白崎一裕

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白崎一裕

ベーシックインカム・実現を探る会です。反貧困ネットワーク栃木です。 那須里山舎やってます 日本ベーシックインカム学会理事。ここ9年ほど、雑誌『We』(フェミックス刊)に「お金リテラシー入門」を連載しております。共著『ベーシックインカムは希望の原理か』(フェミックス)など。

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「SDGS通信」(とちぎボランティアネットワーク発行)市民文庫書評『魂にふれる——大震災と、生きている死者 【増補新版】』 若松英輔著 亜紀書房 

以下の書評は、「SDGs通信」発行前の事前公開です。 ーーーーーーーーー 『魂にふれる——大震災と、生きている死者 【増補新版】』  若松英輔著 亜紀書房  定価 1870円 評者 白崎一裕(那須里山舎) ーー  死者 たち は、「 課題」 を 残し て い なく なる のでは ない。 死者 は、「 課題」 の なか で、

    • 愛媛県 松山地裁補助参加人発言(白崎)なぜ、私は、扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか?意見陳述書栃木県大田原市在住 白崎一裕

      以下の文書は、教科書裁判先輩格のえひめ教科書裁判の口頭弁論において松山地裁にて陳述説明したものである。これも2008年だが、現在でも参考になると考え、ここに再録する。 なぜ、私は、扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか? 意見陳述書 栃木県大田原市在住 白崎一裕 なぜ、私は、「扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか?」その理由について述べたい。 もちろん、その教科書の内容について問題があるのは当然だが、これまでも、その内容については多くの議論がされていることと

      • 教育への権利 (とちぎ教科書裁判宇都宮地裁における準備書面から)

        以下の準備書面(一部)は、「とちぎ教科書裁判」本人訴訟原告 白崎一裕が作成した。2008年だから以前の文書だが、「教育の自治」ということを説明しているので現在でも参考にしていただけると思い、ここに記録いたします。 平成18年(行ウ)第11号 扶桑社版歴史及び公民教科書採択違法確認等請求事件 原告 田上 中 他93名 被告 大田原市他6名 準備書面( ) (中略)  (注)この準備書面は原告・白崎一裕が作成した。 頭書事件について、原告は、下記の通り弁論を準備する 記

        • 月刊ボランティア情報2011年6月号・市民文庫書評『経済復興~~大震災から立ち上がる』岩田規久男著

          『経済復興~~大震災から立ち上がる』岩田規久男著 筑摩書房 定価1200円+税                            評者 白崎一裕 本書のウリは、ずばり「国債の日銀直接引き受け」を震災復興の財源に!ということだ。 これをアカデミズムの経済学者が緊急提言している。 震災復興には、被災地の当事者の立場にたったときに、様々な「もの・こと・ひと」が必要なことは言うまでもない。そして、それをささえるのは、やはり資金(マネー)なのだ。「いや、金だけではない」という

        「SDGS通信」(とちぎボランティアネットワーク発行)市民文庫書評『魂にふれる——大震災と、生きている死者 【増補新版】』 若松英輔著 亜紀書房 

        • 愛媛県 松山地裁補助参加人発言(白崎)なぜ、私は、扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか?意見陳述書栃木県大田原市在住 白崎一裕

        • 教育への権利 (とちぎ教科書裁判宇都宮地裁における準備書面から)

        • 月刊ボランティア情報2011年6月号・市民文庫書評『経済復興~~大震災から立ち上がる』岩田規久男著

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          「月刊ボランティア情報」11月号 市民文庫書評 『1億3000万人の自然エネルギー』飯田哲也著 2011年

          『1億3000万人の自然エネルギー』飯田哲也著 講談社 本体1200円(税別)                            評者 白崎一裕 本書は、福島第一原発事故を受けて、いま、まさに話題の中心のひとつ「自然エネルギー」についてその本質をとてもわかりやすくビジュアルに、そして、具体的資料をあげて解説した入門書の決定版といえる。著者は、飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所長)だ。長年、北欧のエネルギーデモクラシーに注目しながら、自然エネルギーにシフトした脱原発

          「月刊ボランティア情報」11月号 市民文庫書評 『1億3000万人の自然エネルギー』飯田哲也著 2011年

          月刊ボランティア情報、市民文庫・書評『自然法』ダントレーヴ 著 久保正幡訳 岩波書店 2014年

          『自然法』A.P. ダントレーヴ 著 久保正幡訳 岩波書店 定価(本体2400円+税)                           評者 白崎一裕 現在の安倍政権は、様々な掟破りをおこなっている印象がある。そのなかでも特に際立ったのが集団的自衛権の閣議決定だ。集団的自衛権を認めるにせよ認めないにせよ、憲法解釈を行政権の一部である内閣がおこなうということには重大な問題がある。憲法解釈の権利があるのは、三権分立において司法のトップである最高裁に限られているはずだ。それ

          月刊ボランティア情報、市民文庫・書評『自然法』ダントレーヴ 著 久保正幡訳 岩波書店 2014年

          『悲しみとともにどう生きるか』入江杏編著 書評<「SDGS通信「市民文庫」2023年2月号所収>

          『悲しみとともにどう生きるか』入江杏編著 柳田邦男、若松英輔、星野智幸、東畑開人、平野啓一郎、島薗進著     集英社新書                      990円+税                     評者 白崎一裕(那須里山舎) 評者は、コロナ禍のこの3年の間、喪失と悲嘆そして苦痛の経験を繰り返している。還暦越えのこの年齢になってなぜこんなに自分に苦難がふりかかってくるのか、その境遇を呪うことさえ苦痛になる時間を過ごしている。    それは、コロナが

          『悲しみとともにどう生きるか』入江杏編著 書評<「SDGS通信「市民文庫」2023年2月号所収>

          書評『自分ごとの政治学』中島岳志著(とちぎVネット「SDGs通信・市民文庫」発行前原稿)

          『自分ごとの政治学』中島岳志著 NHK出版 定価737円 評者 白崎一裕(那須里山舎)※上記画像は、NHK出版さんのX(ツイッター)ページより引用画像です もうはるか昔、10代のころ自分が将来「なりたくない」仕事が三つあった。それは、教師・会社の社長・政治家だった。もともと人づきあいが苦手で、誰とも会わないで暮らすことのできる深山の出家した僧侶になるのが、一番自分に向いていると思っていた。しかし、人生わからないもので、その後の人生はなりたくない仕事そのものか、それにきわめ

          書評『自分ごとの政治学』中島岳志著(とちぎVネット「SDGs通信・市民文庫」発行前原稿)

          「SDGS通信 市民文庫書評」『凛として灯る』荒井裕樹著

          米津さんの評伝『凛として灯る』の書評を以前書かせていただいた。 ーーーーー 『凛として灯る』荒井裕樹著 現代書館 定価1800円+税                     評者 白崎一裕(那須里山舎) 本書は、障害者文化論と文学研究者の荒井さんが書いた米津知子さんの評伝である。米津さんを辞書的に紹介するなら「ウーマンリブ運動と障害者運動の当事者活動家」とでも書くところか。それを2020年代風に表現するなら、「ジェンダー差別や障害者差別と闘いダイバーシティーを実現するラ

          「SDGS通信 市民文庫書評」『凛として灯る』荒井裕樹著

          ハーバード大学教授の名講義『なぜ科学を信頼する?』を出版したい!

          #READYFOR #クラウドファンディング いつも大変お世話になっております。 那須里山舎の白崎一裕でございます。 以前、ヤニス・バルファキス著『世界牛魔人――米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』の翻訳出版をクラウドファンディング(READYFORさんにて)ご支援をいただきました。 ▼ 今回、ふたたび新刊刊行のためのクラウドファンディングを実施いたします。その予告ご連絡です。 ▼ 新刊タイトルは、『なぜ科学を信頼する?』です。 ▼ 著者は、ナオミ・オレスケスさん

          ハーバード大学教授の名講義『なぜ科学を信頼する?』を出版したい!

          書評『政治はケンカだ!明石市長の12年』泉房穂・鮫島浩著 講談社

          この書評は、とちぎボランティアネットワーク機関誌「SDGs 通信」の市民文庫欄のものですが、発売前の事前公開です。 ーーーーーーーーーーー 『政治はケンカだ!明石市長の12年』泉房穂・鮫島浩著 講談社 1800円+税 評者 白崎一裕(那須里山舎) 「誰ひとり見捨てない」のスローガンのもと、独自の子育て・福祉行政などで全国から注目された反面、暴言など強い批判にもさらされたトンガッタ市長だった泉さん。その泉さんに、朝日新聞の政治記者のトップでありながら、朝日を早期退職し独立

          書評『政治はケンカだ!明石市長の12年』泉房穂・鮫島浩著 講談社

          書評 『世界牛魔人 グローバル・ミノタウロスーー米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』 ヤニス・バルファキス著 早川健治訳 那須里山舎

          以下の書評は、とちぎボランティアネットワーク機関紙「とちコミSDGs通信249号」の「市民文庫」に執筆したものである。 ================ 『世界牛魔人 グローバル・ミノタウロスーー米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』 ヤニス・バルファキス著 早川健治訳 那須里山舎 2400円+税 評者 白崎一裕(那須里山舎) 本書も、私の那須里山舎の新刊で恐縮だが、現在の混とんとした世の中を読み解く一冊としてご紹介する。 著者のヤニス・バルファキスは、きわめてユニークな

          書評 『世界牛魔人 グローバル・ミノタウロスーー米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』 ヤニス・バルファキス著 早川健治訳 那須里山舎

          「とちコミSDGs通信VOL247」市民文庫・書評『99%のための経済学――コービンが率いた英国労働党の戦略』 ジョン・マクドネル編 朴勝俊、山崎一郎、加志村拓、長谷川羽衣子、大石あきこ訳

          栃木県のNPO・ボランティア団体の総元締めともいえるNPOとちぎボランティアネットワークの機関紙「とちコミSDGs通信VOL247」の市民文庫欄で、取り上げさせていただきました。 ~~~~~~~~~~~~~~ 『99%のための経済学――コービンが率いた英国労働党の戦略』 ジョン・マクドネル編 朴勝俊、山崎一郎、加志村拓、長谷川羽衣子、大石あきこ訳 堀之内出版 定価3500円+税 評者 白崎一裕(那須里山舎)  前号の塚本さんの「しみん文庫」は、斎藤幸平さんの『人新生の「資

          「とちコミSDGs通信VOL247」市民文庫・書評『99%のための経済学――コービンが率いた英国労働党の戦略』 ジョン・マクドネル編 朴勝俊、山崎一郎、加志村拓、長谷川羽衣子、大石あきこ訳

          市民文庫・書評『危険社会~~新しい近代への道』ウルリヒ・ベック著 東廉、伊藤美登里訳 「ボランティア情報VOL190 2012年3月号」(とちぎボランティアネットワーク編)所収

          『危険社会~~新しい近代への道』ウルリヒ・ベック著 東廉、伊藤美登里訳 定価(本体5000円+税) 評者 白崎一裕 この訳書のカバー解説にあるように、本書はチェルノブイリ原発事故がおきた1986年にドイツで刊行された。未曾有の原発事故の衝撃をうけたことに対する思想的応答の書として、難解な専門書にもかかわらず大ベストセラーとなったものである。 「危険社会」とは何か?危険という言葉は、ドイツ語でRisiko 、英語でriskと言い表される。すでにカタカナ語になっている言葉で

          市民文庫・書評『危険社会~~新しい近代への道』ウルリヒ・ベック著 東廉、伊藤美登里訳 「ボランティア情報VOL190 2012年3月号」(とちぎボランティアネットワーク編)所収

          「ボランティア情報2021年新年号、市民文庫書評・予告掲載」(とちぎボランティアネットワーク編)『ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論』デヴィッド・グレーバー著 酒井隆史、芳賀、森田訳 岩波書店

          『ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論』デヴィッド・グレーバー著 酒井隆史、芳賀、森田訳 岩波書店 定価3700円+税 評者 白崎一裕 ずっと人間はなぜ働くのかと考えてきた。「食うために働くのさ、余計なことは考えるな」と父親は言った。思春期の評者は「確かにそうかもしれない。でも、食うためなら何でもしなきゃいけないのか」と反論したくなった。それが原点だった。その原点から、ずいぶん遠くまできたような気もする。 マルクスは労働疎外といった。労働すればするほど貧しくな

          「ボランティア情報2021年新年号、市民文庫書評・予告掲載」(とちぎボランティアネットワーク編)『ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論』デヴィッド・グレーバー著 酒井隆史、芳賀、森田訳 岩波書店

          メモ「ジェネレーション・レフト宣言」斎藤幸平さん著 を読む

          岩波の「世界」はめったに手にすることはないのだが、今回は、若手の論客、斎藤幸平さんの「ジェネレーション・レフト宣言」と酒井隆史さんのグレーバー追悼「そこで開かれた諸可能性は、二度と閉じられることはない」という二つのエッセイにひかれて読んでみた。そこで、あらためて、感じたのは「ポスト資本主義」を若い世代(私の子ども世代)は感覚的に求めていることと、これまでの、議会民主制への限界から、議会外への「運動」である、ダイレクトデモクラシーに近いものを求めていることを改めて共感をもって読

          メモ「ジェネレーション・レフト宣言」斎藤幸平さん著 を読む