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ターニアさん

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白い部屋

白い部屋

物件の続きです。

娘は夜な夜な散々騒いで迷った挙句、
「大学から1.5キロ、新築2階角部屋、7.5畳の1Kアパート」
に決めた。
「新築物件・・・」
フン!!!

とはいえ、東京といっても都心ではないので家賃も想像より安く、そこはホッとした。
騒ぎの間も決まってからも、手続きのための上京など、付き合わされたのは当然私で、娘の父親とはもう別れた後だったが子供の件に関しては連絡を取り合っており、事務

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詫びながら働いた

詫びながら働いた

元ブログからの記事・加筆して掲載します。

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仕事を辞めたのは伯母の大怪我がきっかけだった。

低空飛行ながらも、なんとか生きてこられたのは現在の夫や子供たちの存在があるからである。

働いていた日々。
体調が悪く、朝方救急外来に行き無理やり落ち着かせ仕事に行った。
癌の手術後、10日の入院を経て退院し、その4日後に出勤したり。
わたしは日給月給なの

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月刊誌

月刊誌

夫は家の前が海というところで育った。幼少期より海に親しみ、泳ぐ潜る釣る捌く食べるということをしてきた。

魚については物凄い見識知識がある。なんでも、幼少期は常に魚類図鑑を見ていたそうで、魚の名前だけでなく学名まで覚えている。

テレビなどで珍しい魚の名前を聴き、
「それは方言の呼び名、正しいのは○○だ」
と、たちどころに指摘するのである。

ボーっとしている私は
「ほう・・・」
と驚くばかりだが

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うつ病だった頃

うつ病だった頃

ヘラヘラとした記事ばかり上げているが、実はわたしは鬱病の経験者で、仕事も辞め服薬していた時期がある。
鬱という事は、家族は知らない。仲のいい友人にも詳しく話したことはない。

後付けの話で、当時のことはだれしもだれしも癌の前兆で体調を崩していたとしか認識していない。
鬱自体軽い方ではあったのかも知れない。
しかし全く生気を失くした。

ある日突然それはわたしを捕らえて、強い力でわたしの取り柄を奪っ

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ストリップ劇場

ストリップ劇場

元ブログより、2019年02月11日に書いた記事です。

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物々しいタイトルだが、タイトルだけで飛んできた人の期待は裏切ること必須。立ち去るがヨロシ。

で、ストリップ劇場。

最近になって知ったのだが、私が小さいころ住んでいた伯父伯母の家の川を挟んだ向こう側は、花街、色街だったそうな。料亭や待合がひしめいていたそうである。
待合と言っても私には何のことかわからぬ

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ちゑばあちゃんのこと

ちゑばあちゃんのこと

あほ話が続いたので、思い出など。元ブログより、2014年10月06日の記事。若干の補記を加えて載せます。
秋が来ると思い出す情景。もう訪ねることもなくなった場所ですが、グーグルマップで確認したところ、懐かしく変わらない様子がわかり、私の目に静かに温かいものが溢れ出したのです。

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日本昔話、はたまた、賢治の童話の世界といった情景が、ここらでは今も残ってい

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ある夫婦のこと

ある夫婦のこと

元ブログより 2019年06月27日の記事を若干加筆修正して載せます。「児童公園」は「紙芝居のおじさん」と同じ公園です。

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遠い昔のこと。

近くに児童公園があり、いつもそこに走って行っては遊んでいた。
ある時、同い年の子と知り合い、そこで会えばなんとなくくっついて遊ぶようになった。
リョウコちゃんといった。
気の強そうなしっかりした顔立ちの女

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桃の思い出 (2017年07月31日元ブログより転載)

桃の思い出 (2017年07月31日元ブログより転載)

昨日のこと。息子夫婦が福島で「桃狩り」をしてきて
「本当に美味しくて」
と嫁さんがコーフンぎみに言いながら、お土産に届けてくれた。果物も高くて、それは致し方ないが、なかなかの贅沢品となった昨今とてもありがたい。
福島の桃!!! 食べる前から美味しそう!!! 箱はずっしりと重い。だけど
「明後日くらいがいいって」
というお預けを喰っております(笑)。で、過去に別ブログに書いていた桃の思い出など、回顧

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青春の影

青春の影

元ブログ、2013年10月20日の記事を、若干の加筆修正をして載せます。
彼の命日です。

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彼と私は、小学校からの同級生。
頭がすごく良く、背が高く、明るい、友達思いのいい奴だ。
小5のある時、彼が入院した。
当時、私の母の体調が悪く、私は隣町の伯父伯母の元から小学校に通っていた。
帰り道。
いつものようにバスを降りて歩いていると、川を挟んだ病院の3階の窓から手を振る男の子が

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紙芝居のおじさん

紙芝居のおじさん

元ブログ、2015年08月19日の記事を、若干の加筆修正をして載せます。

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駄菓子屋はきっと探せばまだあると思うが、あっても行くことはないと思うこのごろ。でも、小さい子供の口にはとても美味しく夢のようなものばかりだった不思議。

ワタシが幼稚園くらいのとき、夕方になると紙芝居のおじさんが近くの児童公園に来た。

おじさんは紙芝居の箱と、水

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ドロパン

ドロパン

おはようございます。
「記憶スケッチ」続きです。夫とお題を出し合い、それは「現存する人物」以外当たり障りのないものとしました。で、アイコンにもしていますがこの時のお題は「パンダ」。
楽勝楽勝と描き始めたけれど、パンダの白黒ってどこがどうだっけ?
黙考しばし。ペンを走らせる度「アレ?」「あれれ?」
パンダからどんどん遠ざかり
「ひぃぃ!!!パンダじゃない!!!」
俯瞰して説明(言い訳)を考えた。

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記憶スケッチ

記憶スケッチ

何年か前の冬のある休日。来る日も来る日も雪で、出かけるにも気が乗らない。とはいえ暇だし・・・と、かつてナンシー関さんが通販雑誌「通販生活」で主宰していた「記憶スケッチアカデミー」を思い出し、夫とやってみました。 
noteでの私のアイコンは、記憶スケッチした「パンダ」で当時の最高傑作と自負してやまないものです。この記事に貼ったものは夫に勝った!!と鼻穴を膨らました「アントニオ猪木」です(;'∀')

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