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母の介護と看取り日記

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コロナ渦で施設入所した母。家に帰りたいと何度もお願いされたが、なかなか在宅介護に踏み切れなかった。介護を考えると真っ先に浮かぶのは自分の人生と仕事と、在宅介護を反対している家族の… もっと読む
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記事一覧

親を介護しようと思った本当の理由

親を介護しようと思った本当の理由

皆さんは、親の介護が始まった時にどんな気持ちでしたか?とうとう始まった介護に戸惑う気持ちや不安な気持ちを抱かれたでしょうか。
それと同時に、「親のそばに居てやりたい」、「親孝行したい」、たった一人の親だからと親を思うあまり介護を覚悟したというようなお気持ちだったでしょうか?
私はちょっと違っていました。

ご両親と仲が良いですか?

私は5人兄姉の末っ子で兄姉とは一回り位以上離れています。そして、

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認知症で入院拒否、せん妄で退院指示

昨年の今頃、施設入所していた母は消化管出血の疑いで2泊3日の入院をします。
家にいた時、施設に入所してからも骨折や心不全で入退院を繰り返していました。
高齢の方にとって環境が変る、入院すると言うことは身体的にも精神的にも大きなストレスなんです。

1,認知症では入院できない?

母は認知症がありました。
施設に入所したての頃、環境の変化からか
夜中にベットに寝たまま掛け声をかけて
リハビリをしてい

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亡くなった家族とのコミュニケーション

亡くなった家族とのコミュニケーション

通勤路の河原には彼岸花がきれいに咲いています。
赤い花は人々を魅了しますよね。

皆さんお彼岸はいかがお過ごしでしたか?
お彼岸は祖先を敬い亡くなった方をしのぶ日です。
ですから彼岸花を見ると寂しくなったりする人もいらっしゃるかもしれません。
彼岸花は曼殊沙華とも言われていますね。
曼殊沙華とはサンクリット語で
「天界に咲く花」
「見る者の心を柔軟にする」という意味もあるそうです。
私は心を柔軟に

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最期の瞬間、ありがとうが言えなくても

最期の瞬間、ありがとうが言えなくても

大切な人との最期の時間、ありがとうが言えなかった。
と後悔している人もいるかもしれません。
私の姉もありがとうと言えなかった。
それは、言えなかったのではなくありがとう以上に言いたかったことがあったからです。
正直なその時の気持ちを大切にしてください。

1,すれ違う気持ち

私は高校を卒業したら実家を離れ看護学校に通っていました。

ですので両親と一緒に過ごした時間は18年です。
という事は30

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思い出の家を快適な介護空間にする

思い出の家を快適な介護空間にする

母を介護する場所は施設だと決めていました。あまりにも老朽化した家、高齢者には危険が一杯の環境だからです。最終的には施設から引き取り在宅で看取りましたがどんな工夫と何が必要だったかまとめてみました。

1,老朽化している我が家

在宅介護を躊躇っていた背景には老朽化した我が家の環境が原因の一つです。昔の茅葺屋根だった平屋建ての家は高齢者には住みにくく子供世代から見ると段差は高いし、お風呂の浴槽を跨ぐ

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久しぶりの帰省で分かる親の介護状況

久しぶりの帰省で分かる親の介護状況

年に一度はご両親に会いに帰省する方は多いと思います。久しぶりの再会でご両親の変化に気づく方もおられると思います。家の中を観察しご近所の方とお話してみて下さい。何か変化はありませんか?
私の母親の変化と対策をご紹介します。

1,久しぶりに帰った実家で気づくこと

母が介護サービスを活用していない時は6ヶ月、または1年に一回の帰省ペースでした。
たまに帰ると家具の配置が変わっている事があり身体機能が

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在宅介護は本当に無理なの?

在宅介護は本当に無理なの?

昨年の10月、母は体調の悪化で入院をすることになりました。
高齢であったため原因の精査は体力的に難しいと判断し対症療法として輸血をするというものでした。

1泊2日の入院でした。入院が決まるまでの外来の待ち時間は
母に触れ合うことが嬉しくて嬉しくて、ずっと横に座って手を握り話をしていました。

1,家に帰るという夢
1泊2日の入院が終わり病院へ迎えに行った時、私はまた母に会えなくなることがとても辛

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施設入所時の母との関わり

施設入所時の母との関わり

母が施設入所したのは2019年3月でした。
2018年の年末に実家に帰省した際、母は明らかに心不全が悪化している兆候がみられ病院へ受診したのですが、利尿剤を追加し帰宅。
年始に再受診しそのまま入院となり、3ヶ月間もの長い間治療とリハビリに励み、無事に退院しその3日後に施設入所したのでした。

施設入所したときは在宅で看取るなど思ってもいませんでした。
施設看取りが出来ると聞いていたので、その日が近

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感情に丁寧に向き合う事

感情に丁寧に向き合う事

お久しぶりです。
この夏、私は無事に母の初盆を終えました。
実家では兄弟達と葬儀に来れなかった甥っ子と母の思い出話をしていました。そこには笑い声と笑顔が飛び交っていました。

お盆前に同僚が今年は初盆だねと神妙な面持ちで話しかけてきました。
まだまだ寂しく過ごしていると配慮して下さっていると感じたのですが
私は毎日寂しさとか後悔とか、そんな気持ちを味わう暇もなく
毎日を充実して過ごしている事に気づ

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大切な家族が亡くなった後のはなし

大切な家族が亡くなった後のはなし

ゴールデンウィークが終わった後49日法要でした。

兄がこんなことを言いました。
「母さんが生きていたからいつまでも子供でいたけど、母さんはもう居ないんだね。いつまでも子供でいたらいけないね。」

兄の気持ちが分かる気がしました。
大切な家族の死やその過程は自分の生き方を見つめ直す機会でもあると感じています。

1,大切な人、母の死で味わうこと

私達は5人兄弟なのですが、母が亡くなった後私と姉は

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悲しみの向こう側

悲しみの向こう側

本日、49日の法要が無事に終わりました。
49日間の間に故人が極楽浄土に行けるように7日ごとに法要をする。
という意味合いがあるそうですが、その間に残された家族が故人を偲ぶためにもあると言われています。

忌引きで1週間前後のお休みがあるかと思います。
私は5日間でした。
お葬式まで家族は本当に忙しいのです。
お葬式後も弔問に来て下さった方への対応などで悲しみに慕っている間もないぐらいに忙しいので

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幸せが巡る生前整理

幸せが巡る生前整理

母が施設に入る前、
母は大切にしてきたアクセサリーや着物などを私達娘に
譲ってくれていました。
きちんとした生前整理ではなかったかも知れませんが身の回りの物を整理してきていたのです。
しかしその頃の私はあまり向き合おうとしていませんでした。

まだ先の話だし、こんな時に母とどんな風に話をしたら良いか分からなかったからです。

今日は生前整理について調べた事を書いています。

1,生前整理は何故行う

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思い出は五感で感じる

思い出は五感で感じる

3月20日、母は家族に見守られながら旅立ちました。
まだ涙が出てきます。でも、母の笑顔を思い出すと自然に笑みが溢れます。
それと同時に母を思うと身体が温かくなって幸せを感じます。

今日は母を感じました。
まだまだblogは書けないと思ったけど、嬉しくてパソコン開けました。

1,写真で母を偲ぶ

母が亡くなって悲しいとか寂しいとか感じる間もなく葬儀の準備が行われました。
私は家に帰ってからの記憶

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寝たきりの母から学ぶこと

寝たきりの母から学ぶこと

目がぼんやりとしか見えない母は声を頼りに反応しています。
眠る時間が増えてきていますが、落ち着いて眠れていると安心します。
おむつ交換やお茶を飲むこと、体の位置を直すこと、顔を暖かいタオルで拭くこと、口腔ケア等の介護をすると必ずありがとうと言ってくれます。声が出ないときはジェスチャーで返してくれます。
ひとつひとつ丁寧にありがとうを返してくる母を愛おしく思います。

今までの人生の中で人に助けて頂

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