白崎一裕

ベーシックインカム・実現を探る会です。反貧困ネットワーク栃木です。 那須里山舎やってま…

白崎一裕

ベーシックインカム・実現を探る会です。反貧困ネットワーク栃木です。 那須里山舎やってます 日本ベーシックインカム学会理事。ここ9年ほど、雑誌『We』(フェミックス刊)に「お金リテラシー入門」を連載しております。共著『ベーシックインカムは希望の原理か』(フェミックス)など。

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記事一覧

「SDGS通信」(とちぎボランティアネットワーク発行)市民文庫書評『魂にふれる——大震災と、生きている死者 【増補新版】』 …

以下の書評は、「SDGs通信」発行前の事前公開です。 ーーーーーーーーー 『魂にふれる——大震災と、生きている死者 【増補新版】』  若松英輔著 亜紀書房  定価 18…

白崎一裕
3か月前

愛媛県 松山地裁補助参加人発言(白崎)なぜ、私は、扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか?意見陳述書栃木県大田原市…

以下の文書は、教科書裁判先輩格のえひめ教科書裁判の口頭弁論において松山地裁にて陳述説明したものである。これも2008年だが、現在でも参考になると考え、ここに再録…

白崎一裕
3か月前
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教育への権利 (とちぎ教科書裁判宇都宮地裁における準備書面から)

以下の準備書面(一部)は、「とちぎ教科書裁判」本人訴訟原告 白崎一裕が作成した。2008年だから以前の文書だが、「教育の自治」ということを説明しているので現在で…

白崎一裕
3か月前
1

月刊ボランティア情報2011年6月号・市民文庫書評『経済復興~~大震災から立ち上がる』岩田規久男著

『経済復興~~大震災から立ち上がる』岩田規久男著 筑摩書房 定価1200円+税                            評者 白崎一裕 本書のウリは、…

白崎一裕
3か月前
1

「月刊ボランティア情報」11月号 市民文庫書評 『1億3000万人の自然エネルギー』飯田哲也著 2011年

『1億3000万人の自然エネルギー』飯田哲也著 講談社 本体1200円(税別)                            評者 白崎一裕 本書は、福島第一原…

白崎一裕
3か月前

月刊ボランティア情報、市民文庫・書評『自然法』ダントレーヴ 著 久保正幡訳 岩波書店 2014年

『自然法』A.P. ダントレーヴ 著 久保正幡訳 岩波書店 定価(本体2400円+税)                           評者 白崎一裕 現在の安…

白崎一裕
3か月前
1

『悲しみとともにどう生きるか』入江杏編著 書評<「SDGS通信「市民文庫」2023年2月号所収>

『悲しみとともにどう生きるか』入江杏編著 柳田邦男、若松英輔、星野智幸、東畑開人、平野啓一郎、島薗進著     集英社新書                   …

白崎一裕
3か月前
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書評『自分ごとの政治学』中島岳志著(とちぎVネット「SDGs通信・市民文庫」発行前原稿)

『自分ごとの政治学』中島岳志著 NHK出版 定価737円 評者 白崎一裕(那須里山舎)※上記画像は、NHK出版さんのX(ツイッター)ページより引用画像です もうはるか…

白崎一裕
7か月前
3

「SDGS通信 市民文庫書評」『凛として灯る』荒井裕樹著

米津さんの評伝『凛として灯る』の書評を以前書かせていただいた。 ーーーーー 『凛として灯る』荒井裕樹著 現代書館 定価1800円+税               …

白崎一裕
8か月前
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ハーバード大学教授の名講義『なぜ科学を信頼する?』を出版したい!

#READYFOR #クラウドファンディング いつも大変お世話になっております。 那須里山舎の白崎一裕でございます。 以前、ヤニス・バルファキス著『世界牛魔人――米国、欧…

白崎一裕
8か月前

書評『政治はケンカだ!明石市長の12年』泉房穂・鮫島浩著 講談社

この書評は、とちぎボランティアネットワーク機関誌「SDGs 通信」の市民文庫欄のものですが、発売前の事前公開です。 ーーーーーーーーーーー 『政治はケンカだ!明石市…

白崎一裕
11か月前
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書評 『世界牛魔人 グローバル・ミノタウロスーー米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』 ヤニス・バルファキス著 早川健治訳…

以下の書評は、とちぎボランティアネットワーク機関紙「とちコミSDGs通信249号」の「市民文庫」に執筆したものである。 ================ 『世界牛魔人 …

白崎一裕
2年前
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「とちコミSDGs通信VOL247」市民文庫・書評『99%のための経済学――コービンが率いた英国労働党の戦略』 ジョン・マクド…

栃木県のNPO・ボランティア団体の総元締めともいえるNPOとちぎボランティアネットワークの機関紙「とちコミSDGs通信VOL247」の市民文庫欄で、取り上げさせていただきま…

白崎一裕
3年前
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市民文庫・書評『危険社会~~新しい近代への道』ウルリヒ・ベック著 東廉、伊藤美登里訳 「ボランティア情報VOL190 2012年3…

『危険社会~~新しい近代への道』ウルリヒ・ベック著 東廉、伊藤美登里訳 定価(本体5000円+税) 評者 白崎一裕 この訳書のカバー解説にあるように、本書はチェ…

白崎一裕
3年前

「ボランティア情報2021年新年号、市民文庫書評・予告掲載」(とちぎボランティアネットワーク編)『ブルシット・ジョブークソど…

『ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論』デヴィッド・グレーバー著 酒井隆史、芳賀、森田訳 岩波書店 定価3700円+税 評者 白崎一裕 ずっと人間はなぜ働…

白崎一裕
3年前
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メモ「ジェネレーション・レフト宣言」斎藤幸平さん著 を読む

岩波の「世界」はめったに手にすることはないのだが、今回は、若手の論客、斎藤幸平さんの「ジェネレーション・レフト宣言」と酒井隆史さんのグレーバー追悼「そこで開かれ…

白崎一裕
3年前
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「SDGS通信」(とちぎボランティアネットワーク発行)市民文庫書評『魂にふれる——大震災と、生きている死者 【増補新版】』 若松英輔著 亜紀書房 

「SDGS通信」(とちぎボランティアネットワーク発行)市民文庫書評『魂にふれる——大震災と、生きている死者 【増補新版】』 若松英輔著 亜紀書房 

以下の書評は、「SDGs通信」発行前の事前公開です。
ーーーーーーーーー
『魂にふれる——大震災と、生きている死者 【増補新版】』 
若松英輔著 亜紀書房 
定価 1870円

評者 白崎一裕(那須里山舎)

ーー  死者 たち は、「 課題」 を

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愛媛県 松山地裁補助参加人発言(白崎)なぜ、私は、扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか?意見陳述書栃木県大田原市在住 白崎一裕

愛媛県 松山地裁補助参加人発言(白崎)なぜ、私は、扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか?意見陳述書栃木県大田原市在住 白崎一裕

以下の文書は、教科書裁判先輩格のえひめ教科書裁判の口頭弁論において松山地裁にて陳述説明したものである。これも2008年だが、現在でも参考になると考え、ここに再録する。

なぜ、私は、扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか?
意見陳述書
栃木県大田原市在住 白崎一裕

なぜ、私は、「扶桑社版・歴史・公民教科書採択に反対するのか?」その理由について述べたい。
もちろん、その教科書の内容について問

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教育への権利 (とちぎ教科書裁判宇都宮地裁における準備書面から)

教育への権利 (とちぎ教科書裁判宇都宮地裁における準備書面から)

以下の準備書面(一部)は、「とちぎ教科書裁判」本人訴訟原告 白崎一裕が作成した。2008年だから以前の文書だが、「教育の自治」ということを説明しているので現在でも参考にしていただけると思い、ここに記録いたします。

平成18年(行ウ)第11号
扶桑社版歴史及び公民教科書採択違法確認等請求事件
原告 田上 中 他93名
被告 大田原市他6名

準備書面( )

(中略) 

(注)この準備書面は原告

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月刊ボランティア情報2011年6月号・市民文庫書評『経済復興~~大震災から立ち上がる』岩田規久男著

月刊ボランティア情報2011年6月号・市民文庫書評『経済復興~~大震災から立ち上がる』岩田規久男著

『経済復興~~大震災から立ち上がる』岩田規久男著 筑摩書房 定価1200円+税

                           評者 白崎一裕

本書のウリは、ずばり「国債の日銀直接引き受け」を震災復興の財源に!ということだ。
これをアカデミズムの経済学者が緊急提言している。

震災復興には、被災地の当事者の立場にたったときに、様々な「もの・こと・ひと」が必要なことは言うまでもない。そして

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「月刊ボランティア情報」11月号 市民文庫書評 『1億3000万人の自然エネルギー』飯田哲也著 2011年

「月刊ボランティア情報」11月号 市民文庫書評 『1億3000万人の自然エネルギー』飯田哲也著 2011年

『1億3000万人の自然エネルギー』飯田哲也著 講談社 本体1200円(税別)

                           評者 白崎一裕

本書は、福島第一原発事故を受けて、いま、まさに話題の中心のひとつ「自然エネルギー」についてその本質をとてもわかりやすくビジュアルに、そして、具体的資料をあげて解説した入門書の決定版といえる。著者は、飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所長)だ。長

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月刊ボランティア情報、市民文庫・書評『自然法』ダントレーヴ 著 久保正幡訳 岩波書店 2014年

月刊ボランティア情報、市民文庫・書評『自然法』ダントレーヴ 著 久保正幡訳 岩波書店 2014年

『自然法』A.P. ダントレーヴ 著 久保正幡訳 岩波書店 定価(本体2400円+税)

                          評者 白崎一裕

現在の安倍政権は、様々な掟破りをおこなっている印象がある。そのなかでも特に際立ったのが集団的自衛権の閣議決定だ。集団的自衛権を認めるにせよ認めないにせよ、憲法解釈を行政権の一部である内閣がおこなうということには重大な問題がある。憲法解釈の権

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『悲しみとともにどう生きるか』入江杏編著 書評<「SDGS通信「市民文庫」2023年2月号所収>

『悲しみとともにどう生きるか』入江杏編著 書評<「SDGS通信「市民文庫」2023年2月号所収>

『悲しみとともにどう生きるか』入江杏編著 柳田邦男、若松英輔、星野智幸、東畑開人、平野啓一郎、島薗進著     集英社新書 
                    990円+税
                    評者 白崎一裕(那須里山舎)

評者は、コロナ禍のこの3年の間、喪失と悲嘆そして苦痛の経験を繰り返している。還暦越えのこの年齢になってなぜこんなに自分に苦難がふりかかってくるのか

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書評『自分ごとの政治学』中島岳志著(とちぎVネット「SDGs通信・市民文庫」発行前原稿)

書評『自分ごとの政治学』中島岳志著(とちぎVネット「SDGs通信・市民文庫」発行前原稿)

『自分ごとの政治学』中島岳志著 NHK出版 定価737円

評者 白崎一裕(那須里山舎)※上記画像は、NHK出版さんのX(ツイッター)ページより引用画像です

もうはるか昔、10代のころ自分が将来「なりたくない」仕事が三つあった。それは、教師・会社の社長・政治家だった。もともと人づきあいが苦手で、誰とも会わないで暮らすことのできる深山の出家した僧侶になるのが、一番自分に向いていると思っていた。しか

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「SDGS通信 市民文庫書評」『凛として灯る』荒井裕樹著

「SDGS通信 市民文庫書評」『凛として灯る』荒井裕樹著

米津さんの評伝『凛として灯る』の書評を以前書かせていただいた。

ーーーーー

『凛として灯る』荒井裕樹著 現代書館 定価1800円+税
                    評者 白崎一裕(那須里山舎)

本書は、障害者文化論と文学研究者の荒井さんが書いた米津知子さんの評伝である。米津さんを辞書的に紹介するなら「ウーマンリブ運動と障害者運動の当事者活動家」とでも書くところか。それを2020年代

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ハーバード大学教授の名講義『なぜ科学を信頼する?』を出版したい!

ハーバード大学教授の名講義『なぜ科学を信頼する?』を出版したい!

#READYFOR #クラウドファンディング

いつも大変お世話になっております。

那須里山舎の白崎一裕でございます。

以前、ヤニス・バルファキス著『世界牛魔人――米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』の翻訳出版をクラウドファンディング(READYFORさんにて)ご支援をいただきました。

▼ 今回、ふたたび新刊刊行のためのクラウドファンディングを実施いたします。その予告ご連絡です。

▼ 新刊

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書評『政治はケンカだ!明石市長の12年』泉房穂・鮫島浩著 講談社

書評『政治はケンカだ!明石市長の12年』泉房穂・鮫島浩著 講談社

この書評は、とちぎボランティアネットワーク機関誌「SDGs
通信」の市民文庫欄のものですが、発売前の事前公開です。
ーーーーーーーーーーー

『政治はケンカだ!明石市長の12年』泉房穂・鮫島浩著 講談社
1800円+税
評者 白崎一裕(那須里山舎)

「誰ひとり見捨てない」のスローガンのもと、独自の子育て・福祉行政などで全国から注目された反面、暴言など強い批判にもさらされたトンガッタ市長だった泉

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書評 『世界牛魔人 グローバル・ミノタウロスーー米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』
ヤニス・バルファキス著 早川健治訳 那須里山舎

書評 『世界牛魔人 グローバル・ミノタウロスーー米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』 ヤニス・バルファキス著 早川健治訳 那須里山舎

以下の書評は、とちぎボランティアネットワーク機関紙「とちコミSDGs通信249号」の「市民文庫」に執筆したものである。
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『世界牛魔人 グローバル・ミノタウロスーー米国、欧州、そして世界経済のゆくえ』
ヤニス・バルファキス著 早川健治訳 那須里山舎 2400円+税

評者 白崎一裕(那須里山舎)

本書も、私の那須里山舎の新刊で恐縮だが、現在の混とんとした世の中を読

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「とちコミSDGs通信VOL247」市民文庫・書評『99%のための経済学――コービンが率いた英国労働党の戦略』
ジョン・マクドネル編 朴勝俊、山崎一郎、加志村拓、長谷川羽衣子、大石あきこ訳

「とちコミSDGs通信VOL247」市民文庫・書評『99%のための経済学――コービンが率いた英国労働党の戦略』 ジョン・マクドネル編 朴勝俊、山崎一郎、加志村拓、長谷川羽衣子、大石あきこ訳

栃木県のNPO・ボランティア団体の総元締めともいえるNPOとちぎボランティアネットワークの機関紙「とちコミSDGs通信VOL247」の市民文庫欄で、取り上げさせていただきました。
~~~~~~~~~~~~~~
『99%のための経済学――コービンが率いた英国労働党の戦略』
ジョン・マクドネル編 朴勝俊、山崎一郎、加志村拓、長谷川羽衣子、大石あきこ訳
堀之内出版 定価3500円+税

評者 白崎一裕(

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市民文庫・書評『危険社会~~新しい近代への道』ウルリヒ・ベック著 東廉、伊藤美登里訳 「ボランティア情報VOL190 2012年3月号」(とちぎボランティアネットワーク編)所収

市民文庫・書評『危険社会~~新しい近代への道』ウルリヒ・ベック著 東廉、伊藤美登里訳 「ボランティア情報VOL190 2012年3月号」(とちぎボランティアネットワーク編)所収

『危険社会~~新しい近代への道』ウルリヒ・ベック著 東廉、伊藤美登里訳
定価(本体5000円+税)

評者 白崎一裕

この訳書のカバー解説にあるように、本書はチェルノブイリ原発事故がおきた1986年にドイツで刊行された。未曾有の原発事故の衝撃をうけたことに対する思想的応答の書として、難解な専門書にもかかわらず大ベストセラーとなったものである。

「危険社会」とは何か?危険という言葉は、ドイツ語で

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「ボランティア情報2021年新年号、市民文庫書評・予告掲載」(とちぎボランティアネットワーク編)『ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論』デヴィッド・グレーバー著 酒井隆史、芳賀、森田訳 岩波書店

『ブルシット・ジョブークソどうでもいい仕事の理論』デヴィッド・グレーバー著
酒井隆史、芳賀、森田訳 岩波書店 定価3700円+税

評者 白崎一裕

ずっと人間はなぜ働くのかと考えてきた。「食うために働くのさ、余計なことは考えるな」と父親は言った。思春期の評者は「確かにそうかもしれない。でも、食うためなら何でもしなきゃいけないのか」と反論したくなった。それが原点だった。その原点から、ずいぶん遠くま

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メモ「ジェネレーション・レフト宣言」斎藤幸平さん著 を読む

メモ「ジェネレーション・レフト宣言」斎藤幸平さん著 を読む

岩波の「世界」はめったに手にすることはないのだが、今回は、若手の論客、斎藤幸平さんの「ジェネレーション・レフト宣言」と酒井隆史さんのグレーバー追悼「そこで開かれた諸可能性は、二度と閉じられることはない」という二つのエッセイにひかれて読んでみた。そこで、あらためて、感じたのは「ポスト資本主義」を若い世代(私の子ども世代)は感覚的に求めていることと、これまでの、議会民主制への限界から、議会外への「運動

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