より良いキャリアを築く「働く場」の選択(6)~どのような「場(業界)」で仕事をするのか①~
前回(No.13)、「どのような「場(職場))で働くか」ということについて紹介しました。
今回は、働く「場」にどのような世界に広がっているのかという観点で、仕事をする「業界」について紹介します。
今回も実業企業系、実業支援企業系、実業を持ちつつ支援もする企業系(プラットフォーマ系)の3事業という視点で紹介します。
※業界分類、名称について、日経新聞、東洋経済、帝国データバンク等との分類とは異なっているかもしれません。あくまで「参考程度」として意識して下さい。
1.「場(業界)」を取り巻く環境の変化
IT技術の革新、特にネットワーク技術の進化・進展は、「業界」と言う世界に大きな変革をもたらしています。「業界」という垣根は薄れ、業界間のシームレス化が進んでいます。製造業に入ったつもりが「モノ作り」を手放(委託)しサービス事業化(企画と適用軸に)なっていたり、小売業に入ったつもりが農業生産事業に関わっていたりと、「企業=業界」という構図は崩れ去りつつある と言っても過言ではないかもしれません。
【技術的制約からの解放】
・AI技術、画像処理、動画処理、言語処理、本人確認(認証技術)、セキュリティー技術、多様化する機器連携、技術、認識・解析技術等々の進展。
【時間的制約からの解放】
・「いつでも どこでも 誰とでも 何とでも」環境の実現。
・「場所・時」を選ばない仕事環境の獲得。(在宅(テレワーク)・ノマド・移動中・・・)
このことは、IT化が難しかった分野(動態認識、創造分野(創薬、創作など))や、時間とコストがかかり過ぎるといった制約から解放され、「誰でも、どんなことにでも」参入できる環境が整ってきたと言えましょう。
*1:業界間の垣根が崩れるといっても、「業界分類名称」が無くなるということではありません。その企業の主事業の業界に分類されるということ。
*2:24時間(地球規模で)ビジネスが出来る環境の獲得と同時に、自身にとっても24時間の使い方、働き方(けじめ)を意識することが重要に。
2.「場(業界)」の位置づけ・分類
ここでは、「主な業界とその位置づけ」について図1に示します。
どのような位置づけの業界(一次産業(製造・生産系)、二次産業(卸・商社・市場系)、三次産業(小売・サービス・金融・ネット・通信・放送系))で仕事をされたいかの参考にして下さい。もちろん、公官庁系も対象かと思います。
以降、各分類の詳細を見ていきます。
2.1 分類1 「メーカー系」
・素材系
原材料・資源などを調達、加工、製造 等。
少資源(レアメタル系)調達、脱炭素資源開発強化。
・組立系
製品・モノの開発・生産・販売 等。
サプライチェーンの強化、拡充。(半導体調達)
・建設・不動産系
建築素材・土地調達、設計(デザイン)、建設(建築)、賃貸・販売 等。
これまでのCAD技術に加え、3Dプリンター活用、VR、AR活用拡充。
・食品系
食に関する原材料調達、加工、製造、販売。
食の安心、安全の追求。
・化粧・衣料・装飾系
原材料・素材などの調達、加工、製造、デザインから販売まで。
・生活・雑貨関連系
材料・素材などの調達、加工、製造、デザインから販売まで。
2.2 分類2「金融・流通・サービス系」
・金融系
預貯金・融資(貸付)・投資・株・証券・決済・保険・リース 等。
規制緩和で競争激化。(Fin Tech)
・小売系
業態の多様化・改廃が進む。ネット事業者が拡大。
リアル事業(店舗)の見直し、決済の多様化への対応が必須。
生産(農業・漁業)から小売まで一貫取り組みも。
・飲食関連(外食)系
ファミリーレストラン、ファーストフード、居酒屋チェーン 等
多店舗展開、多様化対応、低価格・高級化二極化傾向 等
・卸、商社系
原材料・プラントから製品類まで、調達先の開拓。
仲介ビジネスが軸。自ら「実業」を手掛けることも。(資源調達分野)
・物流・運輸系
2024年問題(勤務時間制約)への対応。(要員確保課題)
宅配事業の変革。(再配達、送料問題)
貨物輸配送変革。(客車活用、旅客機活用などグリーン化推進も)
・娯楽・レジャー系
コロナ禍からの需要対応。(人員確保、報酬高額化、インバウンド対応)
国内需要と海外需要対応。(為替政策対応、税(宿泊税等)負担見直し等)
・サービス
多種多様なサービスのビジネス化進展。
時代に合わせたサービスの出現が目覚ましく、時代の動向を捉えることが重要(アイディア)。
2.3 分類3(IT関連、メディア、生産、公官庁系)
・ IT・通信系
情報の伝達や処理、企業システム開発を行う。
「ソフトウェア」「コンテンツ」「Webサービス」等を開発・提供。
先進知識が問われる。
・メディア(マスコミ系)
既存マスコミ系は、ネット系の事業拡大で、新たな取り組みを模索。
印刷業界では、コンサルティング事業拡充も。
・生産関連系
6次産業化 に向けて、IT活用活発化。
IT利活用積極化。(後継者対策需要、人で不足、異常気象等対策等)
・公官庁・公社・団体系
生活インフラ老朽化対策。(地震、風水害、橋梁劣化等)
地球変動対策。(シミュレーション力強化(スーパーコンピュータ活用))
環境対策。(化石燃料対策、再生エネルギー拡充等)
少子化(人口減少)、地域格差(過疎)対策。 など
*3:一次産業(農業・漁業)×二次産業(卸)×三次産業(小売・サービス)=6次産業。つまり、生産事業者が、流通三層(作るから加工、売るまで)の全てに関わる取り組みのこと。(「×」ても「+」ても6になる……)
「各業界」における分類と位置づけ、主な事業内容、課題などについて紹介しましたが、興味ある業界はありましたか?
次回は、各業界で「働く」にあたっての「留意観点」などについて紹介します。
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