【炎の刻印】第23~24話(完)
ⅩⅩⅢ「月食―DOOM―」
「願えば必ず応えてくださる。まさに私にとっての神だ」
かつて、オクタビアはメンドーサにそっと触れようとし、拒まれたことがあった。彼はオクタビア自身を嫌っていたわけではなく、おそらく人間との触れ合い自体を拒絶していただけなのだが、そのことはオクタビアの心にはしこりになって残っていたのだろう。いま、ヘルマンが残していったメンドーサの片腕を、オクタビアはなんとも愛おしげに拾い上げ、頬ずりし、口づけし、しまいには自らの肉体へ取り込んでしまう。ずっとずっ