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エッセイ

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毎週日曜に更新しているエッセイです。 全て無料で読めます。投げ銭もできます。 ( 番号を振り始めた2023年6月以降のものから入れています。)
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記事一覧

20代の年相応むず過ぎる(5月エッセイ①)

20代の年相応むず過ぎる(5月エッセイ①)

 仕事終わり、会社の飲み会にみんなで向かう途中、上司と隣だった。こういう時の会話は何を話せばいいのかいつも困る。一般的に、天気の話から入るのが定番ということは僕も知っている。だけど、新卒2年目の自分がいきなり天気の話をしてきたら、『この子、気を遣って無理矢理話そうとしてくれてる…』、『雑談の仕方をどっかで覚えてきたのかな…』と思われないか心配になる。こいつ無理してんなと思われたり、そんな気を遣わな

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癖(4月エッセイ④)

癖(4月エッセイ④)

 爪を切る時、足の小指から切ったら、なんとなくおさまりが悪かった。巻き爪気味だからか、それとも体から一番遠い箇所だからか、なぜか上手く切れる気がしなかった。親指まで爪を切り終えて、反対の足へ移行した時に、いつもは親指から切っていることに気がついた。どの指から切るかどうかなど今まで意識したことがなかった。

 小学生の時に、家の冷蔵庫が変わって、冷蔵室は右開きから左開きになり、3段目にあった冷凍庫は

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イヤホンを外すと(4月エッセイ③)

イヤホンを外すと(4月エッセイ③)

 外を出歩いている時、大体イヤホンをしながら行動している。街の音に耳を傾けながら、エッセイや小説に書くネタを集め、見たもののイメージを文章で表現することには憧れがある。だけど、外に出ている時は無性に人の目が気になってしまうから、下を向き、ノイズキャンセリングで音楽を聴き、外気に晒されながらも自分だけの空間を無理矢理作り出す。音楽は場所を選ばずに楽しめるから、いい暇つぶしになる。
 ただし、仕事中や

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無理。(4月エッセイ②)

無理。(4月エッセイ②)

 疲れているからといって、早く寝るだけだと全然疲れが取れない。むしろ、かえって頭がスッキリしない。
 疲れてもう何もできない時、風呂にも入らず、歯も磨かず20時過ぎぐらいに泥のように眠ってみる。大体3、4時くらいに起きて、まだまだ眠い状態で風呂に入る。うとうとしながら湯船に浸かって、半目で風呂上りのタスクを片付ける。もうひと眠りしようと布団に潜るけど、いざ床に就くと、すぐには眠れない。スマホをいじ

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整理・整頓(4月エッセイ①)

整理・整頓(4月エッセイ①)

 部屋の掃除をし終わってから、いつも目に見える範囲だけを綺麗にして満足している自分がいることに気づいた。いつからか、テーブルの上のものが減らなくなった。ただの物置きとなってからどれくらい経ってしまっただろうか。
 少し前までやっていたポケモンカード、溜まったCD、いつもらったか忘れた薬の処方箋。あげればキリがないが、今も学習机の上になんとかスペースを作り出し、パソコンに向かってこの文章を書いている

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人目が気になる(3月エッセイ⑤)

人目が気になる(3月エッセイ⑤)

 オードリーの若林さんが以前番組で『自分の本棚を見られることは肛門を見られるくらい恥ずかしい』と言っていた。自分は最初ピンと来ていなかった。本を読んだら、その感想をすぐに人に話したくなる。ジャンルや内容に関係なく、読んで何かを得たと思ったら構わず共有してみたいと思う。

 SNS上で「私小説を書きだしたら小説家は終わり」という言葉を目にした。小説家が私生活を切り売りしたらダメ的な文章がその後に続い

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見られる(3月エッセイ④)

見られる(3月エッセイ④)

 エッセイを書く時、あるいはSNSに何かを投稿する時、僕は人が見ているということをそれなり意識して書いている。言葉のニュアンスをできるだけ柔らかく、大袈裟すぎず、かと言って曖昧になりすぎないように、といったことを心がける。

 自分以外のどれだけの人が、人に見られているということを意識しているだろうかと時々考える。たまたま見たテレビでモヤっとした時、満員電車に乗っている時、乗り気じゃない飲み会に参

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バッタバタ(3月エッセイ③)

バッタバタ(3月エッセイ③)

だんだん社会人っぽくなってきた。
持っている仕事量が気づいたら溢れそうになっている。
自分ひとりでできる仕事がまだまだ少なくて、ひとつひとつの作業にかかる時間がとにかく長い。まず自分でやり方を考える。途中詰まって先輩に聞く。回答を待つ。ヒントだけもらってまた考える。
この繰り返しで1日が終わる。当然全く進捗は変わらないので、ストレスが溜まっていく。気づけば顔にニキビが10個以上できて、1度は治した

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Xのおすすめ欄(3月エッセイ②)

Xのおすすめ欄(3月エッセイ②)

X(旧Twitter)におすすめ機能が現れてから、大分目が慣れてきた。
最初は先頭のタブにあるのも、特に求めていない情報を目にさせられることに嫌悪感すらあったけれど、使い方が何となくわかってきた気がする。
これまでだったらフォローしている人が拡散するか、検索しなければ見られなかった投稿がいくらでも見られるようになった。今まで目にすることのなかった人の意見や立場が垣間見え、本来手にするはずのなかった

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なんでイライラしちゃうんだろうな(3月エッセイ①)

なんでイライラしちゃうんだろうな(3月エッセイ①)

出社してデスクに着くなり、先輩社員から「資格取った?」と聞かれた。
その人は顔を合わせる度に資格を取ったか確認してくる。僕がまだ取れてないですと言うと、「ヤバいんじゃないの?」、「え、遅くない?」、「自分はこの時期にはもう取ってたけどな」と煽り散らしてくる。
取得する期限自体はかなり先だが、必要な資格は1年目以内に取るのが当たり前という社内の風潮があるので、僕も負い目があり、何度いじられても強く言

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ライブイベントの屋台的なカレー(2月エッセイ④)

ライブイベントの屋台的なカレー(2月エッセイ④)

今年の目標のひとつである「バンドをライブでたくさん見る」を実行するため、渋谷のライブハウスに気になっているバンドを見に行った。
今年確実に来ると言われているアーティストで、300人キャパの空間は満員だった。
いつもはアイドル現場にしかほとんど足を運ばないので、いつもと違う客層に若干緊張していた。
肝心のライブパフォーマンスは演奏も歌も期待以上にカッコよくて、口から音源が出ているのかと錯覚した。周り

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日常にエロが足りない(2月エッセイ③)

日常にエロが足りない(2月エッセイ③)

エロ自由律俳句に自分の作った俳句を載せられたい。
エロ自由律俳句とは、お笑いコンビ・かが屋の加賀翔さんと放送作家の白武ときおさんが「エロ」をテーマに自由律俳句を詠むというクイック・ジャパンでやっている連載である。X(旧:Twitter)のおすすめ欄に唐突に現れた「前の恋人の影響を持ち寄っている」という俳句に心を掴まれた。それから遡って、色々な俳句を眺めていると、読者投稿のものがあることを知った。

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AIが恋愛の感情を分析したパンがあるらしい(2月エッセイ②)

AIが恋愛の感情を分析したパンがあるらしい(2月エッセイ②)

最近暗いニュースが続いている。
自分たちでどうにかできることばかりではないから仕方ないのだけれど、どうにかできないからこそ歯がゆいと感じる。
会社で先輩たちとそんな話をしていると、1人が「AIが恋愛の感情を分析したパンが売ってるらしいですよ」と言い出した。何か明るいニュースはないかと調べてくれたのだろう。

サイトを眺めながら「失恋の味とかもあるみたいですね。」というひと言に僕は思わず、なんでパン

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リスペクトと優柔不断(2月エッセイ①)

リスペクトと優柔不断(2月エッセイ①)

去年の11月22日いいツインテールの日に、気になっていたアイドルのツインテールの自撮りを見て、イベントに行くことを決意した。
特典会でそのアイドルに「ツインテールの私と今日の私どっちが好き?」と迫られた。
ツインテールも今日の姿もどうしたら自分にとって一番似合う姿になるかをその方が考え抜いた上で、不断の努力がもたらしたものだと思うと、自分のただの主観でどちらかを選ぶという行為が、リスペクトを欠いた

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