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顧客にいろいろな商品を安く速く提供する『TBC戦略』とは?


TBC戦略とは、タイムベース競争戦略のことで、トヨタやホンダが使っている「顧客に新しく多様で安いものを早く提供する」戦略のことです。


国際的なコンサル会社BCG所属のジョージ・ストークは、日本企業が「時間」を上手く使ってビジネスをしていることに気付き、世界中に『TBC戦略』を広めました。

今回は、トヨタやホンダなどの日本企業から影響を受けて生み出された『TBC戦略』について紹介していきます。

日本企業の強さにおどろくジョージ・ストーク

国際的なコンサル会社BCG所属のジョージ・ストークは、1979年に世界最大の農機具メーカー「ディーア」からの依頼を受けて、日本の農工具メーカーヤンマーを訪れます。

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ストークは、日本企業ヤンマーがディーアに比べて、「生産性が大幅に高く、生み出される製品の品質が高く、在庫も使用スペースが小さく、生産時間がはるかに短かった」と驚きます。

トヨタを研究して気付いた時間管理

ストークは、日本企業の生産性の高さに興味を持ち、東京で研究をつづけました。

東京オフィスで、自動車メーカートヨタを研究する中、あることに気付きます。

フォードやゼネラルモーターズが車を1台開発するのにかかる時間は60ヵ月でしたが、トヨタやホンダは新車を36ヵ月で開発できていました。

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原因を研究した結果、日本企業との大きな差は『時間の使い方』でした。

トヨタとホンダは、なるべく早い段階から関係する部門や会社が情報共有を行って、仕事のムダをなくし同時並行で作業をしていました。

TBC戦略とは?

TBC戦略とは、タイムベース競争戦略のことで、トヨタやホンダが使っている「顧客に新しく多様で安いものを早く提供する」戦略のことです。


ストークは、時間をベースにした戦略を研究するために「あらゆるものの時間を測る」ことにしました。

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その結果、日本企業のトヨタとホンダは、すでにTBC戦略をとって成功していたことが分かりました。

◆TBC戦略

①Time:時間

②Based:基礎

③Competition:競争

④Strategy:戦略

TBC戦略は世界中でブームになる


ストークが見つけたTBC戦略は、1990年代世界中でブームになりました。

自動車メーカーであるクライスラーは、のちにトヨタやホンダのTBC戦略を取り入れ開発期間を25%短縮し、開発投資を30%下げることに成功しました。

また、TBC戦略が有効なのは、メーカーだけではなく、病院でも使われるようになりました。

TBC戦略を取り入れる前のスウェーデン、カロリンスカ大学病院では、手術の検査に数ヵ月もかかり、手術本番の日程が決められないため、患者・家族・医師・検査技師など予定が組めず困っていました。

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そこで、TBC戦略を導入し、検査や手術順やスタッフの再配置を行ったところ、手術検査は数日で終了したので、医師や患者の満足度は大きく上がりました。

さらに15あった手術室を2つ減らしても30%手術件数が増え、コストダウンにつながりました。

最後に


今回は、トヨタやホンダなどの日本企業から影響を受けて生み出された『TBC戦略』について紹介しました。


TBC戦略とは、タイムベース競争戦略のことで、トヨタやホンダが使っている「顧客に新しく多様で安いものを早く提供する」戦略のことです。


国際的なコンサル会社BCG所属のジョージ・ストークは、東京オフィスで、自動車メーカートヨタを研究する中、あることに気付きます。


トヨタとホンダは、なるべく早い段階から関係する部門や会社が情報共有を行い、仕事のムダをなくし同時並行で作業をしており、『時間の使い方』が上手かったのです。


ストークは、日本企業から時間の使い方を学び、『TBC戦略』を世界中に広めブームを起こしました。


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