マガジンのカバー画像

推定無罪を理解できない日本人

29
いつかあなたの身にも降りかかる冤罪問題。けして他人事ではない。 日本の司法はほんとうにこれでいいのか。推定無罪の観点から考える。
運営しているクリエイター

記事一覧

番外編 ケリー氏有罪判決。行為ではなく、心を裁く日本の司法の危うさ。

日産事件で、元役員のケリー氏に有罪判決が出た。日本の裁判官は、検察官のストーリーにそのま…

中澤浩一
2年前

第1話 冤罪大量発生時代がやってくる

冤罪というと、自分には関係ないと思っている人も多いと思う。まっとうに生きていれば、犯罪と…

中澤浩一
2年前
2

第2話 池袋暴走事故と推定無罪

「推定無罪」というのは、頭ではなんとなくわかっていても、実際に受け入れるのは人間の心情と…

中澤浩一
2年前
1

第3話 形式論としての推定無罪

前回見たように、推定無罪が受け入れられない背景として、それが事実とは関係なく形式論、手続…

中澤浩一
2年前
1

第4話 冤罪の責任は裁判所にある。検察はそれほど悪くない。

よく冤罪が明らかになると、警察や検察への批判が集まることが多い。とりわけ、無理に自白を迫…

中澤浩一
2年前
1

第5話 推定無罪は裁判官の免罪符。無罪判決を批判してはならない。

推定無罪という概念は、もちろん無実の人間を守るためにある。けして、犯罪者を守るためにある…

中澤浩一
2年前
1

第6話 誤認逮捕、誤認起訴は冤罪ではない。

私は冤罪という言葉は非常に狭い意味で使っている。つまり最終的に裁判で有罪になった冤罪のみ冤罪と定義している。 最終的に裁判で無罪になった場合は冤罪としていない。この場合、司法のチェック機構が正常に働いたわけである。この場合を冤罪と区別するため、誤認逮捕、誤認起訴と呼ぼう。 言葉の定義の問題だから、何をどう表現しようが勝手かもしれないが、少なくとも、最終的に裁判で有罪になった場合と、無罪になった場合で、同じ言葉を使うのは良くない。はっきりと区別するべきである。 区別しない

第7話 「逆転有罪判決」は絶対おかしい

日本では、検察側に控訴権が認められているので、一度無罪判決が出ても上級審で有罪になること…

中澤浩一
2年前
1

第8話 「自白の信用性が有罪の争点です」は憲法違反。

よく刑事裁判のニュースを聞いていると、「自白の信用性(任意性)が有罪(裁判)の争点になり…

中澤浩一
2年前
1

第9話 黙秘権を理解できない日本人

刑事事件のニュースで容疑者や被疑者が黙秘していると、多くの人は次のような印象をもつのでは…

中澤浩一
2年前
1

第10話 無実の証明は、ほぼ不可能。

もし、あなたが無実の罪で捕まったら、この国には推定無罪はないから、あなたと弁護士が、無実…

中澤浩一
2年前

第11話 自分を大岡越前と勘違いする裁判官

ほとんどの日本人は、裁判所、または裁判官は、犯罪者を罰するところ(人)と思っている。確か…

中澤浩一
2年前

第12話 マスコミを使って世論操作する検察。

第10話で、推定無罪は建前で、事実上被告に無罪立証を強制しておきながら、証拠を出さない卑…

中澤浩一
2年前

第13話 なぜ日本の司法は、こんな不条理がまかり通るのか。

今まで見てきたように、日本の司法は多くの不条理を抱えている。とても公正・正義とは思えない。 なぜ、こんなことが許されるのか。 私は、結局は、日本国民の多くが、 「悪いのはお前なんだから、何をされても文句は言えないだろ、嫌なら悪いことしなければいいんだ」 そう思っているからに違いない。 私は犯罪者といえども、何をされてもいいとは思わないが。その通りだと認めよう。しかし、 検察が起訴した100人が100人とも本当に犯罪者なら、良い。 が、その中に、たった一人でも善良