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映画「私はモーリーン・カーニー正義を殺すのは誰?」フランスで声を上げる女性‼️

こんばんは!
今日は、この前観に行った映画を紹介したいと思います!🎥

とてもおもしろかったです✨
実話をもとにした映画であり、事件、裁判は実際に起こったことです。
被害者(映画のタイトルであり主役)は実名、そして加害者の人たちも実名が使われております。

そして事件の真相であるおおもとの国家スキャンダルは、実はまだ解明されていないのです。
現在進行形の問題を取り扱う映画、ゾクゾクしますし、今後の社会やニュースの見方が変わります👀

『私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?』ジャン=ポール・サロメ監督


Story

主人公のモーリーン・カーニーはフランス最大の総合原子力企業アレバの労働組合代表です。
従業員の雇用と労働条件を守ることを使命と考える彼女は周囲からの信頼も厚く、代表に5期選ばれており、6期目も考えています。

彼女は、フランス電力公社(EDF)の情報提供者からEDFと彼女の会社のアレバが組んで、中国の原子力事業者と技術移転の密約を交わそうとしているという情報を得ます。
それはつまり中国に会社が乗っ取られてしまう、そうなると会社の未来と従業員5万人の雇用が危ないと思いモーリーンは行動を起こします。

社長に秘密協定の真偽を問いただして激しく衝突。
さらに産業再生大臣や国会議員に告発レポートを見せようとしますが、取り合ってもらえません。そしてしだいに無言電話や尾行、車を壊されバッグを奪われるなど激しい嫌がらせや脅迫を受けるのです。

それでもめげずに大統領に面会しようとしたその日、2012年12月17日、自宅の洗面所で身支度をしている最中に暴漢に襲われます。
警察に訴えますが、どういうわけか警察は犯行現場に犯罪の痕跡が見つからないという理由から、事件はモーリーンの自作自演なのではないかと疑い、逆に「虚偽の告発」容疑でモーリーンは取り調べられます。
警察の冷酷さにショックを受けた彼女は絶望し、虚偽の自白をしてしまい、すぐに撤回しますが、裁判で禁錮5ヶ月執行猶予つき、罰金5000ユーロの有罪判決が下ります。

すっかり無力感に打ちひしがれたモーリーンは英語講師をして過ごすことに。
そこへかつて事件の捜査に関わっていた女性捜査官が訪ねてきます。
モーリーンの事件の6年前に、会社の不正を告発した技術者の妻が同じような被害に遭っていたことを告げます。
その被害者に会って証言を聞いた彼女は、犯行の手口から警察に自作自演と疑われたことまでそっくりであることに愕然とします。

そして弁護士を代え新しい証拠もそろえて、モーリーンは控訴することを決意します。

映画公式パンフレットを参考


フランス最大の原子力企業アレバの不正を調べるうちにアレバの経営陣だけでなく政界のフィクサーの存在に気づき、告発しようとしたらいやがらせや脅迫だけでなく、暴行まで受けるという……
権力の恐ろしさにぞっとしますが、さらにその犯罪を告発しても一向にまともに捜査をしないばかりか、自作自演を疑う警察を見ていると、警察や検察、裁判所まで巨大な力に支配されているのではと悲しくなります。これが果たして民主主義なのかと。


アレバの社長も女性だったり、主人公もアレバの労働組合委員長、裁判官も女性だったりと、フランスは日本に比べれば女性が社会の中枢に進出しているように見えますが、モーリーンを担当した捜査官は男性で旧態依然とした印象。

モーリーンが被害を受けても気丈にしていたのを見て「被害者らしくない」と偏見を抱いてしまうくだりも。

巨大な権力に押しつぶされそうになって心ならずも虚偽の自白をしてしまうほど追い詰められた彼女でしたが、どのように再び立ち直り真実を追求する勇気を取り戻すことができたのか。

正義と真実を求める意志を押さえつけることは、結局のところできないのだと思います。

それは日本の伊藤詩織さんや五の井里奈さんの告発にも通じるものだと思います。



冒頭に書いたように、この映画の内容、事件や裁判は実際にフランスで起こったことです。
しかし、国際社会どころかフランス国内ですらあまり知られていないようなのです。
私も知りませんでした💦

フランスといえば人権先進国のプライドが高いですが、政府と大手マスメディアの隠蔽が疑われます。

この事件ですが、襲撃犯である真犯人はまだ見つかっておりません。
アレバ社も解体され中国にわたってしまい、モーリーンが守ろうとした多くの人々が失業してしまったのです。

事件は映画よりも悲惨な経験をしたと当事者のモーリーン氏も言及しています。

権力は手強いですが、共に闘ってくれる友をあきらめてはいけません。
こういう社会派の映画で社会問題が浮き彫りになることにより、気づきや立ち上がる段階へとつながります✨

映画の最後にモーリーンはカメラに目を向けきっとスクリーンの向こうの私たちを見据えます。
私たちに正義を求める行動をうながしているかのようです。




参考文献
映画公式パンフレット


執筆者、ゆこりん

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