おぺろん

初期研修医2年目。 演劇、短歌、スペイン語など、好きなものを詰め込みたいと思っています。

おぺろん

初期研修医2年目。 演劇、短歌、スペイン語など、好きなものを詰め込みたいと思っています。

マガジン

  • 研修医日記

    地方病院の初期研修医になりました。

  • 短歌やら文学やらの話

    短歌・文学の記事をまとめています。

  • スペイン語

  • 医学生として

    大学生活で感じたことや、書いたレポートの供養所

  • つれづれなる旅行記

最近の記事

専攻医日記①〜内科一週目修了

つらい やっぱ医者無理かも

    • 研修医日記(終)〜ホモサピエンスは愛せない、けど〜

      多忙であろう明日からの専攻医生活に向けて部屋の掃除をしていたら、2年前、研修医になるタイミングで友人や家族からもらった手紙を発見し心苦しくなってしまった。 「患者さんと向き合って病と闘ってくれるお医者さんになってくださいね」 二年間の研修医を終えた今日、私はそんな医者にはなれていないし、なろうとも思っていない。ごめんなさい。 意外と楽しい研修医生活 社会のこと、経済のこと、倫理のこと、全部考えなければ、この2年はすごく楽しかった。 病気、治療、検査、機械、全てのことが

      • ミュージカル「アンドレ・デジール最後の作品」感想

        お久しぶりです。最近日記更新せず申し訳ないのに、歌会始の歌をまだ読めてないのに、書きたくなっちゃったので書かせてください。 アンドレデジール最後の作品というオリジナルミュージカルを観てきました。 脚本を書かれた高橋亜子さんのことは、ミュージカルマチルダの翻訳をされたときに知って、かっこいいなーと思っていました。本作は観る予定はなかったのですが、フォローしていたtwitterで絶賛tweetが日々回ってきて、これは観ざるをえないなとなり、東京千秋楽前日に当日券で滑り込みました

        • 研修医日記➄〜筆が止まった総合内科

          ご無沙汰しております。 去年の夏以降、更新してなかったのは、大っぴらに言えないようなことを考えていたからです。 初期臨床研修医は、1-2か月ごとに各診療科を回ります。私は夏に外科を回った後、秋は総合内科にいました。診療科ごとに思ったことをnoteを書く予定でいたのですが、総合内科で思ったことは容易に口外できるような思考ではなかったので投稿しづらく、半年がたってしまいました。 総合内科で気づいたこと、それは「死は救いになりうる」ということでした。 もっとマイルドに言うなら

        専攻医日記①〜内科一週目修了

        マガジン

        • 研修医日記
          5本
        • 短歌やら文学やらの話
          8本
        • スペイン語
          6本
        • 医学生として
          8本
        • つれづれなる旅行記
          8本
        • ダイエット
          10本

        記事

          今年も来ました歌会始

          台風が無理やり秋風を連れてきて、今年の夏は暴力的に終わりました。 気づけば歌会始、詠進歌締切の季節です。 今年のお題は「友」 大学受験も大学生活も、そして今の研修医生活も友達に支えられて乗り切っている身としては読みやすいお題ではあります。 2週間くらい推敲して、 昨日実家に書道セットを取りに行って、 今日書き上げました。 候補2首で迷いましたが、歌会始という性質上、人生を寿ぐような歌がいいんだろうなと思って、ポジティブな方の歌にしました。 没案は 友達と呼ばれて

          今年も来ました歌会始

          研修医日記④〜舵を切れない外科マンス

          まるで太平洋の真ん中でたゆたう船みたいだ。 運ぶべき積荷も帰るべき母港もないから、どこに行ったって怒られない。 どの方角に進めばどこに辿り着くかは地図があるからだいたいわかる。でもその土地の風景や人々の暮らしがどうなっているのかは地図からはわからない。 興味本位でチリに行ってみてもいいけど、そのあとフィリピンに行きたくなったとしたらすごく面倒だ。 25歳、研修医、夏。行き先がわからなくなった。 外科での2ヶ月間の研修の半分が終わった。 研修医のわたしに課せられてい

          研修医日記④〜舵を切れない外科マンス

          Morat新曲"Valen Más"はSNSに疲れた人へのハグである。

          大好きなバンドMoratから新曲がでました。 Morat についてはこちらから↓ SNS疲れに寄り添う歌詞 インターネットは手軽に新しい知識が得られてなんて便利なんだと思いきや、実際は論文でもwikipediaでもなくて、Instagramやtiktokなどを脳死状態で眺めてしまいます。 そこに流れてくるのは他人の幸せ。 いい所だけ切り取られた情報だとわかっていても、他人の楽しそうな生活が見えてしまうと、つい自分と比べて辛くなります。そんなことは世界共通のようで。

          Morat新曲"Valen Más"はSNSに疲れた人へのハグである。

          研修医日記③〜小児科短歌一首

          そんなにも抵抗するならこちらにも手段があります はーじーめましてっ キッズの採血は死闘です。 あやす保育士さんと、押さえ込む看護師さんと、採血する先生と、用具出しする研修医の私と、大の大人4人でたった5mlの血液を得るために汗をかきます。 あやすのによくiPadで流すのは、アンパンマンとシナプシュ。特にシナプシュは、小さなお子様が瞬時に泣き止む必殺技です。 ギャン泣きする子に、これでどうだぁー!と繰り出す最終奥義が「はーじめましてー」で始まるゆるゆるな曲なのは、側からみ

          研修医日記③〜小児科短歌一首

          PCC-OSCE対策、何をすればいいか

          PCC OSCE? なんだそれ? 私の大学は直前までなんの説明もなく、先輩に聞いても記憶が曖昧で、事前情報が少なくて困りました。 つまり事前準備は大して必要ないし、記憶に残らないほど重要性の低いテストだということだとは思いましたが、心配にはなるので直前二日間くらいは練習をしました。 同じように一応不安だよという6年生に向けて、何をすると良いか、受験してどうだったかを書き残しておこうと思います。 PCC-OSCEとは何か医学部6年生に課される実技試験。国家試験の一部にな

          PCC-OSCE対策、何をすればいいか

          研修医日記②〜救外は小粒でもピリリと辛い

          当院では、初期研修医は週に一回、救急外来で当直することになっている。 当直中は楽しい。先生たちとUberEatsをたしなめるし、患者さんの診察、手技もたんまりやらせてもらえる。 でも朝を迎えると、なぜか気分が重くなりその後数日間考えこんでしまう。なんなら体調も悪くなる。 楽しいはずなのに妙だな、と理由をかんがえてみたら、どうやら以下のような感情の積み重ねのようだった。 「わからない」 まだ働き始めて1ヶ月だし、わからないのは当然ではあるけど、「わからないです」「できな

          研修医日記②〜救外は小粒でもピリリと辛い

          研修医日記①〜医者になって1週間が経ちまして

          お偉いさんの話が長いのは古今東西同じようだったが、窓の外にざわめく巨木を眺められるのは救いだった。 4月1日、地方病院の入職式。 わたしは医者としての初日を迎えていた。 医師国家試験で合格しても、初期臨床研修という2年間の研修を行わないと一人で患者さんの診療を出来ないので、大抵の人は医学部を卒業したら初期臨床研修医として病院に就職する。 わたしがこの病院を選んだのは、忙しさ、教育体制、給与その他諸々が条件と合致したからという字数を割くバリューもない理由だったが、初日にし

          研修医日記①〜医者になって1週間が経ちまして

          【ただの報告】医師国家試験、合格してました

          お久しぶりです。 昨日、国家試験の合格発表があり、無事自分の受験番号を発見できました。 4月から2年間は市中病院で初期臨床研修医として働きます。 医者になる自覚は皆無ですが、勉強してきたことがようやく応用できるのは楽しみです。 忙しいらしいので体力持つかが心配ですが、もし元気だったら研修について書くし、病んでたら病んでたなりに病みポエムを投稿しようと思います。 今後ともよろしくお願いいたします。

          【ただの報告】医師国家試験、合格してました

          プロのProcrastinator、医師国家試験を受験し勉強論を知る。

          8月31日に宿題を終わらせる。 年賀状を年が明けてから出す。 そんな、タスクを先延ばしにする名人のことを”Procrastinator”と呼ぶらしい。 Procrastinator人生わたしは、生粋のProcrastinatorだ。 生まれてこの方学生の身だったから、この厄介な性格は主に勉強面に表れた。 小学生のころ、はなまる先生に答案を送るのはいつも期限ギリギリだった。 中学生、8月31日に泣きながら美術の課題を作った。 浪人時代の夏休みはyoutubeサーフィンで終

          プロのProcrastinator、医師国家試験を受験し勉強論を知る。

          舞台「イロアセル」感想

          作・演出倉持裕、キャストはフルオーディション、会場は新国立劇場小劇場。 もともと倉持さんの作品が好きで、ありがたい事にU25のチケットも取れたので、千秋楽を観劇しました。 見終わった時に、あー楽しかったで終われる作品ではなく、自分の中に落とし込むのに時間のかかるものだったので、ここでまとめてみようと思いました。囚人が言っていたように、文だと考えをまとめられるから。 この先ネタバレなのでご注意ください。たぶん、聞き漏らしたセリフも今の私にはわかっていないこともたくさんあり

          舞台「イロアセル」感想

          卒業試験が終わりました

          2ヶ月に及ぶ卒業試験が終わりました。 一般の学部は単位をとったり卒論書いたりして卒業をめざしますが、医学部は6年生で行われる卒業試験の結果で卒業できるかが決まります。 期間は大学によっては数日だったり3ヶ月だったりまちまちで、弊学では週一のテストを8つ、9月10月の2ヶ月かけて行います。 内容は内科、外科から法医学や衛生学まで約40科目。難易度は先生の好みで、国家試験レベルの良心的なものから、先生の趣味としか思えない専門的なものまであり、学生は振り回されます。 テスト

          卒業試験が終わりました

          Morat ”Date la vuelta”〜背中を押す破裂音〜

          Hola, chicos! 今回はMoratの最新アルバム”¿A dónde vamos?”の中から、私が一番好きな一曲をご紹介します。 秋の夜長に染みる”Date la vuelta”です。 曲の概要ベースを担当しているSimon Vargasさんのソロ曲。MVでは本人がコーラス2人とギターの三役を演じています。 歌詞は、DV男と付き合っている友人に、その男から逃げて欲しいと願うものです。NY times紙では、“A heartfelt letter to a fr

          Morat ”Date la vuelta”〜背中を押す破裂音〜