおちていた。この先へは、進ませない。かつて、そう結界が張られていたのだろう。私は、持っていた大剣を差し出し、たくさんの蔓を傷付けないようにソッと右に寄せた。中をのぞいて、息を飲んだ。まるで別世界のまるい空気とはじける色彩たちが、