深夜2時、恋はミルフィーユ 背伸びして

私の好きな人は
私の嫌いな人でもあるんだと
なぜか腑に落ちてしまった
深夜2時


甘いカスタードクリームのにおいに誘われて



好きだけど、魔法が解けたら多分もう嫌い。

好きだけど、夢から醒めたら多分もう遅い。


何層にも重なったあなたの大好きなところが
少し不安になったぐらいで
崩れることはないと思っていたんだけど


好きだから、好きなままで、
尊敬しているあなたのままで 
どうかいてほしいと。

恋はミルフィーユみたい
背伸びして可愛いねって
思い出が重なって 


私の好きな人は
私の嫌いな人でもあるんだと
なぜか腑に落ちてしまった
真実は どっち



だってさ
ただ繋ぎ止めているだけの
ただ隠し事が上手いだけの
ただ核心に触れないだけの
どうしようもなく狡くて尊敬できない人間と
同一人物なはずがないんだから。


そんな人を好きになるはずがない
もっと見る目があるはずでしょう?


冗談だって
皮肉だって 

この性格がいけないんだって
わかってるよ



それともやっぱり私のせい?
あの人の素敵な部分を奪ってしまったのは
むしろ

まあそれも
自惚れ甚だしいか。



何層にも重なった、認めたくないただの事実
年月の重さ
楽しいだけの思い出


深夜3時、
崩れたミルフィーユに手を伸ばして



少しはあったほうが良かったのかもね
お互いの記憶の中に
人生のほろにがさとか
思い通りにならない毎日への
覚悟みたいなものがさ


歩きたかったな
一緒に まっすぐじゃない道でも


食べたかったな
一緒に 豪華なディナーじゃなくてさ

あのインフルエンサーと
同じミルフィーユじゃ
なくて良かったんだよ


私がほしいのは、
「        」



どうか巻き戻して
どうか好きなままで。

狡いのは自分なんだと言い聞かせて。

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