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読書記録

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私的読書記録をまとめてみました。
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読書記録「愛なき世界」*三浦しおん

読書記録「愛なき世界」*三浦しおん

散歩が日課になり、道端の植物が気になりはじめたので、図書館で植物をテーマにしたコーナーにあったこの美しい装丁に惹かれて手に取った。

三浦しおんさんは舟を編む、神去なあなあ日常、まほろ駅前多田便利軒、など、味わいあるキャラクターとテンポの良い会話、クスクスと笑える中に時折じんわりとくるエピソードを交えるのが得意な作家さんだと思う。
エッセイもなかなか面白く、割と好きな作家さんである。

円服亭とい

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読書記録 「逆境の中にこそ夢がある」*蒲島郁夫

読書記録 「逆境の中にこそ夢がある」*蒲島郁夫

最近、本の紹介をしてくれるSNSを参考に
今まで読まなかったジャンルの本を見つけるのが楽しい♬
この本も音声配信の中で紹介されていて
気になった本の一冊だ。

著者は熊本のかなり貧しい農家に生まれ、
食べるものにも困窮し、
小学生で新聞配達しながら新聞を読み、
数々の逆境の中でも夢を持ち続け、
勉強する暇もなく、高校卒業後まで落ちこぼれだった。
ひょんなことから目にした新聞でアメリカへ農業研修生と

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読書記録 「かか」*宇佐見りん

読書記録 「かか」*宇佐見りん

「推し、燃ゆ」で芥川賞受賞した作家さん。
若くて才能溢れる作家さんがどんな世界を描くのか気になってデビュー作を読んでみた。

一言で言うと。
「宇佐見りん。。恐ろしい子!」

月影先生ならきっとそう言うと思う。笑

物語は金魚の描写からはじまる。
これが何のことなのか、
そして、この物語に流れる不穏な予感に
ここで吸い込まれていく。
ひらがなを多用し、
かか弁という、
主人公の母が作り出した独特の

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読書記録「生態学者の目のツケドコロ」*伊勢武史

読書記録「生態学者の目のツケドコロ」*伊勢武史

子供の頃、家の窓から見える空はいつも四角くて
うちの庭はとても狭くて小さかった。
それでも両親は木を植え、花を咲かせ、
そこに小さな蝶がきたり、カマキリの卵を見つけると何だかワクワクしたのを記憶している。
そんな私が田圃の広がる長閑な所に住んで
初めて本物のアゲハやオニヤンマを見た時
ホントにいるんだ!
とワクワクした。
ほったらかしにすると庭の雑草が小花を咲かせてしまったり、  
季節に合わせて

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読書記録 「医療の外れで」*木村映里

読書記録 「医療の外れで」*木村映里

医療現場からは長いこと離れてしまっているが、
私は看護師である。
図書館がまた閲覧と貸出ができるようになったので、数冊借りてきて、雑多なジャンルの本を読み漁っている。
この本は新刊コーナーに鮮やかな色の表紙で、 
何だか手に取って見てみて、と主張していて、
パラパラとページをめくって借りてきた本だ。

今の自分の状況下において、また病棟勤務になることは選ばないだろう。
それでも、今現在最前線で働い

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読書記録 東京すみっこごはん*成田名璃子

読書記録 東京すみっこごはん*成田名璃子

元々ご飯を作るのも食べるのも好きなので
食がキーポイントの小説に惹かれることも多い。
この本もふらふらと文庫のコーナーに行き、
タイトルに惹かれて手に取った。

帯には年齢も職業も異なる人々が集う共同台所の物語と書いてあった。
スタエフでちょろっと食の呟きを始めたばかりで
食に関するアンテナが立っていた。
実際にそういう場所が近くにあったら行きたいなぁ、と思ったので購入。

すみっこごはん、と言う

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読書記録「そしてバトンは渡された」*瀬尾まいこ

読書記録「そしてバトンは渡された」*瀬尾まいこ

私は芥川賞や直木賞より、本屋大賞が気になるたちで、その時期になると本屋さんで候補作が平積みになると、書店員さんの推しのポップも見つつ、あ、これ気になるなぁ♬と、密かに文庫化するのを待ち望み、印象に残ってる本を時を経て、また本屋さんで買うかどうするか悩んで、結局文庫で買うパターンがある。
大体、今読み進めている本があって、世界観が似ていたり、しばらく戻ってこれないタイプの本にハマっている時は買っても

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読書記録 羊と鋼の森

読書記録 羊と鋼の森

*羊と鋼の森* 宮下奈都

本屋大賞ノミネート時から気になってた本。

ピアノ、うちの子たちも習ってたんですよね。
もう辞めてしまって、
しかもうちのは電子ピアノなんで
調律師さんにきてもらったことはないんですが
私もピアノ曲は好きなので
時々聴きたくなります。
そしてタイトル。

森ってついてる。
ここら辺に何だか好みのにほいがするわ。笑

私は本好きだけど、
割と移動時の方が読む時間がある

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