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【学ぼう‼刑法】入門編/総論27/共犯と身分/真正身分犯と不真正身分犯/違法身分と責任身分
第1 はじめに今回のテーマは「共犯と身分」です。
扱う条文は、刑法65条だけ。こんな条文です。
そんなに長くもないし、超楽勝ですね!
では、参りましょうか? 泥沼へwww
第2 身分犯1 身分犯の意義
刑法65条の見出しは「身分犯と共犯」です。
ということで、まず「身分犯」とは何か、ということを確認しておきましょう。
構成要件は、構成要件要素から成っています。結果犯の場合であれば、
【学ぼう‼刑法】入門編/総論26/共同正犯(2)/共同正犯の錯誤/過失犯の共同正犯
第1 はじめに前回は「共謀共同正犯」と「承継的共同正犯」について扱いました。
共謀共同正犯は、共同実行の事実の「内容」の問題、
承継的共同正犯は、共同実行の意思が「形成される時期」の問題でしたが、今回扱うのは、共同実行の意思の「内容」に関わる問題です。
第2 共同正犯の錯誤1 共同実行の意思は「故意の共同」か?
共同正犯の成立要件として、主観的要件である「共同実行の意思」と、客観的要件であ
【学ぼう‼刑法】入門編/総論25/共同正犯(1)/共同実行の事実と共謀共同正犯/共同実行の意思と承継的共同正犯
第1 はじめにこれは、共犯に関する条文です。
前回は、教唆犯、従犯をやりました。今回は「共同正犯」です。
第2 共同正犯の成立要件と効果1 共同正犯の存在意義
共同正犯について定めた刑法60条は、次のように規定しています。
これが「共同正犯」です。
まずは、事例を見てみましょう。
この【事例1】において、まずは「共同正犯」という共犯形態がなかったら、甲・乙がそれぞれどのような罪になる
【学ぼう‼刑法】入門編/総論24/教唆犯と従犯の構成要件/共犯の従属性/共犯の処罰根拠
第1 はじめに今回のテーマは「共犯」です。
その中でも、特に、狭義の共犯と呼ばれる「教唆犯」と「従犯」を取り上げます。
共犯には、これらの他に「共同正犯」というものがあり、教唆犯、従犯にこれを加えた3つが、広義の共犯と呼ばれています。
まず、共犯について定めた条文を示せば、次のとおりです。これから3回で詳しく見てゆくので、今はサッと目を通す程度で大丈夫です。
第2 正犯と共犯犯罪事実に対
【学ぼう‼刑法】入門編/総論23/違法性阻却事由の錯誤/誤想防衛とその周辺/違法性の錯誤と違法性の意識
第1 はじめに今回のテーマは「違法性に関する錯誤」です。
まず、この問題が、犯罪論体系上のどこに位置づけられるのか、という確認をしましょう。
故意は、現在では、犯罪論体系上、構成要件段階と有責性の2箇所に位置づけられ、機能しています(故意の二重的機能)。
そして、構成要件段階にある故意は「構成要件的故意」と呼ばれ、有責性の段階にある故意は、単に「故意」または「責任故意」と呼ばれています。
【学ぼう‼刑法】入門編/総論22/構成要件的事実の錯誤(2)/抽象的事実の錯誤
第1 はじめに前回は、構成要件的事実の錯誤のうち、具体的事実の錯誤(同一構成要件内で生じた錯誤)のお話をしました。
今回は、構成要件的事実の錯誤のうち、抽象的事実の錯誤(異なる構成要件にまたがって生じた錯誤)のお話をします。
……が、その前に、前回の復習を軽くしておきましょうか。
まずは、用語の意味を確認しましょう。
次に、具体的符合説と抽象的符合説の内容を確認しましょう。
具体的符合
【学ぼう‼刑法】入門編/総論21/構成要件的事実の錯誤(1)/具体的事実の錯誤/予定外事実の併発
第1 はじめに前回の終わりに、今回使用する事例を紹介しておきました。
今回使うのは、以下の事例です。
今回のテーマは、具体的事実の錯誤です。
では、早速、始めましょうか?
第2 具体的事実の錯誤1【設例91】客体の錯誤
以上が【設例91】の事実関係です。早速、Aに何罪が成立するかを考えてみましょう。
犯罪は、構成要件に該当する違法かつ有責な行為なので、まず、このAの行為が何罪の構成要件に
【学ぼう‼刑法】入門編/総論18/責任能力とその周辺/原因において自由な行為の理論
第1 はじめに前回までに学んだことによれば、責任能力と故意または過失は、行為者に対して行為責任を問ううえでの必須の責任要素です。
しかし、刑法は、責任能力について正面から規定していません。
けれども、刑法は「心神喪失者」と「14歳に満たない者」の行為について「罰しない」と規定しており、これは、責任能力を欠くために、有責性が阻却され、犯罪が成立しない場合であると理解されています。
第2 心神
【学ぼう‼刑法】入門編/総論16/法律科目の答案の書き方(1)/一行問題と事例問題/いろいろな論証表現
第1 はじめに1 答案の書き方を学ぶ必要性
今回は、いつもとチョット趣を変えて、「法律科目の答案の書き方」というテーマでお話したいと思います。
私の法学部での学生時代を振り返っても「答案の書き方」というものを教えてもらった記憶がありません。
では、どうやって「答案の書き方」を身につけていったかというと、司法試験受験団体で受けた指導であったり、司法試験予備校での答案練習会でした。そういう機会
【学ぼう‼刑法】入門編/総論13/正当防衛(2)/偶然防衛と防衛の意思
第1 はじめに今回は、正当防衛の2回目です。
前回の最後に「防衛の意思」の要否は正当防衛における最大の争点であるとお話しました。そして、正当防衛の要件として「防衛の意思」を必要と考えるか不要と考えるかによって結論に大きな差異が現れるのが「偶然防衛」と呼ばれる事例です。
今回は「偶然防衛」の事例を検討しながら、その中で「防衛の意思」の要否の問題がどう現れるのか、そして「防衛の意思」を必要とする