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美しい物語を読んで真夜中にみんなで泣こうぜ。『すべて真夜中の恋人たち』

美しい文章はどうやって生まれるのだろう。美しい物語はどうやって生まれるのだろう。
美しい人間はどうやって生まれるのだろう。おそらく「美しくあろうとすること」から生まれるのだと僕は思う。

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。」(本文より引用)

こんな冒頭で始まる川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』は最高に美しい物語だ。どれだけ最高かと言えば、最後の数ページで涙が止まらなくなるくらい美しい。

人は最高に美しいものに触れた時、ただ訳もわからず涙が出る。僕はこの最高に美しい物語が終わりを迎えるまでの残りの数ページ、涙が止まらなかった。

川上未映子は今や日本を代表する作家である。書いたほとんどの作品で数多くの文学賞を受賞し、今ではいくつかの文学賞の選考委員をしている。

『すべて真夜中の恋人たち』の主人公は冬子というフリーで文章の校閲の仕事のしている女性。この小説は冬子が三束(みつか)さんという男性に会い、恋をする物語だ。

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。

それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。」(本文より引用)

美しくあろうとすることは難しい。生きていく中で、人は時に残忍にならなければならないし、時に卑怯にならなければならない。しかし、それでも美しくあろうとすることは、きっと美しいことだ。

この世の中には色んな小説があって、文章で物語を操る小説家たちは、あらゆる手段で読む人を感動させ、泣かせようとする。

しかし、この最高に美しい物語は、冬子がただただ美しく生きる姿に、僕が勝手に泣いたに過ぎない。

今も書評を書くために拾い読みして泣いている。僕はストレスが溜まり過ぎておかしくなってただ泣きたいだけの男なのかもしれない。

『すべて真夜中の恋人たち』っておかしな言葉に思えるかもしれない。日本語の表現として正しくないのかもしれない。でも、この言葉の意味が出て来た物語の最後、僕はもう涙が止まらなくなっていた。

興味を持った方にこの小説を是非とも読んでもらい、泣いたかどうかを一人ずつ尋ねてみたい。なので、是非読んでみてください。

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