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構造化思考と社会課題解決

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事業計画を立案し実行、目標達成すると同時に考えるべき持続可能性について構造化を切り口に考えてみます。
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記事一覧

経済合理性の外も課題を事業に引き入れるパタンランゲージ

経済合理性の外も課題を事業に引き入れるパタンランゲージ

私はかれこれ10年以上、毎月無料の勉強会を主宰しています。始めた当初は原理原則系のマーケティング理論を紐解いておりましたが、時代の変化と共に少しずつ内容もブラッシュアップして、現在はCSVモデル、社会課題解決型ビジネスの構造化を実践する会として運営しています。
元々、独立思考を持っている社員の大工たちの独立支援、アントレプレナーシップの共有だったことから「職人事業塾」との名称で始めましたが、今では

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計画を遂行するためのもう一つの計画とインサイト

計画を遂行するためのもう一つの計画とインサイト

最近、計画の策定に立ち会うことが少なからずあります。起業して三十年近くなったら、多くの失敗を繰り返しているだけに、計画の筋の良し悪しが見えるようになったのもありますが、自分自身の試行錯誤だけでなく、アクションプラン(行動計画)の立案と実行を中心にした実践型の研修事業を長年行ってきて、圧倒的な人数の計画未達を傍で見てきた経験があります。その中で、計画は成果に結びつかないことの方が多いとの不都合な真実

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独創性とは、起源に戻ることである。〜ガウディとサグラダファミリア展〜

独創性とは、起源に戻ることである。〜ガウディとサグラダファミリア展〜

1926年6月7日はガウディが縁石につまづき路面電車に轢かれて亡くなった日。それからもうすぐ100年が経とうとする今、未完の大建築と言われたサグラダファミリアがいよいよ完成が近づいています。完成予定は2026年との事なので、ガウディが亡くなってからちょうど100年の年月をかけて竣工を迎える予定です。建築を志した者なら誰しも、生涯を賭して完成を見ることなく死ぬのを分かった上で、いつ出来上がるか分から

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持続可能性は構造の美しさに由来する 在り方大学day4

持続可能性は構造の美しさに由来する 在り方大学day4

先行き不透明、不安定で複雑、曖昧な今の時代、未来を予測することさえ諦めてしまいそうになるほど時代の変化は激しく、やもすれば思考停止に陥ってしまいそうになります。そんな混迷を深める時代を生き抜き、事業所としての責任を果たすにはアグレッシブにインプットを行い、高速でアウトプットを重ねるしかないと思っています。改めて生涯に渡り学び続ける必要をひしひしと感じて、私は既に50代も半ばを過ぎておりますが、足繁

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論理的思考が出来ない大人達

論理的思考が出来ない大人達

この4月に職人育成の学校、マイスター高等学院を開校させた私は、50代半ばにして初めての教育業界デビューを果たしました。これまでは全く畑違いの業界を歩んできたこともあり、様々な教育関係者の方々に情報提供や学ぶ機会をいただいています。毎週水曜日には、経営実践研究会の教育課題解決委員会のミーティングがあり、そこでは教育事業に携わる方々と教育にまつわる様々な課題や問題点を共有しながら交流しています。今週は

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志の醸成と事業構造の成立の親密な関係性

志の醸成と事業構造の成立の親密な関係性

32歳で起業した私の創業の志は「職人の地位向上」でした。それから20年以上の年月が過ぎましたが、今も基本的な想いは全く変わらず、志に向き合って事業を続けています。ただ、学なし金なしコネなしだった時から比べると年月を経た分、それなりの変化もあり、想いが少しずつ形になってきました。志を掲げ、それに根気よく向き合っているとそれが徐々に形になる(構造化されて行く)のだと最近、感じることが多く、一見、金儲け

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死生観と俯瞰から考える在り方の構造

死生観と俯瞰から考える在り方の構造

先日、在り方大学なる経営者向けの学びの場に足を運びました。経済性と社会性を両立させつつ卓越した業績を上げられている先輩経営者に在り方を説いて頂いて改めて重要性を強く感じたのは「死生観と俯瞰」でした。
その際のまとめは以前に書いてます。

学びを仕組みに落とし込むこの度の研修は死生観と俯瞰は深く関連していると改めて感じる機会になりました。学びは自分の中に取り入れて咀嚼して、行動・実践に結びつけてなん

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構造とディティール、在り方とやり方

構造とディティール、在り方とやり方

私は元大工の経営者です。最近、自分の一番の特徴は(元大工だけに)構造がわかる事だと気がつきました。同時に、構造が分かってない、もしくはその存在に気がついて無い人が多いなー、と言うことも感じており、問題や課題の相談を受ける度に「それって構造の問題だよねー」と根本的な部分に光を当てることをオススメしています。

パタンランゲージ元大工だけに構造が分かるって書くと、建築的な分野の能力に聞こえるかも知れま

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職人不足を解決する令和モデル

職人不足を解決する令和モデル

ここ最近、毎週の様に建築関係の事業者向けの講演が続いています。地域に関係なく、集まられた方々は同じ問題意識を持たれており、その解決策として語る私の提言に大いに共感頂いています。問題とは激減を続け、絶滅危惧種並みと言われる職人不足で、解決策とはビジネスモデルの転換です。誰もが薄々気づいているところを詳らかにし、勇気を持って実践に踏み込みませんか?と呼びかけています。

明らかに景色が変わった最近、講

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パターンランゲージの光と闇

パターンランゲージの光と闇

日本式製造業の成果パターンとして広く知られることになったPDCAのフレームワークは今ではすっかり一般的に知られるようになり、まるで計画、行動、検証、改善をくるくると回すことが当たり前のように囁かれるようになりました。しかし、注意深くその実際を見つめる人はPDCAが機能しないことに気づき始めているのではないでしょうか。今年初めての「継塾」では脱PDCA、SECIモデルを使った計画立案の勉強会を行いま

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レイヤー思考が未来を創る

レイヤー思考が未来を創る

現在、私は大阪で第19期職人起業塾の研修を行っています。職人や施工管理、設計士など現場実務に関わる若者を集め、現場での価値創造を通して事業所の自律循環型事業モデルへのシフトを促すこの6カ月間15回の長きにわたる研修も先週12回目を終え、いよいよ大詰めになってきました。

現場実務者向けの研修の目的研修の目的は現場実務者達が自分たちが持っているまた活用できていない才能を開花させ、新たな価値創造を叶え

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構造化はぼんやりしたイメージを明瞭、明確にする事から 〜アクティブブレインセミナーを推す理由〜

構造化はぼんやりしたイメージを明瞭、明確にする事から 〜アクティブブレインセミナーを推す理由〜

現在、大阪で開催している第19期職人起業塾で、カリキュラムに組み込んでいるアクティブ・ブレインセミナーを開催しました。同セミナーは一般的に記憶術と呼ばれている脳の使い方の技法ではありますが、単に記憶力を良くするだけのものでは決してありません。その効果は絶大で、私が研修のメインテーマというか、中心的な概念に据えている「タレンティズム」=(才能主義)を塾生に理解してもらい、自分には無限の可能性が秘めら

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持続可能性は計画・実行と構造化のシンプルな組み合わせ④〜計画の構造〜

持続可能性は計画・実行と構造化のシンプルな組み合わせ④〜計画の構造〜

一般社団法人職人起業塾で建築業界の現場実務者向けに研修事業を行っている私は、全国に散らばる卒塾生のフォローアップを兼ねて毎月、本業である株式会社四方継の本社ショールームで無料の勉強会をオンライン併用で開催しています。今回、101回目となる2022年一発目の勉強会では事業における「計画立案」と言うテーマで計画と実行の構造化について伝え、1年間の短期計画と、あるべき未来の姿をイメージ(ビジョン)した中

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purposeから始めよう! #未来創造企業認定チャレンジ

purposeから始めよう! #未来創造企業認定チャレンジ

私が代表を務めている株式会社四方継では5年後の事業承継に向けて、現在様々な取り組みを進めています。その中心は大工と設計のスタッフが集まったリーダーシップチームのメンバーに対してまず事業の実務の根幹である「作る:product」「売る:marketing」「回す:management」の権限とスキルの委譲です。同時にとても重要視しているのは創業経営者である私が培ってきた見えざる強み、暗黙知の見える化

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