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あどけない話(夜のエッセイ)

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日々の暮らしから、あどけない話を綴ります。
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2018年7月の記事一覧

「開かれた」私と、言葉の力

2018年の7月も今日で終わり。
思い返せばこの1ヶ月、これまでの自分からしたら信じられないくらい、色々な方にお会いすることができた。

これまでの自分とはどんなだったか。一言で言えば「閉じていた」。日々の暮らしや会社勤めに手一杯で、それ以外に目を向ける余裕がなかった。

5月の終わりに思い立ってnoteを始め、様々に綴られた「想い」に出会った。すると不思議なことに、自然と「この『想い』を綴ったの

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AIスピーカーは電気羊の夢を見るか?

AIスピーカーは電気羊の夢を見るか?

(広い意味で)言葉とか文章に対して尽きることない興味を持ち、それに関わる仕事をしている身としては、なんとなく釈然としない思いを抱きつつも、常にどこかで気にしてしまう存在。

AIデバイスのことである。

「今ある仕事の◯割がAIに取って代わられる」や「AIを利用した新しいサービスを開始します」など、AIに関するニュースを聞かない日はないくらいだ。私の仕事の領域においても、さながらAI祭りである。

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『未来のミライ』ー「家族の歴史」と向き合う物語

『未来のミライ』ー「家族の歴史」と向き合う物語

土砂降りの土曜日。
よりにもよってこんな日に映画のチケットを予約してしまっていたので、ややブルーな気持ちになりながら映画館に足を運んだ。

鑑賞したのは、話題の『未来のミライ』。
評価が分かれている映画のようだが、私は楽しめた。
今日はこの映画をとっかかりにして、3つのことを書き記しておきたい。

ー目次ー
①「映画を観る」という体験について
②映画の何を鑑賞するか
③『未来のミライ』について

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青は藍より出でて藍よりも青し

最近、街中で箱型のタクシーを見る機会が増えてきた。
トヨタが製造している「ジャパンタクシー」だ。

見慣れない頃はびっくりしたが、今となってはもはやおなじみの車両となっている。
実際に乗り込んだことはないのだが、色がとても良い。調べてみたら、「深藍」というのだそう。
そして驚くべきことに、トヨタのディーラーに行けば個人でも買えるらしい。これで街中を走っていたら、タクシーと間違われて呼び止められてし

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偏愛図書館 蔵書整理中

各人の本棚は、その人そのもの。100の言葉で自己紹介するよりも、蔵書一覧を交換すればある程度、互いの価値観・考えは分かる気がする。

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思えばずっと、人に本を薦めるのが苦手だった。
たぶんそれは、今まで「何かお薦めの本ない?」と聞いてきてくれる人が普段あまり本を読まないタイプの人が多く、さらに、求められてい

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「季刊iichiko」のこと

「季刊iichiko」のこと

先日、うだうだと「新聞」というものについて書きつけた。

「新聞を取り続けたい私」と「新聞を読まない私」の間で揺れ動く心を綴ったものだったが、今日久方ぶりに新聞を開いて、「あぁ、やっぱり購読はやめられないな」と思うものに出会った。

朝、出掛けに気が向いて、カバンの中に家から持ってきた日経新聞を忍ばせていた。以前は欠かさず持ってきていたのだが、気づけばいつの間にか新聞受けから取り出して、下駄箱の上

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詩心と詞心

詩心と詞心

(今日の投稿は、いつにも増して感覚的で、なおかつ「アヤシイ」知識で書きます。)

詩と詞の違いはどこにあるのだろう。もっと丁寧に言えば詩と歌詞の違いはどこにあるのだろう。僕は時々この問題について考えるのだけれど、答えはまったく出ない。

今日、フォローさせていただいている吉田翠さんが、以下の詩を投稿されていた。

僕はこの詩を読んだ時に、なぜだか言葉では説明できないが「とても音楽的な詩だな」と思っ

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「過剰サービス」に出会うと悲しくなる

「過剰サービス」に出会うと悲しくなる

1日に2つも通勤電車きっかけの投稿をするのも芸がないと思いつつ…。

帰りの電車で「過剰アナウンス」に出会った。
私の乗る電車はいつも、空調の使用状況(「現在は冷房を使用している」等々)をアナウンスするのだが、今日は一段とすごかった。
「ただいま、この電車は冷房を使用しております。なお、申し訳ございませんがすべてのお客様にご満足いただける設定にすることはできません。お客様一人ひとりで、衣類の着脱な

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ドイツ語を聞きながら歌舞伎を観る

ドイツ語を聞きながら歌舞伎を観る

久しぶりに、歌舞伎を観に行った。

数年前、初めて自主的に歌舞伎座で歌舞伎を観てすっかりその虜になり、一時は毎月観に行っていたこともある。
と言っても好きな演目は、皆さんが思い浮かべるであろう「ザ・歌舞伎」といった古典作品ではなく、芥川龍之介や大佛次郎、泉鏡花など新しい時代の作家が書いた「新作歌舞伎」だ。古さと新しさがいい塩梅で入り混じっているし、言葉も現代語だからその点では分かりやすく、親しみが

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「音」と「意味」が上手く結びつかない言葉がある

「音」と「意味」が上手く結びつかない言葉がある

京王線の新宿駅では、電車が着くとまず降車専用ホーム側のドアが開き、客が降りきったところで乗車専用ホーム側のドアが開くようになっている。さらに、乗車専用ホームには当然ながらホームドアが設置されていて、それが車両のドアと同時に開く。

このホームドアを開けるタイミングはホームに立つ駅員さんがアナウンスするのだが、その内容は「FDどうぞ」なのである。

さて、この「FDどうぞ」について私は、恥ずかしなが

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建築「の」言葉

建築「の」言葉

水曜日の夜は、言葉について考える時間。いや、言葉をきっかけに、「生きる」について考える時間。「生きること」と「考えること」は私の中ではほぼ等しい。

そう、水曜日はフランス語学習の日。

先週と同じく、家への帰り道、色んなことが「徒然なるままに」「かつ消えかつ結びて」状態である。
先日建築noteを書いたせいか、頭はなんとなく建築のことへ。
建築で使われる言葉って、意外とフランス語由来のものが多い

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写真家の目

写真家の目

最近はTwitterなどのおかげで、色々な写真家(「写真を撮る人」という意味で、プロだとか趣味だとかは問わない)の人の作品を目にする機会が増えた。

写真は世界を切り取るのだけれど、レンズの手前で構図を決めてシャッターを切っているのは当然、写真家だ。
これは本当に不思議なことだと思うのだが、なんでもない風景を撮った写真でも、いや、むしろそのような写真であればあるほど、撮る人の眼差しや息遣いが感じら

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『君の名前で僕を呼んで』―哀しい美しさを湛えた余韻を味わう

『君の名前で僕を呼んで』―哀しい美しさを湛えた余韻を味わう

一人前に映画を語れるほど映画を観てきたわけではないが、良い作品を観るとつい感想を書きたくなってしまう。

4月から上映が始まっていた『君の名前で僕を呼んで』(原題:"CALL ME BY YOUR NAME")を、ようやく観ることができた。

良い映画の条件とはなんだろうか。
当然人それぞれなのだが、私は「観終わった後の余韻」を重視したい人間だ。その点、この映画の余韻は素晴らしかった。最後のシーン

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「イサム・ノグチ―彫刻から身体・庭へ」展 記念講演会を聴く

「イサム・ノグチ―彫刻から身体・庭へ」展 記念講演会を聴く

(投げ銭方式ですが、最後までお読みいただけます。)

今日(2018年7月14日(土))から9月24日(月)まで、東京は初台の東京オペラシティアートギャラリーで「イサム・ノグチ―彫刻から身体・庭へ」と題した展覧会が開催されている。

(公式サイト、なんだかちょっと分かりづらいが、右上のボタンから各種情報が閲覧できるようだ。)

開催初日の今日、会場近くのリビングデザインセンターOZONEで記念講演

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