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【管理栄養士解説】寿司や刺身が食べたい子ども🍣大人と同じ食事はいつから?


子育てお悩み相談テーマ~大人と同じ食事はいつから?~

本日の子育てお悩み相談のテーマは「大人と同じ食事はいつから?」です。
保護者の方から寄せられたお悩みを見ていきましょう。

1歳11か月の娘がいます。
親戚で集まる機会が時々あり、その時はだいたい手巻き寿司をメインに食事をします。
今までは、湯がいた刺し身を娘の寿司ネタとしていましたが、最近は生の刺し身に興味を持つようになってきました。
卵焼きやカニカマ、ひきわり納豆などのネタはみんなと同じようにあげられるのですが、娘は自分だけが刺し身を食べられないのが不満なようです。
他にも、大人のおつまみに手を出そうとすることがあり、「○○ちゃんのご飯はこっちにあるよ」などと何とか制しています。
早く同じものを食べさせてあげたいですが、大人と同じ食事ができるようになるのはいつ頃からでしょうか。

管理栄養士の回答

今回のお悩み相談に回答するのは、現役保育園栄養士 えりです。

大人と同じ食事ができる時期の目安

乳歯が生え揃う3歳頃を目安に大人と同じような食材を食べられるようになります。
なぜなら、胃や腸の消化吸収機能と免疫機能が発達してくるためです。

例えば、今回のお悩みにもあった、大人も大好きなお寿司やお刺身。
食品安全委員会では、3歳未満は生魚や生の魚卵を控えることを推奨しています。
理由は、胃や腸の消化吸収機能や免疫機能が発達途中の子どもは、細菌や寄生虫による食中毒やアレルギーを引き起こしやすく
また、生魚を食べると免疫機能が過剰に反応してしまい、アレルギー症状が出やすいと言われているからです。
お寿司やお刺身も3歳を目安に食べるのが良いでしょう。

嚙み切りにくい食材は咀嚼力がついてから

3歳を過ぎても、噛み切りにくい食材は要注意です。
寿司ネタだと、タコやイカが挙げられます。
大人でも、噛み切ったり小さく噛みつぶしにくい食材ですよね。
内閣府の「教育・保育施設等における事故防止及び 事故発生時の対応のためのガイドライン」では、保育園などで使用をさける食材としてイカがあげられています。
イカは生でも噛み切りにくいですが、
小さく切って加熱しても固くなってしまい、そのまま飲み込んで軌道に入ってしまう危険性があるためです。
歯が生え揃う時期や噛む力には個人差があるため、生のタコやイカは咀嚼力がつくまで控えましょう
また、咀嚼力がついても、初めのうちは十分に注意し、飲み込み終わるまで必ず大人が見守ってください。

味覚形成のためには薄味を

また、3歳頃までに食べた食事に味覚が影響されると言われているので、味の濃さも気を付けた方が良いでしょう。
保育園の食事を大人が食べると薄味に感じるのは、味覚も育つようにと配慮もしてるからです。
そのため、薄味でも美味しく食べられるよう旨味を引き出す調理を心がけています。
離乳食が終わって、大人と同じものが食べられると思っている方も多いかもしれませんが、ミルクや母乳がなくなり、食事だけで栄養を摂らなければいけないので、幼児食の方が大変かもしれません。
ですが、3歳までの食が味覚に影響があることを考えると、食べ物や味付けにも気をつけてあげてほしいです。
普段の食事では、大人のご飯の味付けを少し薄めて出してあげてくださいね。


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