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たまこです。あたらしい世界のかけらを集めてます。

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  • 成長から成熟へ (探求編集バンド)

    • 13本

    編集バンドで、「成長から成熟へ」を探る。   テーマ毎、題材(本)などにフォーカスしながら議論を深め、それぞれの気づきや思考をアウトプットしていくマガジン。

  • 旅と社会

  • イコール「書評の書店」

    • 45本

    深呼吸書店は雑誌「イコール」の書評頁と連動しています。編集部に参加した人たちは自分で読んだ本の書評をアーカイブしてください。

  • 読書noteと感想と

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最近の記事

お金とインドと未来。Slowdown 社会の成長と成熟を考える

ずいぶん昔のことだが、 インドで1ヶ月暮らしたことがある。 知人の紹介してくれたインド人の家の ガレージみたいなところに 間借りしていた。 そこから毎日 日の出と日没のガンジスを眺めに 歩いて行く。 川べりのチャイ屋で 警察官と一緒にチャイを飲んだ。 ほったて小屋のようなその店には いつ行っても 10歳の賢そうな男の子が働いていて 素焼きのコップでチャイを出してくれる。 ある日、そうやってお茶をしばいていたら 「Are you happy?」 急にその子が尋ねた。

    • 山形県遊佐町少年議会のお二人に、お話を伺いました

      *ウェールズの未来世代幸福法 日本版チームとして、活動してます。これはチームとして書いた2023.10月の記事です。あまりに楽しい内容だったのでこちらにもアップします。 以下報告記事 山形県遊佐町・少年議会のお二人に、 お話を伺いました   2023.10.31 未来世代幸福法日本版チーム前川 下がり続ける全国の選挙の投票率の中で、 4年連続1位の山形県。 その中でも18歳以上の投票率が平均より10ポイント以上高い、 人口13000人の遊佐町には 全国でも珍しい、少年議

      • 減速する素晴らしい社会 Slowdown 書評

        本書で最も刺激的だったのは >資本主義は遷移状態である。 と言う部分だった。 >資本主義が生き残るには需要拡大し続け絶えず変化する必要がある。 近年、考古学の発展によって、縄文期と言われる時代に、ハラッパーのような、格差のない平等な都市が長期間に渡って、多数存在したことが分かり始めた。 私たちの生きてきたこの時代、特に,1901年からの5世代の中でも、X世代と言われる1956年から1981年に生まれた世代が経験した時と変化の流れが、人類にとって、例外的だった。という

        • 減速する素晴らしき世界 Slowdown ほとんど読んだのと同じまとめ記事②

          本書は、将来も技術変革、 経済成長は永遠に続いていく という前提=「呪い」 を、 加速の時代だった20世紀が、人類史上例外的異常事態であり、やって来つつあるスローダウンの時代がむしろ人類にとっては状態である と言う仮説によって、解呪していくための、「ふりかえり」の本である。 第4章データ新しいものがどんどん減っていく 情報技術などのイノベーション(中国の文字・ヨーロッパの印刷技術・アメリカのインターネット)の伝播は、その折々の時代に、富が蓄積され、戦争が計画実行され

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          1/10Fukushimaをきいてみる2023.ホープツーリズムモニターツアー

          映画 1/10Fukushimaをきいてみる2023 をテーマにした 福島でのスタディツアーに参加した。 8年前、福島県知事の肝入りでダークツーリズムに対抗し、企画されたという ホープツーリズムの一環である。 まずは映画の上映会があり、 古波津監督、インタビュアーの佐藤みゆきさん、 参加者一同と、このツアーを作った 菅野さんで対話が行われた。 みゆきさんに、 この映画を10本撮って、 故郷に対する思いは どのようにかわりましたか? と私が聞くと、 「前は出身した田村

          1/10Fukushimaをきいてみる2023.ホープツーリズムモニターツアー

          立ち上がれ勇気!震災を体験した子供たちの物語

          何も心配しなくていいのよ。 だから言う通り、勉強しなさいね。あなたのために。 ママはそういうから、あたしは勉強をするふりをする。 頭には入らないけど机に向かって。 youtubeを見ながら絵を描き その合間に友達とラインする。 話題は「推し」のこと。 中身なんてない。 成績は低迷してる。テストの結果が出るたびにママは怒る。 だけど気になってしょうがない。パパが帰ってくるたびに、居間で怒鳴りあいが始まるから。朝になると何でもないふりをして、ママはご飯を作り、私は学校へ

          立ち上がれ勇気!震災を体験した子供たちの物語

          「働き方改革と過労死」③市民活動としての労働運動と世界の動き

          「大勢のひとが、よってたかって俺には権利があると叫び続ければ、そこに権利が生まれるんですよ。根拠なんていらないんです」と、一緒に活動していた弁護士はこともなげに語った。 香港の例を見るとそれはそれほど簡単なものではない事はわかる。しかし、過去の歴史の中で確かに沢山の先人たちが、自分の戦いを戦っていた。いつか女性にも参政権が与えられ、黒人のオバマ氏はアメリカの大統領になった。戦いは終わらない。私たちはその中に生きているだけなのだ。 2000年、当時住んでいたロス郊外で、「K

          「働き方改革と過労死」③市民活動としての労働運動と世界の動き

          「働き方改革と過労死」②市民活動としての労働運動と世界の動き

          労働者派遣法が成立したのは、1985年である。 これは1947年職業安定法制定に伴って禁止された「労働者供給業」や制限を受けた「請け負業」が新装復活したものだ。 戦前は労働者の保護規制が不十分であったため、悪質な労働供給者により、奴隷的な人身売買、賃金の中間搾取、労働争議への暴力団の介入などが行われていた。敗戦後、この前近代的な慣行をなくすために法規制がかかったのである。 最初は16業種に絞られた派遣業種は、1996年の派遣法改正で専門26業種に拡大。2003年の改正では

          「働き方改革と過労死」②市民活動としての労働運動と世界の動き

          「働き方改革と過労死」①市民活動としての労働運動と世界の動き

          労働問題の中心と周辺                   前川珠子 家族の死をきっかけに飛び込んだ労働問題の世界で見たのは、大勢の、異常ともいえる状況のなかで虐げられた人々だった。 会社に見捨てられたメーカー勤務の営業の人は、ご主人を心配した奥様ともども、モンスター化したクライアントの前にご夫婦で引きずりだされ、倉庫の床で土下座を強要され、ある人は、研究者生命をかけて取り組んだ成果のすべてを上司に奪われ、研究室から追い出された。 労働力として便利に使われパワハラで潰さ

          「働き方改革と過労死」①市民活動としての労働運動と世界の動き

          魂の声(2023友川カズキ11年目の仙台ライブ)

          「たまちゃん、友川カズキのライブ行かない?」 友達の及川徳子に声をかけられた。 私の好きそうな濃いアーティストだと言う。 秋田訛りで歌い、ちあきなおみに曲を提供し、「どこへ出しても恥ずかしい人」というドキュメンタリー映画を撮られたりしているらしい。 及川は友川の「生きてるっていってみろ」の歌を「生きてるっていってみろ」 「生きてるっていってみろ」 「生きてるっていってみろ」 と、情熱的に歌いながら説明してくれたけど、 もちろんそれじゃ全然わからない。 ただ、ロックの黄金

          魂の声(2023友川カズキ11年目の仙台ライブ)

          映画:1/10 Fukusimaをきいてみる

          数年越しでずっと見たかった映画 1/10 Fukusimaをきいてみる を、ついに見た! 古波津陽監督による 1/10 Fukusimaをきいてみる は、福島復興の10年を記録するプロジェクトだ。 1年づつ、長編ドキュメンタリー映画として 公開されている。 はじまりは2013年。 今回見せてもらったのは 2017年版と昨年2022年度版である。 立場も性別も年齢も違う人々の「今」 が、インタビュー形式で淡々と綴られていく。 印象的だったのは、「海」の美しさだ。 福島、大

          映画:1/10 Fukusimaをきいてみる

          私が死んだ後で 2.

          死んだらチャラって誤解があるようですが、それは違うんですよね~」 不謹慎な。この死神は、軽すぎる 咲はだんだん腹が立ってきた。 「だってもったいないじゃないですか! せっかく<思い残し>たのに! 誰かを熱烈に愛したり、絶望したり、 何かが足りないと思ったり、 人を恨んだり。僕たち死神だって愛と光でできてるけど、これだけ光をまき散らしても」 と死神はくるんと回りながら、 虹色の光のつぶてを あちこちにばら撒いた。 「それがなんだかわからない。 ほんとにはね。 でも、人

          私が死んだ後で 2.

          私が死んだ後で 1.

          病室でベッドに横たわり、 ヒュ―ッ、と息を吸い込んだ時、 あ、終わった と、咲は思った。 それまで、胸に渦巻いていた お母さんごめんなさい という気持ちが、流れていった。。 お母さんごめんなさい。 一人ここに残して ごめんなさい モニターの点滅が止まり 傍らに座っていた母親が 「咲ーーーーーーーーー!」と絶叫した。 働き者で心配性な母。 シングルマザーの彼女にとって 咲の存在は救いだった。 元気な高校生だった咲はある日重い病を発症し 僅か半年で帰らぬ人になっ

          私が死んだ後で 1.

          [ドゥルーズ入門] 檜垣立哉 著      ちくま新書 刊     

          生の哲学を引き継ぎ、広く哲学のバロック性に棹差し、独自の生命システム論とでも言える思考を展開した、前期ドゥルーズ。ガタリとの思考の大展開以前、定型的な哲学の枠内で仕事をしていた時代の、入門書である。20世紀前半においてはハイデガーが、後半はドゥルーズが、哲学の世界では熱狂され、日本に置いて多大な影響を与えた。この本は、ドゥルーズの、「通俗化」の試み、なのだそうだ。おそらく通俗化とは、一般化というような意味合いなのだろう。ドゥルーズで読んだのは「アンチ・オイディプス」だけ。難解

          [ドゥルーズ入門] 檜垣立哉 著      ちくま新書 刊     

          あなたや私の素朴な言葉が、やがて世界を変えてゆく。

          表題の写真、鎌倉の 稲村ヶ崎海岸に行ったのは 今年の8月20日のことだった。 空は青く、海は雄大で、 黒い砂浜に、真っ白な波濤が まるで北斎の描く絵のように 砕けていた。 サーフィンをする男女のパーティや 海辺で遊ぶ家族連れで砂浜は賑わい、 何よりその場所の美しさに 驚嘆した。 さすが「稲村ジェーン」の舞台。 アジカンが、曲にしちゃうはずだ。 福島第一原発で、 アルプス処理水の海洋投棄がはじまったのは、 それから4日後、 2023年8月24日のことだった。 そのニ

          あなたや私の素朴な言葉が、やがて世界を変えてゆく。

          建築で再生した、長湯温泉。①ラムネ館

          温泉が好きだ。 定期的に友達と、全国いろんな場所の温泉にでかけている。 と言うわけで、大分県長湯温泉大丸旅館外湯、 ラムネ館へ。 ここは日本でも珍しい、 低温の炭酸泉。 この特徴的な外観の温泉施設は、 私の大好きな建築家、 あの「タンボボハウス」で有名な (少なくとも私的には!) 藤森照信氏の作品。 大丸旅館現当主であり、 前大分県竹田市市長、 かつこの長湯温泉を 現代建築のメッカとして再生し、 現在、国民保養温泉地協議会会長 として活躍中の 首藤勝次氏が惚れ込んで設

          建築で再生した、長湯温泉。①ラムネ館