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夜虫

18歳での同棲生活にはどうしてもお金が必要だった。

夜の街…
覚悟を決めたものの、出勤するのが嫌で夕方になると涙が出るしまつ。

そこは大阪の北新地…
プロもアマもなく、新人にも甘くはない。
まずはデニム出勤を怒られ、次に自転車出勤を怒られた。
未成年なので、とお酒を断ると怒られ
帰りには「酔うほど飲むな!」と怒られる。


プライドとステータスを肴に酒を飲む世界で、完全なる迷子。


唯一の救いは、低額だが歩合も入ってくる事。
折角人参ぶら下げてくれるんだもの、美味しくいただこうじゃないか。

最初の一年は、それだけを念頭に席に着いた。
すると、自ずと腕が上がる。


一歩外に出れば十の出来事と出逢う
一人と話せば十の知識を得られる


もともとナニも持たない私なのだ。
吸い取れるだけ吸い取って
化けれるだけ化けたい。

それは夜の蝶などではない。
どうせやるなら、バタフライ効果で最後にはすべてをふっ飛ばしてみたい。



思い返せば、笑っちゃうような。
可愛いな、非力で。
そんな事を思い燃えた18歳だった。








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