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エッセイ

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興行も口コミも放っておけ。私が「DUNE」にハマるまで。

興行も口コミも放っておけ。私が「DUNE」にハマるまで。

「DUNE」は前作のpart1 の時から、周囲の反応が悪かった。
「何を言っているかわかんない」「ずっと同じ風景でつまらない」という感想こそ聞くものの、見た人があまり語りたがらない映画って、ちょっとこわいし。

そして何より、見たという人が私の周りには極端に少なかった。
だから私も当時は、まあ見なくていいかな、とスルーする映画としてカテゴライズしていた。

part1 が公開されたのは3年前の20

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コロナ禍後、初の片道12時間の飛行機で、開眼。

コロナ禍後、初の片道12時間の飛行機で、開眼。

エコノミークラスでのニューヨークへの12時間の飛行機。12時間かあ、という気持ちは、飛行機に乗る前も乗っている最中も、乗った後の今でも思っている。
やってみたら意外と簡単。それは事実なのだけれど、足や内臓のあたりに何かがもやもやとまとわりついて、詰まっている感じはやはりきつい。
明確に体調が悪くなるということはなかったが、いつかビジネスクラスで旅行できるようになりたいな、というのが正直なところ。

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ブロードウェイで「CHICAGO」を見た日

ブロードウェイで「CHICAGO」を見た日

ニューヨークのブロードウェイで「CHICAGO」を見た。人生初のミュージカル観劇で、ものすごく感動した。

今までミュージカルといえば、劇中で歌が始まる種類の演劇というくらいの認識しかなかった。正直、今でもまだそれくらいしか知らない。
けれどもその、歌のある演劇がものすごいんだった。

まず、私は生歌というのをほとんど聴いてこなかった。そんな私にもわかるほど、ミュージカルの生歌は、遠くからマイクで

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『深く、しっかり息をして』を読んだ

『深く、しっかり息をして』を読んだ

川上未映子さんの『深く、しっかり息をして』を読んだ。

川上さんの語り口の優しさとか、気になったものに対して丁寧にかんがえるところとかが好きで、一気に読んでしまった。

左手に残ったまだ読んでないページの方がだいぶ薄くなったころ、どうして川上さんは、「女の子」とか「女性」に対して結構たくさんのお話をされていることが気になった。

私は女性として生まれながらも、世代なのか、生理が軽いという身体的なこ

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北野武・首 雑感想|お前らはどう生きんの?な映画

北野武・首 雑感想|お前らはどう生きんの?な映画

北野武監督の最新作「首」を見てきました。
初めて鑑賞した北野映画かつ前情報なしで見に行きましたが、とても好きだったので感想をシェア。以下ネタバレ含みます。

まず、私が一番好きだったのは、四肢欠損の俳優さんや、遊女の中に女装男性役が自然にいたこと。話のネタにされるでも、笑いにされるでもなく、一見気づかないほど自然に存在していた。「首」で描かれていた群衆の姿は、今描きうる最大のダイバーシティーだと思

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ゴジラ-1.0 雑感想|2023年で一番面白かった邦画かも。

ゴジラ-1.0 雑感想|2023年で一番面白かった邦画かも。

面白かったよ、ゴジラ!
宇野維正さんのMOVIE DRIVERを見て、ウノコレさんが面白いというならぜひ見たいと思い、映画館へ。

まず、ゴジラのビジュアルが良い。なんだあの、背びれが一個一個出てきて光るやつ。効果音もいいし、光り方も高級感のあるLEDみたいでいい。チェレンコフ放射をイメージした青なのかな。やばいことが始まったのが本能でわかる。
今回のゴジラはもう勝てっこないよ…と思うほど怖くて強

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五彩緋夏と私

五彩緋夏と私

五彩緋夏さんのyoutubeはもう更新されない。メイクをする時には本当に毎日彼女の動画を見ていた私にとって、直視するに耐えない現実だった。

眠れない夜が続いた。疲れ切った頭では、彼女がまだどこかで懸命に暮らしていると自分を騙し切ることもできなくなってしまった。
この文章は、鉄格子みたいな世界で生き抜くための、大きな支えの一つであった五彩緋夏さんへ、感謝を伝えるために残します。
筆者の勝手な解釈を

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劇場版アイドリッシュセブンと、2020sのアニメが向かう先

劇場版アイドリッシュセブンと、2020sのアニメが向かう先

2023年の半分が過ぎた。新入社員としてあたふたしていた昨年と比べると、多少余裕が出てきた。学生の頃には及ばないけれども、月1、2回のペースで映画を見、毎日Netflixで海外ドラマを見ている。上半期のベスト映画といえば、スラムダンクと怪物を真っ先に挙げる。この2本は20余年の人生の中でも、最も好きな映画にランクインしてくる。そしてまさか、そこに劇場版アイドリッシュセブンが追随しようとは。
※コン

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