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「あなたの考えを教えてください」の問いかけで子どもが変わる!

こんにちは。特別支援学級で12年間教員をしています。Mr.チキンです。今日は聞き方についての話です。
子どもは大人の聞き方次第で反応が大きく変わるのです!

教師の武器はチョークと言葉と表情

子どもの前に立つと緊張します。12年間やってきても、緊張します。
何故か。それは毎日変わる子どもの気持ち・姿勢・態度・考え方・・・捉えようがありません。
それに対して私達教師の武器はチョーク・言葉・表情
子どもが35名だったとして、その3つで勝負するのは
南極に薄着で行くような心もとなさですね。
特別支援学級は人数が少ないですが、言葉に敏感なお子さんも多いので、
とてもとても計算し、考えながら話をします。

「答えが分かる人!」と問いかけた時の子どもの反応

よくやってしまいがちな聞き方の一つに
この答え、分かる人!」というものがあります。
例えば、【0.3+0.7】を黒板に書いて、ノートに解かせる。ある程度経った頃に教師が時計を見ながら「さぁ、答えは分かったかな?」と聞きます。すると、何人かの子どもが手を挙げます。
ここなんです。何人かの子どもが手を挙げるということは、手を挙げられない子どもがいるということなのです。
もちろん、手を挙げられれば良いというわけではありませんが、ここで気になるのは、手を挙げられない子どもたちの気持ちです。
少し想像してみましょう。
手を挙げられない子どもたちはこんなことを考えているかもしれません。

  1. あ、いつもの子が手を挙げてくれてる。俺は挙げなくていいや。

  2. 今の時間だけでは答えまで・・は行かなかったな。自信も無いし、手を挙げるほどでもないかな。

  3. 0.3と0.7を図にするところまで・・・・・はできたけど、合わせたら何になるかまではイマイチ分からないんだよな。これじゃ先生の言っている「答えが分かる」にはならないよな。

  4. (他の子の考え方を見て)あれ?俺の考え方と違うな。あの子は俺よりも頭が良いから、俺が間違っているに違いない。次から手を挙げるのやめよう。

なーんてことを考えているかもしれませんね。
「答えが分かる人」という問いかけは、分かりやすいし、有効なことも多いですが、

  • 子どもたちが思考の途中経過を表に出す機会を奪ってしまう。

  • 「できたか」「できなかったか」の二択になってしまい、子どもの自信を奪ってしまう。

  • 「答えが分かる子」はいつも一定なので、その子たちだけで授業が進んでしまう。つまり、他の子達はお客様になってしまう。

というデメリットが有ることを意識しなくてはいけないなと考えています。授業の中で途中経過は大事ですよね。「ここまではできたんだけど・・・」が積み重なって、「みんなでできた!」が醸成されると考えると、無視できません。
私の尊敬する先生であるB先生は「次のような問いかけも有るよ~」と教えてくれました。

「あなたの考え方を教えてください」という問いかけ方

「答えが分かる人!」を「あなたの考えを教えてください」に変えてみるだけで、子どもの反応が変わります。というか、教師側の手数が増えます。先程の例で考えてみましょう。

  1. あ、いつもの子が手を挙げてくれてる。俺は挙げなくていいや。→友達と同じでも良いんだよ。あなたの考えたことを教えてほしいんだ。

  2. 今の時間だけでは答えまで・・は行かなかったな。自信も無いし、手を挙げるほどでもないかな。→どこまで考えられたのか教えてほしいな。それが他の子にとって新しい気付きになるかもしれないよ

  3. 0.3と0.7を図にするところまで・・・・・はできたけど、合わせたら何になるかまではイマイチ分からないんだよな。これじゃ先生の言っている「答えが分かる」にはならないよな。→みんなにその図を見せてくれないかな?(書画カメラで写す)さぁ、Cさんはここまでヒントをくれたよ。ここから何か気付いたことがある人いる?

  4. (他の子の考え方を見て)あれ?俺の考え方と違うな。あの子は俺よりも頭が良いから、俺が間違っているに違いない。次から手を挙げるのやめよう。→Aさんと違う考え方で取り組んだ人がいるね。Dさんの考え方を見てみよう。どうしてこういうやり方になったか分かる人いるかな?

お気付きになられたでしょうか?聞き方を変えるだけで

  • 考え方の途中経過を発表する場ができる

  • 友達の考え方と自分の考え方を繋ぐ場ができる

  • 多様な考え方が認められる場ができる。

等の子どもの場を作ることができるという利点があったのではないでしょうか?

まとめ

聞き方を一つ変えるだけで、子どもの反応や教師の手立てが変わるのが伝わったでしょうか?
最後に3つの場ができることを書きました。子どもたちが自分を出せる場を作ることを、一般的な言い方で居場所づくりと言います。
教師の言葉一つで、教室に子どもにとっての居場所がたくさんできるかもしれませんよ。もしよければ試してくださいね!
では、またね~


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