記事一覧
TFPⅡ(シロクマ文芸部)
子どもの日といいながら、僕は恩恵を受けたことがない。
今年も両親が行きたいアウトレットについていくだけだった。
本当は水族館に行きたかったのに。
せめておもちゃでも買ってほしかったのに。
両親は値引率だけみて買った服を両手に持って満足そうにしていた。
僕はその場で悲しくなって泣いてしまった。
母親は金貨を模した美味しくないチョコを渡してきた。
僕の気持ちがなかなか収まらずにいると、迷
【2歳児の創作むかし話】
むかしむかしあるところに、キティちゃんとクロミちゃんとマイメロちゃんがいました。
【シロクマ文芸部】春がなりたい職業
春の夢は保育士だ。
春は園児のころから保育園の先生に憧れていた。
そして何より大好きな子供に関わる仕事をしたかった。
春は一生懸命勉強した。
1日6時間勉強した。
そして、春は保育園の先生に、
なれた。
春は新しい夢ができた。
プログラマー。
保育園ではいろいろあった。
そしてなにより、減っていく子供より、発展していくデジタルの世界に興味を感じた。
春は一生懸命勉強した。
嘘をつくな嘘を!
月が見えない日(シロクマ文芸部)
朧月ではなかった
月が見えない日に見えたのは
自転車のない駐車場だった
朧月ではなかった
月が見えない日に見えたのは
点字ブロックを踏まない小さな正義感だった
(74文字)
以下、企画に参加させていただきました。
【シロクマ文芸部】半袖短パンのジョーカー
梅の花が咲いて、春の匂いを感じた。
でも僕にはあまり関係がない。
僕はいつも半袖短パン。
君のせいだ。
少し栗色の髪をした、奥二重のキリッとした瞳の子だった。
小学二年生の秋、君は半袖短パンの僕をカッコいいと褒めてくれた。
僕はその日から僕は、春夏秋冬半袖短パンの呪いにかかった。
君はその後すぐに転校してしまって、そこから会う事はなかったけど。
いつか君に会えるんじゃないかと思えば
【エッセイ】死んだまんま眠ってる猫
「猫が死んじゃった。どうしよう」
1時間程度の残業を終えて、会社を出たところで母親から電話があった。
久々に聞いた母親の声は、それ以外は何を言っているか分からなかった。
こんなに冷静さを失っている母親は初めだった。
というか嗚咽するほど泣きじゃくる50歳オーバーの声を初めて聞いた。
自分は実家を出ているので、毎日猫とは顔を合わせていない。
もし実家に住み続けていたら自分も同じようになっ
傘と飛行機雲(シロクマ文芸部)
青写真に描いてた未来と現実の距離はどのくらいだろう。
大人になった僕は、スウェットだけで外に出たことに後悔していた。
夕空には心配になりそうな角度で下る飛行機雲だけが見える。
午後から雨が降ると聞いていたけど、杞憂だったようだ。
無駄に左手を塞いでいる傘に苛立ちながら立ち止まった。
飛行機雲は少しずつ地上との距離を詰めている。
最後まで見届けるには人生が足りないので、そのまま家に帰った