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昔読んだ小説

今回は私が高校生の頃に読んだ小説のことについてお話ししたいと思います。

芥川龍之介賞受賞作品なので、作家の方、作品ともに知っていたり、読んだことがあるという方も多いのではないかと思います。

※あらすじや、私が当時読んで考えていたことなどについても触れています。作品を読む前からこのような文はあまり読まないようにしているという方は読むことをお控えください。


蛇にピアス

今回ご紹介するのは「蛇にピアス」です。
2003年に金原ひとみさんがデビュー作品として書かれた小説です。

第27回すばる文学賞、第130回芥川龍之介賞を受賞したことでも話題になり、2008年には映画化もされました。


あらすじ

日々渋谷をふらつく19歳のルイは、ある日訪れたクラブで赤毛のモヒカン男、アマと出会う。

アマは眉と唇にピアス、蛇のように割れた舌のスプリット・タン、背中には龍の刺青という出で立ちだった。

ピアスやスプリット・タン、刺青にすっかり魅せられてしまったルイは、自分もアマと同じ施術を受けたいとお願いし、シバと呼ばれる男が運営する怪しげな店を二人で訪ね、人体改造へとのめり込んでいくことになる。

※作品を元に私が勝手に考えたあらすじです。
詳しく知りたい方はこちらへ⇒ 蛇にピアス


この作品について

私がこの作品を読んだのは確か17歳の時でした。
ここでふと考えたのですが、小説って年齢制限はないのでしょうか?

本屋で働いていた時にはそのことについて一切考えたことはなかったのですが、今になってよく考えてみても小説に成人コーナーのような場は無かったなと。

「蛇にピアス」のことについて話しを戻しますが、私自身この作品は飛行機の中で読んでいたので記憶に深く残っています。

読み終えた時の感想として、庇ってまで家族以外の人を守りたいと思うことが今後出てくるのであろうかということ。

一度刺青をいれると消せないので、今だけの感覚でいれると後々後悔するだろうなということについても考えました。

それだけこの作品に出てくる登場人物は「今」を生きている人であり、寂しさはあるけれど“本当の意味で守りたい”と思う人間はいないのかもしれない。そんなところに儚さと切なさが感じられる作品なのではないか、といったことを考えていた記憶があります。

私の中でこの作品のテーマは「後悔」なのかもしれません。人によって視点は異なるので、みなさんそれぞれのテーマが思い浮かぶのではないかと思います。


友達

高校生の頃の話です。
「蛇にピアス」を読んだ後、不登校気味な友達が学校に来た日に作品を読んだことについて話しました。

そうすると、友達は「私もタトゥーをいれたいと思ってる。蝶とかね。近いうちにいれる」と。

この友達は頻繁にヘアカラーやヘアスタイルを変えていたので、私からは「ヘアスタイル感覚でタトゥーをいれるのはいかがなものだろう」ということを伝えました。

この頃彼女は鬱状態だったので、蛇にピアス的な言い方をすると「コイツそろそろ死ぬんじゃないか」くらいには考えていたので、あまり攻撃的にはなれないなと思っていたところ
いれてもレーザーで消せるから大丈夫」と返事をしました。

ちなみにですがレーザーで消した場合、絵柄が消えるだけで痕ははっきりと残ってしまいます。

ただでさえ髪を切ったりヘアカラーをしては毎回後悔をして1日中落ち込んでいるにも関わらず、刺青をいれてレーザーで消すだと。いれる前から消すことを考えている。
今のこの精神状態でいれたら彼女は壊れてしまうのではないかと思い、
安易に消せると思うなよ...」と脅し文句の如くキレた記憶があります。

派手髪の不登校+陰気な人間・ほぼ喋らない(お互い他にまともに友達おらず)が、大声は出さずとも“刺青”のことで淡々と口論になっていた時に、クラスの人間は横目でこちらを見ていました。

ちょうどこの前会った際にこの時の出来事について彼女から話し始め、爆笑していました。

この出来事はいい思い出ということにしておきます(刺青・タトゥーについては、できればアート視点でいれる方や、いれても後悔しないタイプの方の作品を個人的には望みたいところです)。


東洋経済オンラインにて金原ひとみさん関連の記事が載っており、久しぶりに「蛇にピアス」を読んだ頃の出来事を鮮明に思い出したのでした。

新しく、短編小説「ストロングゼロ」という作品を執筆されたそうです。
記事はこちら⇒ 東洋経済オンライン






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