たまこむ

たまこです。あたらしい世界のかけらを集めてます。

たまこむ

たまこです。あたらしい世界のかけらを集めてます。

マガジン

  • イコール「書評の書店」

    • 46本

    深呼吸書店は雑誌「イコール」の書評頁と連動しています。編集部に参加した人たちは自分で読んだ本の書評をアーカイブしてください。

  • 読書note

  • 映画の感想マガジン

  • 成長から成熟へ (探求編集バンド)

    • 15本

    編集バンドで、「成長から成熟へ」を探る。   テーマ毎、題材(本)などにフォーカスしながら議論を深め、それぞれの気づきや思考をアウトプットしていくマガジン。

  • 旅と社会

記事一覧

読書note 潜行三千里 完全版

[潜行三千里・完全版] 元大本営参謀 辻政信 毎日ワンズ刊 戦後日本で一世を風靡した、 累計100万部の大ベストセラーの 2019年の改訂再販。 著者の辻政信は、戦時中の大…

たまこむ
11日前
5

映画 オッペンハイマー

遅ればせながら、話題の映画 「オッペンハイマー」を見た。 アメリカの理論物理学者で、 悪名高いマンハッタン計画を指揮し 原爆の父と呼ばれた男。 本作はオッペンハイ…

たまこむ
2週間前
3

映画 戦雲(いくさふむ)

2024年3月劇場公開の 三上智恵監督の映画 <戦雲(いくさふむ)> を見た。 沖縄本島、与那国、宮古, 石垣各島にミサイル弾薬庫がつくられ、 急速に軍事要塞化が進む南沙諸…

たまこむ
2週間前
4

お金とインドと未来。Slowdown 社会の成長と成熟を考える

ずいぶん昔のことだが、 インドで1ヶ月暮らしたことがある。 知人の紹介してくれたインド人の家の ガレージみたいなところに 間借りしていた。 そこから毎日 日の出と日没…

たまこむ
4週間前
7

山形県遊佐町少年議会のお二人に、お話を伺いました

*ウェールズの未来世代幸福法 日本版チームとして、活動してます。これはチームとして書いた2023.10月の記事です。あまりに楽しい内容だったのでこちらにもアップします。…

たまこむ
1か月前
10

減速する素晴らしい社会 Slowdown 書評

本書で最も刺激的だったのは >資本主義は遷移状態である。 と言う部分だった。 >資本主義が生き残るには需要拡大し続け絶えず変化する必要がある。 近年、考古学の発展…

たまこむ
1か月前
6

減速する素晴らしき世界 Slowdown ほとんど読んだのと同じまとめ記事②

本書は、将来も技術変革、 経済成長は永遠に続いていく という前提=「呪い」 を、 加速の時代だった20世紀が、人類史上例外的異常事態であり、やって来つつあるスロー…

たまこむ
1か月前
6

1/10Fukushimaをきいてみる2023.ホープツーリズムモニターツアー

映画 1/10Fukushimaをきいてみる2023 をテーマにした 福島でのスタディツアーに参加した。 8年前、福島県知事の肝入りでダークツーリズムに対抗し、企画されたという ホ…

たまこむ
1か月前
14

立ち上がれ勇気!震災を体験した子供たちの物語

何も心配しなくていいのよ。 だから言う通り、勉強しなさいね。あなたのために。 ママはそういうから、あたしは勉強をするふりをする。 頭には入らないけど机に向かって…

たまこむ
2か月前
4

「働き方改革と過労死」③市民活動としての労働運動と世界の動き

「大勢のひとが、よってたかって俺には権利があると叫び続ければ、そこに権利が生まれるんですよ。根拠なんていらないんです」と、一緒に活動していた弁護士はこともなげに…

たまこむ
6か月前
6

「働き方改革と過労死」②市民活動としての労働運動と世界の動き

労働者派遣法が成立したのは、1985年である。 これは1947年職業安定法制定に伴って禁止された「労働者供給業」や制限を受けた「請け負業」が新装復活したものだ。 戦前は…

たまこむ
6か月前
2

「働き方改革と過労死」①市民活動としての労働運動と世界の動き

労働問題の中心と周辺                   前川珠子 家族の死をきっかけに飛び込んだ労働問題の世界で見たのは、大勢の、異常ともいえる状況のなかで虐…

たまこむ
6か月前
4

魂の声(2023友川カズキ11年目の仙台ライブ)

「たまちゃん、友川カズキのライブ行かない?」 友達の及川徳子に声をかけられた。 私の好きそうな濃いアーティストだと言う。 秋田訛りで歌い、ちあきなおみに曲を提供し…

たまこむ
6か月前
12

映画:1/10 Fukusimaをきいてみる

数年越しでずっと見たかった映画 1/10 Fukusimaをきいてみる を、ついに見た! 古波津陽監督による 1/10 Fukusimaをきいてみる は、福島復興の10年を記録するプロジェク…

たまこむ
6か月前
3

私が死んだ後で 2.

死んだらチャラって誤解があるようですが、それは違うんですよね~」 不謹慎な。この死神は、軽すぎる 咲はだんだん腹が立ってきた。 「だってもったいないじゃないです…

たまこむ
7か月前
19

私が死んだ後で 1.

病室でベッドに横たわり、 ヒュ―ッ、と息を吸い込んだ時、 あ、終わった と、咲は思った。 それまで、胸に渦巻いていた お母さんごめんなさい という気持ちが、流れて…

たまこむ
7か月前
23
読書note 潜行三千里 完全版

読書note 潜行三千里 完全版

[潜行三千里・完全版]
元大本営参謀 辻政信 毎日ワンズ刊

戦後日本で一世を風靡した、
累計100万部の大ベストセラーの
2019年の改訂再販。

著者の辻政信は、戦時中の大本営参謀として、
ノモンハン事件、マレー作戦、
ビルマ作戦を指揮。作戦の神とも
指揮系統を無視した独善的行動や
現場に責任を転嫁し、自決を強いた
ことなどによって
悪魔とも呼ばれた。
漫画ジパング、その他で
大変な悪役として

もっとみる
映画 オッペンハイマー

映画 オッペンハイマー

遅ればせながら、話題の映画
「オッペンハイマー」を見た。

アメリカの理論物理学者で、
悪名高いマンハッタン計画を指揮し
原爆の父と呼ばれた男。

本作はオッペンハイマーの目から見た、
原爆の誕生経緯とその後の姿を
政敵、アメリカ原子力委員会の委員長
ルイス・ストローズの視点を織り交ぜながら
浮き彫りにした、話題作である。

広義の被爆2世として
2000年にアメリカに居住した。

当時原爆投下5

もっとみる
映画 戦雲(いくさふむ)

映画 戦雲(いくさふむ)

2024年3月劇場公開の
三上智恵監督の映画

<戦雲(いくさふむ)>

を見た。

沖縄本島、与那国、宮古,
石垣各島にミサイル弾薬庫がつくられ、
急速に軍事要塞化が進む南沙諸島。

これは2015年から8年の歳月をかけて
監督が各島を回り撮りためた
ドキュメンタリー映画である。

自衛隊基地受け入れ派の町長、
反対派で太平洋戦争沖縄戦の生き残りのおばぁ、
山里節子さん。
最初は賛成し、後には意

もっとみる
お金とインドと未来。Slowdown 社会の成長と成熟を考える

お金とインドと未来。Slowdown 社会の成長と成熟を考える

ずいぶん昔のことだが、
インドで1ヶ月暮らしたことがある。
知人の紹介してくれたインド人の家の
ガレージみたいなところに
間借りしていた。

そこから毎日
日の出と日没のガンジスを眺めに
歩いて行く。

川べりのチャイ屋で
警察官と一緒にチャイを飲んだ。

ほったて小屋のようなその店には
いつ行っても
10歳の賢そうな男の子が働いていて
素焼きのコップでチャイを出してくれる。

ある日、そうやって

もっとみる
山形県遊佐町少年議会のお二人に、お話を伺いました

山形県遊佐町少年議会のお二人に、お話を伺いました

*ウェールズの未来世代幸福法
日本版チームとして、活動してます。これはチームとして書いた2023.10月の記事です。あまりに楽しい内容だったのでこちらにもアップします。

以下報告記事

山形県遊佐町・少年議会のお二人に、
お話を伺いました   2023.10.31 未来世代幸福法日本版チーム前川

下がり続ける全国の選挙の投票率の中で、
4年連続1位の山形県。
その中でも18歳以上の投票率が平均

もっとみる
減速する素晴らしい社会 Slowdown  書評

減速する素晴らしい社会 Slowdown 書評

本書で最も刺激的だったのは

>資本主義は遷移状態である。

と言う部分だった。

>資本主義が生き残るには需要拡大し続け絶えず変化する必要がある。

近年、考古学の発展によって、縄文期と言われる時代に、ハラッパーのような、格差のない平等な都市が長期間に渡って、多数存在したことが分かり始めた。

私たちの生きてきたこの時代、特に,1901年からの5世代の中でも、X世代と言われる1956年から198

もっとみる
減速する素晴らしき世界 Slowdown ほとんど読んだのと同じまとめ記事②

減速する素晴らしき世界 Slowdown ほとんど読んだのと同じまとめ記事②



本書は、将来も技術変革、
経済成長は永遠に続いていく
という前提=「呪い」
を、

加速の時代だった20世紀が、人類史上例外的異常事態であり、やって来つつあるスローダウンの時代がむしろ人類にとっては状態である
と言う仮説によって、解呪していくための、「ふりかえり」の本である。

第4章データ新しいものがどんどん減っていく

情報技術などのイノベーション(中国の文字・ヨーロッパの印刷技術・アメリ

もっとみる
1/10Fukushimaをきいてみる2023.ホープツーリズムモニターツアー

1/10Fukushimaをきいてみる2023.ホープツーリズムモニターツアー

映画
1/10Fukushimaをきいてみる2023

をテーマにした
福島でのスタディツアーに参加した。

8年前、福島県知事の肝入りでダークツーリズムに対抗し、企画されたという
ホープツーリズムの一環である。

まずは映画の上映会があり、
古波津監督、インタビュアーの佐藤みゆきさん、
参加者一同と、このツアーを作った
菅野さんで対話が行われた。

みゆきさんに、
この映画を10本撮って、
故郷

もっとみる
立ち上がれ勇気!震災を体験した子供たちの物語

立ち上がれ勇気!震災を体験した子供たちの物語

何も心配しなくていいのよ。

だから言う通り、勉強しなさいね。あなたのために。

ママはそういうから、あたしは勉強をするふりをする。

頭には入らないけど机に向かって。

youtubeを見ながら絵を描き
その合間に友達とラインする。
話題は「推し」のこと。
中身なんてない。

成績は低迷してる。テストの結果が出るたびにママは怒る。
だけど気になってしょうがない。パパが帰ってくるたびに、居間で怒鳴

もっとみる
「働き方改革と過労死」③市民活動としての労働運動と世界の動き

「働き方改革と過労死」③市民活動としての労働運動と世界の動き

「大勢のひとが、よってたかって俺には権利があると叫び続ければ、そこに権利が生まれるんですよ。根拠なんていらないんです」と、一緒に活動していた弁護士はこともなげに語った。

香港の例を見るとそれはそれほど簡単なものではない事はわかる。しかし、過去の歴史の中で確かに沢山の先人たちが、自分の戦いを戦っていた。いつか女性にも参政権が与えられ、黒人のオバマ氏はアメリカの大統領になった。戦いは終わらない。私た

もっとみる
「働き方改革と過労死」②市民活動としての労働運動と世界の動き

「働き方改革と過労死」②市民活動としての労働運動と世界の動き

労働者派遣法が成立したのは、1985年である。

これは1947年職業安定法制定に伴って禁止された「労働者供給業」や制限を受けた「請け負業」が新装復活したものだ。
戦前は労働者の保護規制が不十分であったため、悪質な労働供給者により、奴隷的な人身売買、賃金の中間搾取、労働争議への暴力団の介入などが行われていた。敗戦後、この前近代的な慣行をなくすために法規制がかかったのである。

最初は16業種に絞ら

もっとみる
「働き方改革と過労死」①市民活動としての労働運動と世界の動き

「働き方改革と過労死」①市民活動としての労働運動と世界の動き

労働問題の中心と周辺   

               前川珠子

家族の死をきっかけに飛び込んだ労働問題の世界で見たのは、大勢の、異常ともいえる状況のなかで虐げられた人々だった。

会社に見捨てられたメーカー勤務の営業の人は、ご主人を心配した奥様ともども、モンスター化したクライアントの前にご夫婦で引きずりだされ、倉庫の床で土下座を強要され、ある人は、研究者生命をかけて取り組んだ成果のすべてを

もっとみる
魂の声(2023友川カズキ11年目の仙台ライブ)

魂の声(2023友川カズキ11年目の仙台ライブ)

「たまちゃん、友川カズキのライブ行かない?」
友達の及川徳子に声をかけられた。

私の好きそうな濃いアーティストだと言う。
秋田訛りで歌い、ちあきなおみに曲を提供し、「どこへ出しても恥ずかしい人」というドキュメンタリー映画を撮られたりしているらしい。

及川は友川の「生きてるっていってみろ」の歌を「生きてるっていってみろ」
「生きてるっていってみろ」
「生きてるっていってみろ」
と、情熱的に歌いな

もっとみる
映画:1/10 Fukusimaをきいてみる

映画:1/10 Fukusimaをきいてみる

数年越しでずっと見たかった映画
1/10 Fukusimaをきいてみる

を、ついに見た!

古波津陽監督による

1/10 Fukusimaをきいてみる
は、福島復興の10年を記録するプロジェクトだ。
1年づつ、長編ドキュメンタリー映画として
公開されている。
はじまりは2013年。
今回見せてもらったのは
2017年版と昨年2022年度版である。
立場も性別も年齢も違う人々の「今」
が、インタ

もっとみる
私が死んだ後で 2.

私が死んだ後で 2.

死んだらチャラって誤解があるようですが、それは違うんですよね~」

不謹慎な。この死神は、軽すぎる

咲はだんだん腹が立ってきた。

「だってもったいないじゃないですか!
せっかく<思い残し>たのに!
誰かを熱烈に愛したり、絶望したり、
何かが足りないと思ったり、
人を恨んだり。僕たち死神だって愛と光でできてるけど、これだけ光をまき散らしても」

と死神はくるんと回りながら、
虹色の光のつぶてを

もっとみる
私が死んだ後で 1.

私が死んだ後で 1.

病室でベッドに横たわり、
ヒュ―ッ、と息を吸い込んだ時、

あ、終わった

と、咲は思った。

それまで、胸に渦巻いていた
お母さんごめんなさい

という気持ちが、流れていった。。

お母さんごめんなさい。
一人ここに残して
ごめんなさい

モニターの点滅が止まり
傍らに座っていた母親が

「咲ーーーーーーーーー!」と絶叫した。

働き者で心配性な母。
シングルマザーの彼女にとって
咲の存在は救い

もっとみる