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発酵食品がなぜ現代の食生活に必要なのか?【心と体の健康のための発酵生活】

令和の時代のこころとからだの健康維持のために、日々、発酵生活を送ってみませんか?

今回のnoteでは、発酵食品がなぜ現代の食生活に必要なのか、ということについて述べていきたいと思います。

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近頃はマインドフルネスに関する記事をnoteに投稿していますが、じつは私自身、心とからだの健康や幸福感の源には、毎日の食事・食べ物が深く関わっていると考え、数年前から、からだや腸、脳に良い食べ物について知るために、栄養学やアーユルヴェーダといった様々な本を読んだり、実際に自分で試したりしてみました。

ですが、食べ物や食事法に関して、医師や栄養士といった専門家の方々が、みなそれぞれ立場によって言っていることが違うことに困惑しつつ、紆余曲折を経て、どんな食べ物であれ、100パーセント体に良い物として語ることは、食べる本人の(好き・嫌いという)嗜好や、食べ物が消費者のもとに届くまでの工程なども関わってくるということもあり、非常に難しいということに気づきました。


また、自分が好きで食べているものに対して、「からだに悪いから食べないほうがいい」と言われたら、つい「カチン」ときてしまうことから分かるように、食べ物や「食べる事の意味」は、それぞれ個人のメンタリティや、自分が生きてきた環境、文化なども関わってくるため、心とからだの健康のために何を食べたら良いのかという話題は、一概には言えないほど、じつは大変ナイーブな問題をはらんでいるような気がします。


発酵生活が現代社会に必要なわけとは?

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しかし、誰にとってもからだに良い食べ物について述べることは出来ないし、そのような万能薬のような食べ物はそもそも無いとしても、現代社会の食生活の問題点としては、まず、加工食品に依存することだと考えられます。

すなわち、加工食品に依存することで、体に必要な栄養素が不足してしまうことと、食品添加物を体内に入れすぎてしまうことが問題だと思われるのです。


またストレスなどによって腸内環境が悪化し、消化力が低下することで、栄養素の吸収率が低下する、タンパク質や炭水化物を分解するのに胃腸に負担がかかる、といったことも挙げられます。

ところが、発酵食品であれば、微生物のちからによって、消化しにくい栄養素があらかじめ分解されていますし、また、発酵という過程を経ると、旨みが増すだけではなく、アミノ酸やビタミンなどの栄養価が高まることや、農薬などの毒性物質を解毒するというメリットもあるのです。

さらにカラダにとっての土壌は、栄養を吸収し、不要物を排泄する「腸」であると思われますが、微生物が多く含まれる発酵食品は、腸内環境を改善したり、腸内細菌のバランスを整えたりするのにも有効です。


腸の健康と、脳と心の関係とは?

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もし体の土台である<腸>の腸内環境が、腸内フローラのバランスが崩れることによって悪化してしまえば、大腸がんやアレルギー、肥満症、慢性炎症など、様々な病気や体の不調が発生するリスクが高まってしまいます。

さらに、腸は脳とつながっていますし、腸の健康は、心のありかたや日頃の気分とも関係してくるため、腸内環境がストレスで悪化したり、便秘が慢性的に続いたりすれば、元気がなくなり、気分が落ち込みやすくなってうつ気味になってしまうことは十分考えられます。


そのため、納豆や漬物やキムチ、味噌や黒酢、塩麹、甘酒など、自分が美味しいと思う発酵食品を毎日の食生活に採り入れることは、単に健康を維持していくだけではなく、栄養不足や消化不良による生活習慣病や現代病を予防していくうえでオススメなのです。


そもそも発酵とはなにか?

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そもそも日本人は古くから微生物を巧みに使いこなし、豊かな発酵文化を築いてきました。また、冷蔵庫がまだ無い時代には、腐敗を防ぎ、食料を長期的に保存するためにも、発酵の技術は利用されてきました。

さらに、世界中には、ヨーグルトやチーズはもちろんのこと、ザワークラウトやテンペなど、様々な発酵食が各国の伝統食として存在しています。

このような発酵食品が作られるためには、乳酸菌、酢酸菌、酵母菌、麹菌などの微生物の存在が欠かせませんが、ところで、そもそも「発酵」とは何でしょうか?


学術的には発酵とは、「微生物が有機物を嫌気的に分解してエネルギーを得る反応」だと定義されています。(参考 中島春紫『日本の伝統 発酵の科学』 講談社ブルーバックス』)

ちなみに「有機物」とは炭素を含む化合物のことで、「嫌気的」とは(微生物が)酸素を利用しないことを意味します。


また、農学博士の小泉武夫氏は『発酵』(中公新書)のなかで、

「細菌類、酵母類、糸状菌(カビ)類、藻菌類などの微生物そのものか、その酵素類が有機物または無機物に作用して、メタンやアルコール、有機酸のような有機化合物を生じたり、炭酸ガスや水素、アンモニア、硫化水素のような無機化合物を生じ、なおかつその現象が人類によって有益となること」

だと発酵を定義しています。


発酵食品をライフスタイルにとりいれることがおすすめである理由。

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以上ここまで、発酵食品がなぜ現代の食生活に必要なのか、ということについて述べてきました。

発酵食品をライフスタイルとして毎日の食生活に採り入れることがオススメである理由は、以下の通りです。


☆腸内環境を改善する。

☆栄養価が高い。

☆消化に良い。


また、発酵食品を摂ることのメリットとして、


◎発酵によって食べ物の旨みが増す。

◎発酵による酵素の作用によって消化効率がよくなる。

◎発酵という過程を経ることによってアミノ酸やビタミンなどの栄養価が高くなる。

といったことも挙げられます。


発酵生活とは自らが発酵という場に身を置くこと。

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日本の伝統文化を見直しつつ、発酵食によって腸内環境を整えるようにすることは、毎日の健康維持だけではなく、がんや肥満、うつやアトピー、認知症といった様々な病気や現代病の症状を予防するのに役立ってくれると思われます。

ですが、市販の発酵食品に関しては、菌が保存料によって殺菌されていたり、食品添加物が加えられたりしているというデメリットがあるため、手作りできるものに関しては、自分で作ってみることをオススメします。


このことに関して、普段からよく食べる納豆や味噌を自分で手作りするとなると大変ですが、塩麹や漬け物、乳酸キャベツなどは、自宅で意外と簡単に出来ますし、ヨーグルトメーカーを使えば、甘酒やヨーグルトも手軽に作れます。

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もちろん、毎日何を食べるかということに関しては、人それぞれ自由ですが、日々、発酵生活を送りながら、手作りの発酵食品を食べるようにしてみることは、忙しいあまり普段から毎日の食事を加工食品に依存し、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで出来合いのものを買って食べることが多い、という方ほど、これからの健康のために良い働きをしてくれるかもしれないのです。


すなわち、発酵生活とは、出来合いの発酵食品をただ食べるだけではなく、自ら発酵という場に身を置き、実践することなのです。


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「我々の体内に微生物を共生させることは生物学的な必須事項であり、発酵の技術はこの基本的な事項を実践する人類の文化なのだ。」

(Sandor Ellix Karz『発酵の技法 世界の発酵食品と発酵文化の探求』 水原文 訳)

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