金原ひとみ

「わからない」ことを受け入れる感覚

昨日の話のつづき。「わかっている」と思うから、わからなくなるというか、わかっていないかもしれないと自分を過信しすぎないことが結局、「よりわかろうとする」態度につながるという話だったんだけど。

若者研究をしていてもいつもここの壁には直面する。大人は全員、一度「若者」をやったことがあるので、なんとなく自分が若者をやっていたことの記憶を、さも昨日のことみたく勘違いして「ああ、はいはいあれね」みたいにあ

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感謝です!感想、是非コメントでもお待ちしてます!
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蛇にピアス

ちょっと前なら絶対選ばない作品

”死ぬときは俺に殺させて。誰か知らない奴に彼女の命を取られるなんて耐えられない。”

私はこの場面で、今まで理解しえなかった
嫉妬とか性とかそういうものの奥に潜む巨大な”愛情”を
びっくりするほど納得できた気がした

ここでのピアスは自己愛の形?
スプリットタンは不安の裏返し?

なぜ痛みに耐えて体を変形させるのか
変形させないといけない理由があるのか、それは一体

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金原ひとみ『アタラクシア』(集英社)

金原ひとみの新刊『アタラクシア』を読む。そもそも、アタラクシアって何さ、と本を読み終わった後で調べる。Wikipediaによると、「心の平静不動なる状態のこと、乱されない心の状態」だそうだ。なるほどなるほど、これは、人間関係の中に出てくる人たちが1章ずつ一人称で語る、見た目短編連作のような(窪美澄的?)小説だが、つまりは最初の章の語り手だった由依が主人公の小説で、小説中でサイコパス的、と言われる、

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日記

日記だから好きなように書く。ネタバレ感想とかも書く。金原ひとみ先生のアタラクシアをまだよんでいないネタバレ嫌いな君は今すぐブラウザバックだ。昨日感想記事を書いた時はさすがに、「出版後一か月くらいしか経ってない書籍のネタバレ感想を投稿するのはさすがにためらわれるな」と良心がとがめたのだ。一晩寝てやっぱアタラクシアのこと考えすぎて頭がおかしくなりそうなので普通に感想を書こうと思う。ネタバレがコンテンツ

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アタラクシア/金原ひとみ

読んだ。一気だった。大人になって小説ってあまり読まなくなった、特に中長編はしんどくて、軽文学くらいの軽さがちょうどいい気がする。と思ってたんだけど好きな小説は長さ関係なく面白かった。

くるくる視点が変わる。はじめの章がとても幸せそうな男女の話で、「金原先生らしくないな?」とか思う。が、第二章でさっそく「いつもの金原先生でしたわ」という登場人物視点になる。暴力の描写が異常にリアル、真に迫っている。

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金原ひとみ「軽薄」

この小説は確かに恋愛小説である。
しかし破滅的関係の恋愛なのかと言われれば私はそうは思わない。
そうではなくて恋愛とは少なからずこの小説で扱われているテーマを含むものである。
もっと言うとそれを含まないのならば恋愛ではないとさえ私は思う。
この際、破滅的であるかどうかはどうでもよくなる。

そのテーマとは「男と女には当人同士にしかわからないことがある」というものである。
他の誰でもなく「私」と「あ

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幸せになりたい

私がいま一番欲しいものは「私は幸せ者だと思える気持ち」である。

自分で言うのもなんだが、他人から見た私は、恐らく恵まれている組に分類されるんだと思う。

現在、38歳。

仕事でもそれなりに評価され、気の合う旦那と可愛い子供に恵まれ、一戸建ても購入、休日は自家用車で遊びに出かける。典型的な"普通の幸せ"を手にしている。

でも、何故か心の底から幸せだと思えない。30歳を目前にした時から今に至るま

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大いなる細胞分裂〜寒空の下で〜

おなかがいっぱいなのに、欲張ってソイラテをショートじゃなくてトールにしたら、半分も飲めずに放置することになった。

そんな昼下がり(ほとんど夕方)に、これから酷いことをされる知人を思いながら人の流れを見つめる。その酷いことをする女性へも、思いを馳せる。

その間に、いつもお世話になっているハプニングバーの店主さんからのご連絡と、セフレくんからの今夜のお誘いと、バイトしているハプニングバーで店長しな

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誰かの幼稚さが僕にとっての救いだ

市民図書館で何か面白い本を借りたいと思っていました。

そこで候補として思いついたうちのひとつが、金原ひとみの小説でした。
(彼女の作品の中でよく知られているのは『蛇にピアス』など)

以前に『蛇にピアス』を読んで面白いと思ったことを思い出して、他の作品も読んでみるかという流れです。

そういうわけで、どれにしようかとネットで雑に調べていると、たぶんwikipediaかどこかで『蛇にピアス』の評を

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東京タワー

最近のマイブームは本を読むこと。
発端は金原ひとみの『蛇にピアス』。これはまだ10代だったころの私にかなりの衝撃を与えた作品だけれど、それについてはまた今度書こうと思う。

それから同じく金原ひとみの『TRIP TRAP 』。森博嗣の『孤独の価値』。
大学入学から3年間で3冊ほどしか本を読まなかった読書不精とでも言うべき私が、この1ヶ月でもう3冊も読んでいる。空前の読書ブームが到来しているわけだけ

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