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一人称の経済へーー社会起業家を10年追いかけて見えてきたこと
■なぜ人は「きれいごと」だと思うのか
「いいことしてますね」
私はこれまで、編集者として「社会起業」「ソーシャルベンチャー」を10年以上にわたって取材し、これからの経済や社会のあり方を考えてきた。だが、そうした自分のライフミッションについて説明するとよく投げかけられるのが、冒頭の言葉。しかも、言外にこうした疑いの気持ちを感じることもあって少し切なくなることもある。
「いいことしてますね(でも
『共感資本社会を生きる』を編集した先に待っていた世界(その2)
“農村生活は詩を生み出しますが、都市は物語の発展を促します”
まったくのジャケ買いで入手したマリオ・バルガス=リョサの、『プリンストン大学で文学/政治を語る』。のっけからこちらを見透かしたような言葉に出会い、しびれた。
というのも、『共感資本社会を生きる』の対談の後編を秋田県で行った時の感覚がぶわっとよみがえってきたからだ。真夏の畑で感じた、地面から身体を伝って湧き上がってくるあの名状しが
『共感資本社会を生きる』を編集した先に待っていた世界(その1)
2019年11月、担当した『共感資本社会を生きる』という本が発売となった。取材から半年と少し、そして発売から約4か月。その間、担当編集者自身に、いったい何が起こったのか。その変化を一度まとめてみたくて、勢いで書きはじめてみることにした(どんな本やねん、と思った方は以下のリンクから)。なんと2本立て。
編集者としての直感。「あ、このふたりは……」 編集者をしていると、「この人とあの人が出会ったら