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poem 心の詩

poem 心の詩

風と戯れる

悲しい時も
嬉しい時も

私は私のままで

雨と戯れる

悔しい時も
虚しい時も

私は私のままで

光と戯れる

寂しい時も
楽しい時も

私は私のままで

隠さずに
感じたい

見つけたいのは
私の心

飾ることない
私の心

poem 追憶

poem 追憶

言葉のあとさき
ゆらりゆらりと
訪ね来たのは
言葉のあとさき

古都の街並み
古に
訪ね来たのは
言葉のあとさき

月影
森林
海底に

訪ね来たのは
言葉のあとさき
私の心の
空想散歩

poem 岩は砕けて

poem 岩は砕けて

揉まれて
砕けて
粉々に

なった岩は
痛かろう

けれど
その岩ぶつかった

岩もやっぱり
痛かろう

自分ばかりが
苦しくて

世間に背を向け
生きてきた

見ないふりして
送っても

どうして傷は
痛むのだ

時は滔々流れゆく

ぶつからなければ
ならなくて

もがいていなければ
ならなくて

あの時
砕けた岩の欠片は

丸みを帯びた
肌からころげ

静かにどこかへ
落ちていく

春麗らかな

もっとみる
poem 夕暮れの詩

poem 夕暮れの詩

夕暮

町は影絵のように

静かな時を連れてくる

そうして私は初めて気づく

そこに詩があることを

poem 無花果は踊る

poem 無花果は踊る

タンタン タタター
タタータ タタータ

赤い太陽沈む街

タンタン タタター
タタータ タタータ

白い三日月背に置いて
足に繋がる鎖を鳴らす

ジャンジャン ジャララタ
ジャンジャン ジャララタ

薄紫の煙に巻かれ
我を忘れて私は踊る

ジャンジャン ジャララタ
ジャンジャン ジャララタッ

囃子は徐々に速くなり
篝火透かす衣は揺れる

ジャンジャン ジャラータッ
ジャンジャン ジャラータッ

もっとみる
poem 潜水

poem 潜水

どうして君は
潜るんだい

深く深く
深くへと

誰か待って
いるのかい

見たいものが
あるのかい

知りたいものが
あるのかい

いいえ
私が潜るのは

ひとりぼっちに
なぁるため

poem 雨の路地裏

poem 雨の路地裏

そぼ降る雨の
路地裏に

濡れて埋まる
三毛の猫

痩せて萎れた
瞳の奥に

潜む鋭い眼光が

ほんの僅かの
同情なんぞ

要らぬとばかりに
威嚇する

-- あんたもそうして
生きてきたのね --

そぼ降る雨の
路地裏に

濡れて埋まる
三毛の猫

辺りに落ちる
雨音だけが

この世に許す
哀れみか

poem あの頃

poem あの頃

あの頃

私の口から紡がれる
ことばいつも苦しげで
重く冷たく雨のよう

それでもこうして
今という
時に身を置き
生きている

私の口から紡がれる
ことばはどこかあたたかく

もう戻れないあの頃が
切なく遠く
愛おしく
思える歳になりました

poem 花の聲

poem 花の聲

私の愛の行き先が
どうか
あなたで
ありますように

poem 無垢

poem 無垢

たのむから
泣かないでくれよ

スポンジみたいに
ボクの心を
吸い取ってしまうキミは

ボクより先に
泣かないでくれよ

たのむから
いつもみたいに笑ってくれよ

こんなにボクが泣きたいなんて

こんなにこんなに
泣きないなんて

知らなかったじゃないか

poem 帳の中で

poem 帳の中で

待って
灯が消えるまで

もう少しだけ
一緒にいよう

待って
灯が消えるまで

君の話を
聞かせてよ

このまま君と
微睡みたいんだ

帳の中はボクらだけ
秘密の夜の物語

poem 彼岸花

poem 彼岸花

吹く風にふと
歩みを止める

私の気づかぬ間にも
彼岸の花は咲いている

poem 水の中

poem 水の中

鍾乳洞の底碧く
静かに浸す
この躰

燻る熾火を
鎮めるように
冷たい水が
浸みてくる

ただ真っさらに
生まれかわらん

碧い世界で泣いている
赤子は私の幼き時分

深い底へと
この身を沈む

燻る熾火を
鎮めるように
冷たい水が
浸みてくる

poem 涙

poem 涙

こんなふうしか
生きられないよと
涙ながした
帰り道

泣いたらいいよと
キミが言う

そんなふうでも
生きたらいいよと
キミが言う