マガジンのカバー画像

事業のネタ帳

39
日本・インドネシア・ベトナム・インドのアジア4カ国でシードスタートアップへの投資支援を手掛けるVCのジェネシア・ベンチャーズが、起業家/事業家の目線で産業創造/産業変革のアイディ… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

金利上昇に伴って生まれるスタートアップの事業機会(不動産編)

金利上昇に伴って生まれるスタートアップの事業機会(不動産編)

1.はじめに

インフレ抑制を目的とし、2021年末から継続に実施されている米国の金利の引き上げは、株式市場の低迷や、昨今では米国のスタートアップやVCに親しまれていたシリコンバレーバンクを破綻に追い込む間接的なきっかけになるなど、世界的に大きな余波を生んでいます。日本においても、長期金利の上昇に伴って金融機関が保有している債権の含み損が大きく拡大していますし、私たち消費者においても、例えば住宅ロ

もっとみる
事業のネタ帳 #38 SBIR・公共調達によって生まれる事業機会

事業のネタ帳 #38 SBIR・公共調達によって生まれる事業機会

はじめにこんにちは、ジェネシア・ベンチャーズの一戸です!

有り難いことに、昨年は担当として4社に投資させていただき、自身が投資したいと強く感じていた領域である製造業、教育、物流、介護の4領域で事業を行うスタートアップに投資を行うことができました。いずれの会社もとても大きな挑戦をしており、同志として日々試行錯誤しながら挑戦を共にできることにとてもワクワクしています。

■匠技研工業(旧LeadX)

もっとみる
「個人のお金を増やす」事業ネタ

「個人のお金を増やす」事業ネタ

皆さん、こんにちは。ジェネシア・ベンチャーズの祝(シュク)です。
振り返ると、2022年は激動の年でした。
コロナ禍の世界的な金融緩和による反動とウクライナ戦争が重なり歴史的なインフレが世界経済を襲ったり、急速な利上げでテック株中心に市場がクラッシュしたり、円相場が32年ぶりに150円/ドルをつけたり、FTXが破綻したり、等々。
改めて自分のお金は自分で守ることの重要性を私自身強く感じさせられまし

もっとみる
事業のネタ帳#36 日本発コンテンツが世界で熱狂を生むために

事業のネタ帳#36 日本発コンテンツが世界で熱狂を生むために

はじめまして、ジェネシア・ベンチャーズの水谷ケーゴです。
弊社キャピタリストが持ち回りで、各自の注目領域について執筆している『事業のネタ帳』シリーズですが、今回は、私の主観入りまくりの日本発コンテンツに対する希望と、「あったらいいな」感強めの事業機会について共有できればと思います。

私、この1年間で、自分自身について気づいたことが一つあります。それは、
日本発のコンテンツが海外にディストリビュー

もっとみる
事業のネタ帳 #35 ユースケースから考えるWeb3事業機会(後編)

事業のネタ帳 #35 ユースケースから考えるWeb3事業機会(後編)

本記事は「事業のネタ帳 #25 ユースケースから考えるWeb3事業機会(前編)」の後編です。

前編記事を2022年8月に書いてから約半年が経過しましたが、11月に大手暗号資産取引所FTXと暗号資産レンディング大手BlockFi、2023年1月にDigital Currency Group子会社のGenesis Globalの度重なる破産申請により暗号資産市場の厳冬期が訪れています。

2023年

もっとみる
事業のネタ帳 #34 Verticalサービス × コンパウンドスタートアップ

事業のネタ帳 #34 Verticalサービス × コンパウンドスタートアップ

皆さま、お元気ですか。初めましての方も宜しくお願い致します。
ジェネシア・ベンチャーズ鈴木です。
またもや久々のnoteとなってしまいました。

ジェネシア・ベンチャーズのキャピタリストで継続的に発信をしている【事業のネタ帳】シリーズですが、引き続き、個人的に考えを深め続けたいテーマとしての「Verticalの未来」に関して、「Verticalサービスの進化と深化」として僕が主戦場としている新興国

もっとみる
バックオフィス業務(情報システム部・労務部・総務部など)の未来

バックオフィス業務(情報システム部・労務部・総務部など)の未来

0.はじめに

コロナ禍によって、時間軸が数年間手前に手繰り寄せられた企業のデジタル・トランスフォーメーション。これによって、企業を取り巻く環境は大きな変化を求められていますが、事業のネタ帳#33では、その変化の中でも情報システム部・労務部・総務部などのバックオフィス業務の未来について考えてみたいと思います。

「事業のネタ帳」のバックナンバー(#1から#32)はこちら

ではなぜバックオフィス業

もっとみる
事業のネタ帳 #32 アパレル業界におけるビジネスモデルの転換

事業のネタ帳 #32 アパレル業界におけるビジネスモデルの転換

こんにちは、ジェネシア・ベンチャーズの一戸です!

以前、↓このようなnoteを出したのですが、それ以降もアパレル業界について色々とリサーチをしたり、考えを巡らせてきました。

そのような中で、経産省が今年の4月に公開した「ファッションの未来に関する報告書」というものが、アパレル業界の潮流を認識するだけでなく、スタートアップの事業機会を模索する上でも有用だったため、今回はこちらのレポートをベースに

もっとみる
事業のネタ帳#31 シード期の市場規模(TAM / SAM / SOMは使いづらい?)

事業のネタ帳#31 シード期の市場規模(TAM / SAM / SOMは使いづらい?)

創業前後やシード期のスタートアップ起業家から多くの相談をいただくポイントの一つである市場規模。

上場と未上場を問わず、事業の市場規模を示す上ではTAM / SAM / SOMがよく利用される指標であり、webで検索しても解説記事がいくつか出てきます。

かくいう自分もこれまでに執筆してきた自身のnoteでTAM / SAM / SOMについて色々と書いてきたりしてきたわけですが、いざ、シード期の

もっとみる
事業のネタ帳#30 中国EVの最前線から見る自動車産業の未来

事業のネタ帳#30 中国EVの最前線から見る自動車産業の未来

みなさん、こんにちは!シード期のスタートアップに投資を行うジェネシア・ベンチャーズの祝です。
私としては今回初の投稿になりますが、弊社キャピタリストが持ち回りで連載している「事業のネタ帳」は今回で第30回目となりました。

本稿では、自動車産業におけるEV化の大きな流れの中で、先行して急拡大している中国EVマーケットの現状整理と、EV新興メーカーの動向等を踏まえ、業界の構造変化や新しい事業機会につ

もっとみる
事業のネタ帳 #29 逆張りの Re-skilling as a Service

事業のネタ帳 #29 逆張りの Re-skilling as a Service

働く人の学び直し(リスキリング/Re-skilling)の支援策を検討する自民党の議員連盟が今月中にも発足されることが明らかになりました。

設立趣意書案にもある通り、マクロで見ると「人口減少を補うだけの1人あたり生産性の向上、平均所得の向上がなければ国内総生産(GDP)を維持・拡大できない」ため、そのギャップを埋めるべく国を挙げてリスキリングを推奨しよう、という考えです。

具体的には5年で1兆

もっとみる
事業のネタ帳#28 逆転のインフルエンサーマーケティング

事業のネタ帳#28 逆転のインフルエンサーマーケティング

はじめまして、シードVCのジェネシア・ベンチャーズの水谷圭吾です。
以前から事業ネタに関する記事自体はいくつか投稿させてもらっていましたが、弊社キャピタリストが持ち回りで執筆している『事業のネタ帳』シリーズとしては初投稿となります。

今回は、ソーシャルメディアの変化に合わせた次世代型インフルエンサーマーケティングに焦点を当て、今後生まれそうな事業機会を皆さんに紹介できればと思います。アイデア自体

もっとみる
事業のネタ帳#27 SMB向けHorizontal SaaSが持つ可能性

事業のネタ帳#27 SMB向けHorizontal SaaSが持つ可能性

■SMB向けビジネスの概観全国に企業は367万4,000社(2021年6月末時点、経済センサス活動調査)存在し、このうちの99.7%を占めると言われているSMB(Small and Medium Business)。SMBは社数が多いだけではなく、デジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)の余地が大きく、SMB向けビジネス、特にHorizontal SaaSの可能性は極めて大きいと考えていま

もっとみる
事業のネタ帳 #26 ブルーオーシャン or レッドオーシャン?  - レッドオーシャンでの勝ち筋を描けるか -

事業のネタ帳 #26 ブルーオーシャン or レッドオーシャン? - レッドオーシャンでの勝ち筋を描けるか -

スタートアップとして事業を検討していくにあたって、市場選定について考えることは避けることができません。市場選定は、言わずもがな、その後の事業成長を大きく左右するファクターです。

市場についての一つの見方として、ブルーオーシャン / レッドオーシャンといった視点が挙げられます。教科書的には、事業者間の競争が激化してパイの取り合いになっているレッドオーシャンではなく、競争の少ない新市場をブルーオーシ

もっとみる