第4話 瞼の裏側まで



その1日を終え
布団の中で目を閉じながら
星空を眺めていた。


東京では
数え切れるほどしか
星は瞬かない。


だから、だろうか。
寝る前に目を閉じると

不意に、瞼に
星空が浮かんで来る時がある。


むろん
シリウスも、なければ
オリオン座もない。

ただ、好き勝手に
星たちが輝いてるだけだ。


それでも
その輝きは、眩しく

何万光年もかけて
僕の瞼に届けられる。



すると
いきなり!?

何かに
引き込まれるように

あの瞬間に
トリップしたのだ。




まさか?!


あれはっ!!!


金澤すみれの
残像に光る視線と

目が合った
瞬間だったのか…。



確かに
振り向いた瞬間!

視界に
入って来たのは

きっちり揃うように
右から左へと移動する
金澤の黒い瞳、2つだった。



そうに違いない。




それは
直前まで作動していた
僕の背中のセンサーと符号する。


振り向くまで
彼女の視線だけでなく

意識も
僕に向いていたし

それを背中のセンサーが
キャッチしていた。



そして
金澤の移動する
視線の先を追いかけた。

1つ前の席には
恩田朋子の席があり

横顔で右目が
僕を捕らえていた。


だから
僕は、固まったのだ。


不覚にも
目が合ったからだ。


こうなると
もう、どうしようもない。
作り笑いさえ、できないのだ。


長い時間が
流れた気がするが

もはや
本当のことは分からない。



ガラ、ガラ、ガラ...



と、教室の扉が開けられ
先生の気配を感じ

ようやく
教科書に向かった。



( つづく... )

右肩45度の輝き

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