おれのほそ道(上)
序 「月日は百代の過客にして、行き交ふ年もまた旅人なり、うんぬん…」を実感できるほど齢を重ねたわけでもないが、先日、このワタシも三十歳になった。三十歳、果たして、十年前、二十歳のワタシが、三十歳になった今の自分の姿を想像できていただろうか。もちろん「ノー」である。それはちょうど、十歳になったばかりのワタシが想像していた二十歳のワタシと、二十歳のときの実際のワタシが、大きくかけ離れていた、ように。あるいは、こうも言えるかもしれない。「今日から百日後の晩ごはんの献立を予測できるか