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コーヒー自家焙煎のススメ (2) ドリップのしかた・水出しからネルドリップまで

コーヒーの淹れかたについて。

コーヒーってかおりの力ってつよい。

ぼくはまずかおりで楽しむタイプ。においフェチ。


さいきんのインスタントコーヒー、おいしい。

このまえのんだ缶コーヒーも、あまりのコーヒーっぷりにビックリした。

缶コーヒーは缶コーヒーの味でおいしい。

だからコーヒーの味を追求する必要はない。

それが自論だった。

でもメーカーさん、すごい。

缶コーヒーの味、むかしとくらべると激変した。

ほんと、おいしい。

のみたい、っておもったらすぐのめる。


でもぼくはやっぱりかおりが好きなので。

挽きたてのコーヒー粉にお湯をさしたあの瞬間がたまらない。

ということで、今回はコーヒーのドリップのしかたについてのはなし。

さきにいっちゃうと、ステンレスのフィルターをつかうことがいちばん多いです。

水出し

むかし職場の先輩からコーヒーについては熱く語るひとがいた。

ふだんはヘラヘラしてて、たよりなさそうなひとだった。

でも彼とふたりのとき、雑貨屋でコーヒーミル買ったんですよ、ってぼく。

その先輩は「おおそうなの、ぼくもコーヒー好きでさ」、と話が盛り上がり、いろいろ教えてもらった。

そのなかで覚えているのは、「やっぱり水出しだよ、うえくさくん」と何度も言ってたこと。

その先輩によると、水出しコーヒーがいちばんクリアな味でコーヒーをたのしめる。

彼はかたくそう信じていた。

そうなのか、とおもいさっそくハリオの水出し用のポットを買って試してみた。

コーヒー粉をちょっと多めに入れて、一晩寝かした水出しコーヒー。

おいしい。

たしかに味がすきとおっている。

雑味がかんじない。

ごくごくのみたくなる。

でも、ぼくにはちょっとものたりない。なんだろう。

そう、あのかおりだ。

水出しコーヒーにももちろん上品な香りをたのしめる。

でも、ぼくはお湯でコーヒーを淹れるときの、あの部屋中にひろがる香りが好きなんだ。

このとき、はじめて気づいた。

あのお湯をさしたときの、コーヒーのかおりはなにものにもかえがたい。


それからまたドリップでコーヒーを淹れるようになった。

ペーパードリップ

ペーパーでコーヒーの油分がこされるから、キリッとした味がたのしめる。

味でいえばいちばん好きかもしれない。

のみやすい。

それに手軽。

ドリップをおえたらそのままフィルターをポイ。

便利。


でも、このポイがだ。

なんかダメだ。

ポイ捨て厳禁なこの世のなかで、一杯のコーヒーのために使い捨てするなんて。

おいしいコーヒーをいれてたのしい気分。

それに水をさされる気分。いやお湯。

どうしてもこころに抵抗がうまれる。

たぶんつくっているメーカーも環境のことはじゅうぶん配慮しているだろう。

成長のはやい木を原料にしているはず。

念のためアマゾンで原料を調べてみた。

材質、針葉樹、バージンパルプ。

針葉樹 バージンパルプ 環境とかエコで検索。

ダメだ、それっぽい情報がでてこない。

これもいやだ。

知りたい情報になかなかたどりつけない。

この商品は環境に負荷かけてないのか。

消費者が安心できるよう、目の届くところに説明を載せてほしい。

でも、多くにおいてたらい回しにされる。

エコ商品をうたっている商品だって、その根拠となるデータがなかなか見つからないことも多々ある。

都合のいいことは、目の届きやすいところに。

都合のわるいことは、手の届きづらいところに。

これ、いまの社会の原則。

たとえばスマホ回線のプランとかキャンペーン、わかりづらすぎ。これも、都合のわるいことがプランに盛られてる。ぜったい。

いや、ペーパーはちょっと不器用なだけで、じつはちゃんとエコしてるのかもしれない。

でも、消費者としてこういうの、悶々と考えるだけでも、なんか浪費。

だから、やっぱりペーパードリップには、抵抗がある。

それで、ステンレスフィルターを買った。


ステンレスフィルター

わが家の定番、コーヒーをたのしむための右腕的存在。

こっまかいステンレスの網でコーヒーをこす。

このフィルターの最大の売りは、コーヒーの油分をそのまま抽出できること。

だからこっくりとコクのあるコーヒーがたのしめる。

この味、けっこう好き。

はじめてのんだときは、その独特な味がおもしろかった。

わるくいうと、雑味が口にのこる。

のんだあと、舌のうえにザラザラ感がのこる。

コーヒー豆のこまかなかすもいっしょに抽出されるから。

なかなかワイルドな味。


マレーシアとか、東南アジアのほうにいくと、コーヒーのつくりかたも、雑。

鍋にコーヒーの粉いれてぐつぐつ煮込むような。

チャイみたいな感覚。

それで、練乳とかいれちゃう。ダボっと。

あんまい。

日本のコーヒー愛好者の200ccのお湯に豆20g、とか測りながらいうひとからみたら相当いいかげんなコーヒー。

でもそんなアジアンコーヒー も、うまいんだよね。

煮出しコーヒー。

なんかほんとは、こんなざっぱなかんじでいいのかも。

気取ってコーヒー飲まなくてもいい。

まあでも、そんなに一度にいっぱい飲まないし、コップいっぱいでいいし。

だからステンレスフィルター。いい。

見た目はスタイリッシュだけど、味はちょいワイルド。

アジアンな味もたのしめる。

デメリットとしては、つまること。

だんだん、出がわるくなる。

これはネルドリップもいっしょ。

ステンレスフィルターを毎日つかっていたら、ほんとチョロチョロとしか抽出されなくなった。

もうダメかな、やっぱりこれも使い捨てか、なんておもってた。

いろいろ試した結果、台所用洗剤すこし、重曹を角砂糖1個分くらい、お酢(重曹にかけて泡のちからでつまりをとる)、そして熱湯でつけ置きすると、症状が改善することがわかった。

それでも、ドリップする時間はおそい。

そのぶん、濃いめのおいしいコーヒーがのめる。

気長にスローライフ気分をお味わうならステンレスフィルター。

ペーパーのゴミもでない。

精神衛生上にもいい。


ネルドリップ

なんだかネルだけの味がたのしめる。

ネル、フィルター自体はやすいよ。数百円。

ふつうにつかっていれば、1年くらいはもつ。

最初に煮沸してネルについたのりをおとして。

あとは基本水につけて冷蔵庫に保管していればいい。

つかうときは水道水で軽くもみ洗い。

使いおわったら水道水でもみ洗いして、水をはったタッパーにいれて冷蔵庫に保管。

ネルは毎日水を交換しないとにおいがつくっていわれてるけど。

ぼくの場合あんまり気にしない。

3日くらいふつうにそのまんまにしてる。

ネルドリップのコーヒーは、こう、とろっとしたコーヒーがたのしめる。

芳醇、ってかんじ。

ペーパーにもステンレスにもできない、このあじ。

ネルを水洗いしてホルダーにセットしてと、ひと手間かかることもあって、ぜいたくな気分を演出してくれる。

ネルだけの特別感がある。

それを味わいたいがために、冷蔵庫にネルをおいてる。

まとめ


コーヒーて、たとえばじぶんで焙煎からはじめたとして。

豆の鮮度、焙煎の深さ、豆の挽きかた、そしてコーヒーの淹れかたと。

それぞれのポイントで、味がかわる。

めっちゃ奥がふかい。

季節や室温、湿度の変化も影響するだろうし。

だから、スローコーヒーのちょっとすごいコーヒー豆とか。

猿田彦珈琲のブレンドとか。

あ、あの味ね、っていうふうに通年ある程度、味のあたりをつけるってすごい。

さすがプロのしごと。

池袋の猿田彦珈琲のホット、ほんと美味しかった。


でもね、手焙煎もいいですよ。

煎りたてって、最強。

たぶん、よっぽどのお店行かないと、煎りたてって飲めないでしょ。

いやいやエージング必要だってって、おもうかも。

キッチンで200g程度の手焙煎なら問題ない。

炭酸ガスの苦味とか、全然ないない。

それにね、じつはコーヒーは生鮮食品。

できるだけ焙煎後、1週間で飲むのがいい。

焙煎後、時間がたった豆は酸っぱい。それは酸化してる味。


手焙煎だと素人だからの、偶然の味をたのしめる。

その日だけの味。一期一会。

それがまた趣があっていい。

ぼくはあれもこれも気分でかえてコーヒーをたのしんでます。

べつにあれもこれもやる必要はない。全然ない。

でも、あったらあったで、選択肢がふえて、であえる偶然がふえる気がする。

だから、もし面倒じゃなかったら、そんなに高いものじゃないし、おひとつ道具や豆をふやしてもいいかも。

なにかひとつ、あたらしいことをすれば、絶対なにかあたらしい発見があるから。



きょうの逸品

うちでつかっているポッド。

コストコで烏龍茶の茶葉のおまけでついていたもの。

コーヒー。日本茶。紅茶。なんでも。

夏場はホットで淹れるのとは別にアイスをつくっておくと便利。


ぼくがつかっているステンレスのフィルター。

もう2年以上、これ。

ゆっくり気長にドリップしたいときに。


いつもつかってるネル。

三枚はいっていて、これで一年以上はもつ。




前回の、コーヒー自家焙煎のススメ (1)はこちら。


さいきん、またネルドリップはじめました、の記事。



うちの子ノエルにちゅ〜るをあげます。