「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ49枚目

＜画/© 2020 もりおゆう　原画/水彩　サイズF5＞

お好み焼きが10円だった時代があります。
ペラペラのお好み焼きでしたが…

それが美味しかったのです。

大きさは、直径20センチほど。屋台のお好み焼きです。
値段は、僕が小学生の頃の記憶で確か一枚10円。
昭和30年代の前半でしょうか。

入っているのは、紅ショウガと天かすにネギだけ。
それを目の前でオジさんが鉄板の上で焼いて、新聞紙に包んで渡してくれるのです。今の広島焼きとか、大阪のお好み焼きとは全く違うチープなものでした。

熱々をハフハフ言いながら頬張った冬の日が思い出されます。
僕らにとって「お好み焼き」とはそういうものでした。

ちなみに、ソースは今のような粘度のある中濃ではなく、岐阜では普通のウスターソースが定番でした。又、note仲間の水彩スケッチ帖さんによれば、同様のものが福井でも売られていたようです。
しかし、戦後の闇市の名残りを思わせるこの屋台のお好み焼きは、僕が中学生の頃には街角から嘘のように消えていました。

美味しかったんですけれどねぇ…😊

*この記事はnote編集部のおすすめに選ばれています。

*この記事は「note編集部お気に入りマガジン」に選ばれています。

＜© 2020 もりおゆうのnoteの記事は全て著作権によって守られています＞
（© 2020 All articles in Morio Yu's note are protected by copyright.）