はじまりの日(9)
「なっちゃんのご両親も同意してくださったの?本当に、なっちゃんはそれで後悔しない?」
ベッドに背を預けて座る佳寿美は困ったような、驚いたような顔を菜月に向けている。
「はい、両親にはなんとか理解してもらえました。時間がかかりましたけど。紗都美のことはうちの両親もよく知っていますし、結婚する気配のない娘ですから、孫のような匠くんのことは本当に可愛いと言ってました」
「でも匠は愛由美の子よ。紗都美の子じゃない。なっちゃんからしたら他人も他人じゃない」
「それでも、匠くんが傍にいて