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短歌

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短歌をまとめました。
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蝶々が目に身に耳にしみる春ジオラマの町眺めて眠る

箱の中広がる日々で紡ぐ夢隠れたかけらB5に切り取る

躓いた先にあるのが線路ならふくらむ希望は言葉にするだけ

不幸食み舌でとろける快感で転がるハイネベッドで踊る

歪ませた弦と叫びが反響し傘からたれる氷雨を見つめ

ガラス玉飲みこみ溶かし陽を奪いしたたる果汁舐めとり笑う

野良猫とあの子に面識は一切ないけれど、実はどちらもナンバーガールが好きだったりする

「東京」という連作短歌を三部作に分けて投稿した。この連作は物語形式になっていたのだけれど、主人公にはあまり救いのないエンディングを迎えさせてしまった。昨日三作目を投稿した際、コメント欄にテラダスオウさんがこの連作に対して素敵な短歌を送ってくださった。

明けがたのセットリストを編集すあのこも野良も陽にあいされる

上記がその短歌なのだけれど、この短歌のおかげでどうしようもないどん底にいた主人公

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連作短歌「東京」3

憂鬱と惰気と借銭つもってく池を眺めても何も生まれぬ

舌を食み気まずさごまかし火をつける煙にかすむ本心探り

偽りの劇に酔いしれ目をそらすふいに襲うは真実の味

ひもほどき起死回生の一手打つほどなく崩壊チラつく自害

かさんでくそれでも君はなぜ優しいそろそろ腹を切ろうかしら

出生が五十年ほど早ければ馬鹿を言うなよそれでも同じ

つもってく吸い殻借銭不信感金の切れ目で男は自滅

崩れ出す希望の展望

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鼻ぬける澄んだ黄色はみずみずしく広がる果汁火薬の香り

春食って蝕む毒もなんのその刹那をはらむ風鼻をつく

連作短歌「東京」2

隅田川上がる花火とぬるい声したたる甘みほおばる二人

秋の香たらふく飲んだ車両内満月眺める二人の世界

駅前で無数の光まとう木々ハチミツ香るはんぶんこ

歴史的意気込み出すも凡庸で非力さ呪い泥すう捨て猫

ごまかした笑顔の奥の焦燥を見て見ぬ振りして狂喜乱舞

夜桜に照らされ振り向く君と朝失うまいとシャッターをきる

もうよせや言い聞かせるもあと少し気づけば空は始まり告げて

傘をうつ雨音鈍く思い出す流れる赤と幸福の展望