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【採用/組織】採用で見るべき「地頭」とは何か?

こんにちは!都内の某採用・組織コンサルティング会社勤務の奈良です。

今回はタイトルにもある通り、「採用で見るべき「地頭」とは何か?」という内容となります!


地頭に関する問題点

採用でもよく言われる「地頭」。できることなら地頭の良い候補者を採用したいという企業ニーズは尽きることがありません。

そんな地頭ですが、世の中には様々な地頭に関する定説があります。例えば、「大学ではなく高校の偏差値を見ると分かる」「フェルミ推定など正解のない問いを考えることで分かる」などです。いろいろな会社の採用人事の方や経営者の方からも「地頭」というワードは出ますが、会社により、人により解釈はバラバラな印象です。

かく言う私も企業に対する採用コンサルティングを仕事にしている中で当たり前のように「地頭」と使っていましたが、そういえば改めて「地頭とは何か?」を定義したことがなく、人によって解釈が分かれている気がしたので、いま一度整理したいと思い本noteを書くことにしました。

地頭とは何か?

ネット辞書だと「大学などでの教育で与えられたのでない、その人本来の頭のよさ。一般に知識の多寡でなく、論理的思考力やコミュニケーション能力などをいう。」と定義されている地頭。

また、STUDY HACKER様のまとめによると添付記事のような形で整理されていたりします。(いろいろ見ていますが、個人的にはこの記事が非常に体系的にまとめられている印象ですね)
https://studyhacker.net/jiatama-toha-nanika

この図は非常にわかりやすいですね!

「地頭」という単語を分解すると「地」と「頭」に分解されます。「地」は「本来の姿/支えにある下地」などの意味があり、「頭」には「脳の働き/思考力/考え」といった意味があります。

いろいろ複雑に要素としてはあるようですが、つまるところ、要は「今手元にある限られた情報の中で考える力」と言い換えられるかもしれませんね。

採用で見るべき「地頭」とは?

では、採用活動の中では「地頭」をどう見ていけば良いのでしょうか?

先に結論からお伝えすると、「各企業により求められる”地頭”の定義は異なるため、各企業なりの指標を設定して判断することが必要」という回答になります。

もう少し具体的に説明を付け加えると、STUDY HACKER様の記事でも紹介したように、「地頭」を構成する要素にもさまざまなものがあります。(詳細は以下の添付画像を参照ください)

各企業ごと、さらには採用職種ごとにも必要な考える力は異なってきます。一定の濃淡をつけ、自社なりの「地頭」のイメージの輪郭を創り出していくことが大事なのだと思います。

例えばすごくザックリのイメージですが、同じコンサルティング業でも「リサーチや分析が主となるタイプ」と「戦略から新たなアイデアや着想を形にするタイプ」では求める地頭の系統は若干異なるはずです。イメージは円グラフのように、自社なりの地頭の配分を視覚化するとペルソナや合否のすり合わせがしやすくなるはずです。(以下イメージ画像)

採用で大事なことは「全員が共通認識を持つ」ことです。特に採用に関わる人数が多い企業ほど、現場の面接官の好き好みで結局判断されているケースも多くあります。完全に認識や合否基準を揃えきることは難しいかもしれませんが、各々の間にあるズレを最小化するための取り組みは採用チームが積極的に取り組む必要があります。

個人的にオススメのHOW

中小企業やベンチャー企業でも地頭のある人材のほうが自ら思考し、自走しやすく、事業をグロースさせるうえでは重要なはずです。そこで今回は個人的にオススメのHOWをいくつかご紹介して終えたいと思います。

①答えのない問いを考えてもらう

これはストレートに今の本人の地頭のパフォーマンスを見るのに最適です。よくコンサルファームである「フェルミ推定」などはこれにあたりますが、若干数字やロジックの組み立てに寄っている面があります。

そこで推奨したいのが、「自社に入社した後の未来」について考えてもらうお題を課すというもの。未来は誰にもわかりません。抽象的な問いに対する思考の深さを見ることができるため、こういった角度の質問もオススメになります。しかもこれはある程度の期間をかけてじっくり取り組んでもらうことが重要です。なぜなら、10分とか1時間程度のさらっとしたものではその人の「思考の深さ」が垣間見えないからです。深く長く抽象的な問いに向き合える思考体力、思考力を見ていくこともフェルミ推定ではできない部分をカバーする意味では大切になります。

また、このお題の特徴としては、抽象度も非常に高く、かつ断片的な情報と限定的な自己理解では到底アウトプットを創ることが難しいお題になります。つまり、自ら情報にアクセスして会社理解を深め、さらには自己分析を深めていくことが求められるのです。そして、未来を考えることは自分の就職した先を考えることにほかなりません。つまり、「内定」をゴールにせず、「自社に入社した後」の状態ゴールをイメージさせる効果もあるため、判断のみならず魅了付けの観点からも効果的なのです。

②幼少期に没頭していたり、実はよくやっていたこと

地頭において大事なことは、本人がある程度幼少期から「抽象的な問い」に向き合ってきた経験があるかが挙げられます。抽象的で答えのない問いに何かしら向き合ったり頭をひねって考えてきた経験は一定は地頭を見ていくうえでの裏付けとなります。(あくまでこれ自体は今のパフォーマンスを見ているわけではないので、エビデンス程度にはなります)

たとえば美術や芸術的な正解のないものに没頭してきた経験や、周囲の人とそういった話をよくしていたなどです。(注意点:本人の力ではどうにもできない外的環境で就職機会が平等にならないことを避けるために、厚生労働省から面接で聞いてはいけないことの観点として「家族構成や家族の職業・地位・収入に関する質問」があります。家庭環境周りの質問は控えるようにしましょう。)

③すべての源泉にある「好奇心」を見ていく

好奇心は何事にも代えがたい原動力です。本人がどのような領域、事柄に興味があるのかをストレートに把握しにいくことも、自社の採用職種とのマッチングを見ていくうえではとても大事になります。とはいえ、面接で好奇心があるかを聞いても大概は「ある」という回答が返ってきますので、この辺りは採用人事側が網羅的に候補者の輪郭を鮮明にしながら、好奇心をもって仕事にのめる込めるタイプかを判断していくことが求められます。すぐにできるレベルで、いくつか参考になる方法をご紹介いたします。

(1)ストレングス・ファインダー
「ストレングス・ファインダー」とは、米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断」ツールです。無意識的な自分の思考・感情・行動の特徴を強みとして見える化できるツールです。特定の強みがあるから好奇心があると定義できるものではありませんが、多面的に見ながら候補者の輪郭や無意識の特徴をクリアにしていくためには非常に有効と言えます。(職種適正なども露骨に出るので、業務で求められるレベルが高い職種を採用する際は選考の途中プロセスで挟むと面接などと照合する材料にもなるのでオススメです。)

(2)チームで1つのお題に取り組むグループワーク
これも意外と見れます。チームで正解のない抽象的なお題に取り組んでもらうと、各々の興味関心の分野や、意見が乱立する状況が自然発生的に生まれます。この際に、他者の意見にも興味関心を持てるか?または自社で働くうえで必要な要素に興味関心を持った言動をとっているかを判断しやすくなります。(もちろん候補者の一部分しか見れないので他の選考とセットでの判断が取りこぼしを減らすうえでも大事にはなりますが)

(3)夢中で没頭できることを100個挙げてもらう
これもシステマティックですがけっこうおすすめです。自分がこれまでの人生で「夢中になれたこと」「没頭できたこと」「興味関心を持てたこと」を100個挙げてもらいます。50個くらいでガス欠になりかける学生もいますが、それでも100個絞り出してもらいます。100個あがったものを抽象化するとある程度何系統かに分かれます。その分野が自社の職務適正とマッチしているかを判断していくことも手法としては良いかと思います。(もう少し具体的に知りたい方はこちらの記事をお読みください。非常に参考になります。)
森岡毅氏が全就活生に送る、「働くこととは、キャリアとは何か?」 | 達人に学ぶキャリアと働き方 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

クロージング

「地頭とは何か?」「採用で見るべき地頭とは?」そして「地頭を見ていくHOW」について限定的ではありますがご紹介をさせていただきました。とはいえ、地頭という概念自体があいまいなものであることに変わりないため、画一的に「これが正解!」という定義や、HOWというものはもしかしたらないのかもしれません。だからこそ、自社なりの正解を導くための取り組みが重要なのです。

少しでも今回の内容が参考になれば幸いです。特にグループワークやお題などについては詳細はお伝え出来ない部分もありましたので、もし採用強化をお考えの経営者の方・採用人事の方は個人的にご相談いただければできる範囲でお答えできればと思います。

ということで、本noteの内容が少しでも参考になっていれば嬉しい限りです。改めて最後までお読みいただきありがとうございました!

※最後に少しだけお願い※
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