見出し画像

私の体、きもちいい?

「私の体、きもちいい?」

いつもそう聞いていた。


一見すると、
順風満帆にみえる私の人生は
私から見ると''イマイチ''だった。



子供時代に
モデルをやっていたけれど
身長は低いし
芸能人ほどの可愛さもないし
特別頭がいいわけでもないし
仕事の才能も
親ほどではなく

私が思い描いていた
《完璧な私》とは程遠い。


イマイチだった。




子供時代は大人たちに
ちやほやされていたから、

大人になった自分が
ちやほやされる時は
体が交わるその一瞬だった。



自信がなかった。


男尊女卑の反対の
女尊男卑に近い考え方だったくせに

《男》とふたりきりになると
ちゃんと《女》になっているか
確認した。



《男》を満足させることができる
《女》でなければ。


ちやほやされたい。
愛されたい。


ベッドの中で
できる限り最高の《女》であろうとしていた。




私でさえ、
私の存在をおざなりにしていたから

できれば誰か、
体を覚えて欲しかった。

記憶に残して欲しかった。





「私の体、きもちいい?」
と聞くほどに
感覚にだけフォーカスしていく。


私という残像は
もう明日には消えている。



こんなにも虚しく
果てのない孤独はあるだろうか


存在さえ、
体さえ
感覚さえ

もう誰も記憶していない。



こんなことは
なんの意味もない。




氣づいたときは、
まだベッドの中にいた。


私は起き上がり
脱ぎ捨てられた服を
たぐりよせ

彼の目も氣にせず

ミネラルウォーターを一口飲んで
部屋を出た。




見上げた空には
星がたくさんあった。




もっと見ていたいのに
目を閉じた。



風が心地よく

私の体はふわりと軽かった。


なびく先には
何もなくて

それがまた良かった。



★ブログ
「全開の私を生きる♡
~変態と呼ばれてもいいじゃない♪」




★スキを押していただくと
今日の運勢が出ます♡


こんな私をサポートするなんて、そんな変態な人がいるのですかっ?!